流星ワゴン
(2015年1月期・TBS・日曜21時枠)

原作 - 重松清『流星ワゴン』
脚本 - 八津弘幸
音楽 - 千住明
演出 - 福澤克雄、棚澤孝義、田中健太
主題歌 - サザンオールスターズ「イヤな事だらけの世の中で」
脚本協力 - 松田沙也
プロデューサー - 伊與田英徳、川嶋龍太郎





第10話 チュウさんへ感謝!ワゴンの謎、完結!!
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ワゴンに常に搭乗していた忠さんの姿が無くなる。
橋本は忠さんが時間切れだと告げると、一雄はあっちの世界で
亡くなったのかと問う。まだ亡くなった訳では無いが、死期を
悟って戻ったであろう事を知る。
その頃現実の世界では、妻・澄江だけでなく、娘・智子、娘婿・
伸之を始め丸忠コーポレーションの社員たちも病院に駆けつけ
忠さんの身を案じる。智子は何度電話しても連絡が付かない
一雄に憤りを覚える中、やっぱり兄と父は相容れない関係なの
かと呟く。
橋本はギリギリの状態なのでここに存在していられなかった
事を語り、忠さんは一雄の苦しみから救い本当の絆を取り戻す
事を求めていたとし、それが出来ないことを後悔していたと
いう。
一雄は恐らく忠さんは福山の実家の方に行き、自分の傍にいた
かっただろう事を告げる。半年後の現在の世界に自分達も
いけないかと問うと、橋本は行けるがどうかは分からないが
やって見ようと語る。

ワゴンが発車すると、そこは2015年1月14日の世界だった。
半年後の世界に来られた事を知る。先ずは忠さんを探そうと
告げる。
一雄は19歳で大学の為に上京しその後東京で就職した為に、
故郷よりも東京での生活が長くなっていた。
とても実家の邸宅が年代ものとなっていることに気が付く。
会社には派手につぎ込んでいたのに何故家は古いままなのか。
20年前に一度実は一度改装しようとしていた事を知る。
一雄が大学を卒業して戻ってくると考えた忠さんは、会社を
継いでもらおうとして一雄の部屋も一流にしようと考え、
サプライズで改装を考えていたのである。
しかしいざ一雄が帰郷した際に、このまま東京で就職し、
人生は自分で決めると言ったことで、忠さんは今の瞬間から
親子の関係ではないとして出て行く彼に警告する。
橋本はこの家を建て替えようとしたのはあなたが帰ってくる
からであり、出て行った息子を後悔させようとして会社を大きく
しようとしていたことを聞かされる。新事業にはあなたが
学んでいた電子部品関係を設立しようとしていたのだという。
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一雄は忠さんが居なくなった事を受けて、死期が近いことを
知る。なんとかして忠さんに遭いたいとする中で、健太は
一雄に対して、例え生きて戻れたとしても、これ以上にない最悪
な人生が待っていたとしても、戻りたいと思うかと問われる。
一雄は今の自分ならばその覚悟は有ると考えて、戻りたいこと
を語り、二度と死ぬ事はしないと語る。

ドラマとしては上手く収まった感じのするエピソードだった。
これまで過去の世界を旅行したことで、何よりも変わったのは
自分の中での意識の変化だったということで、物理的には何も
変わっていなくても、自分自身が変われば、それに対処・対応
出来るということを知らしめるものが有る。

そんな状況の中で、各々の分岐点でやるべき事をやらなかった
ことを実感させることで、問題の核心を探っていく構成だった
けど、そもそもの問題の根っこは一雄と忠雄の関係性にあり、
旅していく流れの中で、忠雄は自分の誤りに気が付き、そして
一雄もまたその誤りに気が付いた。

分岐点に於いて、違った選択筋を選んで、別の人生を歩むならば
ということで色々と体験させるけど、何よりもそこで経験した
のは一雄と忠雄のそれぞれの真意をぶつかり合うことで示す流れ
が遭ったこと。現実の世界ではぶつかり遭うことはなかったと
しても、上手い事補完した格好で、最後はただ一つ絆を確信しあう
だけで物語は集結した。

ドラマは良かったけど、どうしても都合良く作られている感じは
否めなかった。特に元の世界に戻る流れの中で、最悪な人生
が待っているのに戻りたいかと問うけど、実際にはそう最悪な
人生など一切残っていなかったし、何度も最後の無きのトリップ
とばかりに「最後だ」「最後だ」という感じで、次々と物語が
引き延ばされていく感じに見えたのはマイナス点だった。


永田 一雄 …… 西島秀俊 (電子機器メーカーリストラ)
(幼少期:佐藤詩音)
永田 忠雄 …… 香川照之 (丸忠総業/丸忠コーポレーション)
永田 美代子 …… 井川遥 (一雄の妻、ヤクザと浮気??)
永田 智子 …… 市川実和子 (一雄の妹。地元・鞆の浦)
(幼少期:梅垣日向子)
永田 伸之 …… 高橋洋 (智子の夫・丸忠コーポレーションの専務)
千賀 和哉 …… 入江甚儀 (電子機器メーカー左遷)
永田 広樹 …… 横山幸汰 (中学受験に失敗)
永田 澄江 …… 倍賞美津子 (一雄の母、忠雄の妻)
(若年期:渡辺真起子)
橋本 義明 …… 吉岡秀隆 (30年前、運転手)
橋本 健太 …… 高木星来 (30年前、義明の息子)

奥田夢叶、本間翔、池内直樹、あづみ昌宏、鹿出俊之輔、北別府学
森本卓郎、金田耀生



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