美しき罠〜残花繚乱〜
(2015年1月期・TBS・木曜21時枠)

原作 - 岡部えつ『残花繚乱』
脚本 - 浅野妙子
演出 - 光野道夫、岩田和行
主題歌 - 安田レイ「恋詩」
編成 - 永山由紀子、吉本香苗
プロデューサー - 栗原美和子、後藤庸介





第10話 結婚とは?意外な結末に納得できますか
--------------------------------------------------------
りかは荘太がりかとの不倫に関して誰でも良かったことを
告げ、若い女性を広告塔に使う為に利用したことを泉に話しを
していた。一方龍子からりかに対して圭一の兄とは知り合いだ
ったことを聞く。
一方美羽はママが居なくなったとして圭一に助けを求めると、
圭一は美羽に対してりかの家に行くよう指示し、自分が必ず
美津子を見つけるとンタル。

美津子はビルの屋上にいた。
圭一はそんな屋上へとやってくる。つらい時にはいつもあなた
はここに来ていたとし、帰ろうと語る。美津子はあんな家に
帰って何の意味があるのかと問うと、私の人生にはこれから
何があるのかという。あの家はあなたの城でしょという圭一。

圭一はりかを経由し美羽にも美津子が見つかったと報告する。
りかに対して美羽を家まで連れて行って欲しいと頼まれる。
そんなりかは突然妊娠の為に気分が悪くなる。美羽は初めて
そこで彼女が妊娠している事を知る。

帰宅した美羽は母に対して、パパとママが上手くいっていない
のは分かるがこれ以上圭一に迷惑をかけないで欲しいという。
子供だって生まれるのだと言うと、美津子は衝撃を受ける。
あの子は何でも簡単に手に入れるとして憎くしみを抱くのだった。
--------------------------------------------------------

りかは荘太が自分のことを愛して愛人としていたのではなく
会社の為に利用してきた事を知り、憤怒すると共に、圭一と荘太
の間にもちょっとした確執が有ったことを知る。
美羽から助けて欲しいことを言われた圭一たちは、大人たち
4人で話合うことになる。

いよいよ最終話。
男性は女性を利用し、女性は男性を陥れ、同性同士で足を引っ張り
合う中で、果たして収拾は付くのか。

シナリオを少し端折りすぎたのではないかという感じで、圭一の兄
と荘太の関係に関して、突然色んな事実が浮かび上がってきた感じ
がするエピソードだった。
勿論隠し球として持っていたのだろうけど、元々圭一の中では荘太
の中に兄との間で悪意がないと思っていたからこそ心の中で留めて
置いたことで、実際にはある程度不満を持っていたことは事実として
存在していたのかなという感じ。

荘太の劣等感から来る流れというのが、もう少し美味く表現されて
いればドラマとしては完璧だった気がする。
美津子から「ウチの会社」と言われることに違和感を覚えて居る
荘太だけど、確かにこの会社はこれまで柏木家が支えてきたもの
なので、それはそれで仕方がない。
それに荘太は家族に不自由させない為の思いが有っての行動だと
していたけど、元々美津子の家は金が有るので、荘太が頑張らなく
ても少なくとも金銭的に不自由になりそうな気配は無かったよな。

自分にはないものを持っている人に嫉妬するというのは仕方がない
けど、全てがりかに集中してしまったというところもまたドラマ
故のことだけど、違和感のあるものが有った。

美羽に対する美津子の愛情もまたもっと特別なものが有って良いはず
なのに、どうもあまり愛情を感じない。美羽がヤサぐれていた
中には、家族を守る美津子という絶対的な存在が有ったからこそ
出来る行動で、いざ壊れそうになると不安になるという辺りの
描写は興味深く出来ていたと思う。

残念なのは泉周りのエピソードにはまるで掘り下げるものがなかった
ことか。麻紀の件でも最後に整合性を図る意味で説明した感じに
しか思わなかったけど、まぁそれもバッサリと省略することで
上手い事りかと美津子の関係に集中出来る作りになっていたのかな。

なかなか面白いドラマでした。
根っこに有るものを守る為に嫌な行動を取ったけど、その行動の
背景にあるものに対して理解出来る部分があるからこそ、よく出来た
物語と感じられたと思う。


西田 りか …… 田中麗奈 (ショウズホールディグス参加のレストラン)
柏木 美津子 …… 若村麻由美 (47歳、ショウズホールディグス社長の娘)
落合 圭一 …… 青柳翔 (33歳、ウェブコンサルティング会社)
桐谷 麻紀 …… 三浦理恵子 (43歳、独身主義のキャリアレディ)
滝本 泉 …… 高橋かおり (36歳、外資"クラウドサックス証券")
柏木 美羽 …… 吉田里琴 (17歳、美津子と荘太の娘)
西田 俊夫 …… 平泉成 (りかの父、電機メーカーの技術職を定年退職)
江崎 龍子 …… 池畑慎之介 (60歳、書道の先生)
柏木 荘太 …… 村上弘明 (54歳、ショウズホールディグス・筆頭常務)
西田 良介 …… 犬飼貴丈 (りかの弟。スーパーサンマル店員)



inserted by FC2 system