流星ワゴン
(2015年1月期・TBS・日曜21時枠)

原作 - 重松清『流星ワゴン』
脚本 - 八津弘幸
音楽 - 千住明
演出 - 福澤克雄、棚澤孝義、田中健太
主題歌 - サザンオールスターズ「イヤな事だらけの世の中で」
脚本協力 - 松田沙也
プロデューサー - 伊與田英徳、川嶋龍太郎





第1話 110万部のベストセラー小説初の映像化親と子の感動サクセ
スストーリー誕生!!父が自分の年齢の時この苦境をどう乗り越え
ただろうか!?涙のドタバタ展開!!

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2015年1月13日。
広島県福山市。永田一雄は海を見ていた。
近くには福山総合病院が有り、一雄の父・忠雄がこの病院で
入院していた。ベッドにやってくる一雄に対して父は、まるで
墓参りをするような顔だと告げ、仕事は頑張っているのかと
問う。嫁・美代子と孫の広樹は元気か?と問う。
母・澄子がやってくるとそろそろ飛行機の時間なのではないか
と問う。一雄に対してお車代を渡す。一度は受け取りを拒む
がやはり受け取る一雄。澄子は父は最近ガンが脳に転移してから
見境のない状況が続いていることを聞く。食事を食べさせる
介護士や看護師などに悪態をつき、娘・智子の婿である伸之
に対しても会社の件で忠雄が発案した企画なのに突然、伸之
にも不信感を抱き、会社を乗っ取る気だろうとして無茶を
言っているのだという。智子も病室にやってくる中、たまには
一泊していったらどうか?と言われるが明日も仕事なんだと
語り今日の飛行機で帰るという。
病院を出てタクシーに乗る際、母・澄子から父さんは冬は越せ
ないだろうと語る。
タクシーに乗って広島空港に行くはずが一雄はすぐにタクシー
を下りてバスに乗り、福山駅から高速バスで東京に戻る。
金券ショップで一番安いチケットを購入してのこと。
彼はリストラされ職を探している身だった。

1月14日。AM8:30東京到着。
横浜市都築ふれあいの丘駅で、妻の美代子に電話する。
今日は俺たちの結婚記念日だろうとするが、妻は電話を切って
しまう。コンビニでティラミスを買い帰宅する。
すると家には息子の広樹が家庭内で暴れている形跡が有った。
速達が届き、そこには妻からの離婚届が入っていた。
息子の広樹が部屋の中から出てくると母は海外旅行だと言って
いるが本当は俺たちを捨てて出て行ったのだろうと問う。
広樹は全部あんたのせいだとしてバッドを振り回して襲いかか
ってくるのだった。今まで家族のために頑張ってきたのに・・

1月15日。AM2:00。
公園のベンチで酔いつぶれていると、突然橋本親子が車から
声を掛けてくる。一雄はまるで彼らのことを知らなかったが
健太から呼ばれて車の後部座席に乗る。
運転手の橋本義明と会話していると、何故か彼は一雄のことを
良く知っていた。
更に自分たちは5年前に交通事故で死んでいるとしてその事故
の新聞を見せる。一雄は確かにその記事を目にしたことがあり
自分と同じ年の子を持つ父親が運転中に亡くなったことに同情
する思いが有ったことを思い出す。
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実家の岡山に住む父親が末期のがんに冒されこの冬を越える
ことは出来ないとされる中、息子の一雄は父親の仕事を受け継ぐ
ことなく東京の電子部品会社で働き、妻と一人の息子を育てて
いた。しかしリストラによって退職に追い込まれ、妻は
帰らず速達で離婚届。残された息子は中学受験に失敗し、
責任は全て父・一雄にあるとばかりにバッドを持って家庭内で
暴れていた。飲んだくれていた彼の前に突然車に乗った親子
が現れ一雄のことを色々と導いていく。それはなんと過去に
於ける一雄にとってのターニングポイントとなるべき日時で
ある事を知る。

主人公の周りは「MOZU」で有り、人生の分岐点にタイムスリップ
いるという意味では「素敵な選TAXI」。歴史の修正が行われて
結果として未来を変えられないのではないかとする流れは
「JIN」っぽさも有るし、幼少期からのことを引きずり今に至る
流れを通して故郷に思いを馳せるあたりは「Nのために」っぽさ
が有るし、何よりも親子関係を通して見ると「とんび」である。

過去に遡っていくウチに、本当に未来を変えられるのかという
事と同時に過去に抱いていた父親に対する不信感に対する
時々のエピソードには、一雄が思い描いていたものとはまた
別の側面が有ったということで、色々と気がつかされることが
多く、また一雄は未成熟とばかりに周りの人たちの気持ちに
寄り添っているつもりがまるでその気持ちが分かっていないという
流れが有る。

なんで一雄が都合良くやり直す機会を与えられるのかという
ことが疑問点として描かれているけど、死期迫る忠雄の件と
何ら関係が有るのか。

言いたい事があってもなかなか口に出来ない主人公の姿。
逆に父親はまっすぐな人で、気分が良いくらいズカズカっと直球
で迫ってくる。
一雄が父親のことを嫌っていたことの多くは誤解であり、一雄の
家庭の事情がどうしておかしくなったのかを探る中で、「根っこ」
の問題があるとしているけど、既に一雄の中の誤解は30年前の
鞆の浦の時から起きているのではないかという感じ。

わざわざ問題点に気が付かせる為に一カ所ずつ戻っていくという
親切設計だけど、本当に未来が変えられるのかどうかは誰にも
分からない。面白いのは父親とは同じような年齢として存在して
おり、彼が口を酸っぱくして語る朋輩として最も望んでいたのは
息子であり父親で有ったのかなと思う。

まぁ初回なので取りあえずこれから色々とドラマが待ち受けてい
そうなので流れるまま身を任せて見よう。
ちょっと残念なのは「2時間枠」で描かれたので、妙に最後の感動
のシーンまでに集中力が続かなかったところと、どうしても
ネタ的には前期枠の「素敵な選TAXI」と被るところが有るので
二番煎じに見えてしまうところかな。


永田 一雄 …… 西島秀俊 (電子機器メーカーリストラ)
(幼少期:佐藤詩音)
永田 忠雄 …… 香川照之 (丸忠総業/丸忠コーポレーション)
永田 美代子 …… 井川遥 (一雄の妻、ヤクザと浮気??)
永田 智子 …… 市川実和子 (一雄の妹。地元・鞆の浦)
(幼少期:梅垣日向子)
永田 伸之 …… 高橋洋 (智子の夫・丸忠コーポレーションの専務)
千賀 和哉 …… 入江甚儀 (電子機器メーカー左遷)
古閑 …… 町田啓太 (美代子の密会相手)
永田 広樹 …… 横山幸汰 (中学受験に失敗)
永田 澄江 …… 倍賞美津子 (一雄の母、忠雄の妻)
(若年期:渡辺真起子)
橋本 義明 …… 吉岡秀隆 (30年前、運転手)
橋本 健太 …… 高木星来 (30年前、義明の息子)
竹岡 …… 山本亨 (中華料理屋「天福軒」の主人)
竹岡光史 …… 中澤準 (一雄の親友)
伊藤順平 …… 須田邦裕 (30年前、トラック運転手)

丸忠総業の若い衆 …… 小橋正佳、三宅十空、日笠圭、岩間天嗣

八幡朋昭、若杉宏二
若井尚子、相澤侑我、野間洋子、梶原翔、黒田浩史
阿部博明、山田明奈、清水葉月、宮島はるか、島村紀子
深海哲哉、升原康嗣、田鍋謙一郎、あつみ昌宏、菅野達也
後藤健、尾崎一彦、本多遼、池内直樹、柿辰丸、石橋直哉
中司豊、石飛祐樹、柄本佳月、桑原実翔、翔太、悠貴
福島暢啓(アナ)



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