銭の戦争
(2015年1月期・フジ・火曜21時枠)

原作 - パク・イングォン『銭の戦争』
脚本 - 後藤法子
音楽 - 菅野祐悟
主題歌 - SMAP「華麗なる逆襲」
演出 - 三宅喜重、白木啓一郎、鈴木浩介
チーフプロデューサー - 笠置高弘
プロデューサー - 三宅喜重、河西秀幸

http://www.ktv.jp/zeni/index.html





第1話 初回は2時間SP-エリートが借金地獄で急転落…愛、金、人生
全て取り戻す! 壮絶な復讐劇が今夜開幕!

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河川敷でクレジットカードをこする男(白石孝夫)。

白石富生は婚約した青池梢と関係者を招いて盛大なパーティー
を催す。富生の上司の黒田部長は彼の能力は凄いとして、
12桁の国際証券コードと利率を語り出す姿に称賛する。彼は
数字にはめっぽう強いとし、富生本人に婚約を祝う。流石は
東大出の証券マンで友達もハイスペックだと梢の友達で幹事を
任せたに彼女から聞かされる。

そんな中灰谷が富生の前に現れる。僕のことを覚えて居ますか?
という問いかけに富生は大学のサークル一緒だったよねと語る。
しかし富生は別の人に呼ばれてすぐにその場を立ち去る。
灰谷は密かに彼の態度に憤怒する。
一方ついに梢の祖母・早和子が来てくれたとして喜ぶ。
富生の両親はこういう場が苦手なので後ほどまた別の機会に
遭わせる事を告げる。早和子は二人の関係を認めた訳では無い
するが孫に相応しい人物か見極めさせてもらうという。
早和子は富生に対して金融の天才だとされているが、あなたが
動かす金はあなたの金ではなく会社のものであり、凄いと言われ
るのは背中に大企業の看板があるからだという。偉くなったと
勘違いしないよう告げる。梢はわざと相手を怒らせて器を見て
いるのだという。富生も青池ファイナンスの会長が簡単に
認めてくれるとは思っていないと語る。

そんな中富生の元に母・三保子から電話が有る、父・孝夫が
居なくなった事を語る。会社が不渡りを出したこと。それに
乗じて父さんは自殺してしまうかも知れないと語る。

派遣社員として勤務していた未央と桃子はトイレが鏡を見ながら
契約更新に関して話していた。もしも更新してもらえなければ
どうすれば良いのか。

その頃富生の両親が経営するホワイト化学では金原専務が社長
が見つかり次第連絡すると語る。5年前に設備投資で銀行から金
を借りたが、特殊プラスチックの開発で特許が獲れて採算も
合っていくかに思われていたが、特許申請はなかなか通らず、
受注も減って今では消費者金融にまで金を借りていたことを
知る。その間にも法定外の暴利で金を貸している消費者金融から
ひっきりなしにホワイト化学に電話が鳴る。返済の義務はない
として富生は電話を切る。母親に父や工場が借りている金は
幾らなのかと問うが、分からないという。何故こんなになる
まで黙って居たのかとする中、オレは父さんの連帯保証人に
なっている事を告げる。父親名義と会社名義の融資が相当額
あることに気が付く。借用書には数千万円単位の金で幾つもの
金融機関から金を借りていることが分かる。
しかも従業員たちは先月分の給料ももらっておらず、仕入れ先
に金を払わないと連鎖倒産の危険があることを聞かされる。
富生は維持出来る様に努力をするとは語るが・・・
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富生は東大出身で天才的証券マンとして外資系証券で何不自由
ない生活をしていた。青池ファイナンスの孫娘の梢との結婚
も決まり、祖母の早和子はなかなか信用はしてくれなかったが、
何とか認めてもらう様忍耐強く努力するという富生。
しかし実家であるホワイト化学が不渡りを出したということで
事態は一転していく。父親の疾走劇に始まり、次々と会社が
返せないような高額の金を借りて自転車操業のようなことを
していたのである。母親もまた脳出血で倒れ、一気に債権者が
貸した金の回収のためにホワイト化学を攻撃し、ついには富生
の会社にまで嫌がらせの電話が続いていた。なんとかしようと
努力するが、どうにもならない額にまで借金がかさみ、どうにも
いかない状況にまで追い込まれていく。

ドラマとしては金によって全てを奪われたものが、金を得る
ことで復讐を果たしていくというもの。
人間性が試されるのは、苦境に陥った時でもあるし、そういう
意味では人は一度はどん底を経験しないと、なかなか自分の性格は
図れないものが有り、相手に親身になれるのかどうかも分からない
ものがある。

金の切れ目が縁の切れ目とばかりに蜘蛛の子を散らすようにして
富生や孝夫の元から人が去っていくこと。
それだけ社会に於ける人間力を表すステータスが肩書きで有ったり、
資産の多さというところにも繋がって居るのだろう。

根本的に悪いのは返せないと知りつつも金を借りていた孝夫に
あるというのも分かるし、返せないと分かりつつ貸していた
金融機関にも問題が有るのだろう。バブル時の頃、銀行を含めた
金融機関が同様のことをしているのでなんとも言えないけど、
富生自身の中にも過去に於いてそう言った人間性の中に嫌みな
一面が何処まで存在していたのか分からない部分もあるので
イマイチ煮え切らないところが有った。

スタート時にはもう少し富生の中で人間関係を疎かにするとか、
金に対する無頓着さなり、上述したステータスによる差別的視線
を投げかけているような映像を見せても良かったのだろうね。

一番憎たらしいと感じたのが直属の上司だけなので今の所
彼を見返すところに視線が投げかけられるものの、悪徳金融に
1千万円を奪われた時点でその金が持って行けなかったが為に母親
を失ってしまうとかもう少し運命の行き違い感なり、手のひら返し
に対する富生の中の気持ちの喚起を促して欲しいところだった。

富生らに対する金に纏わる不幸で不条理だと思わせる出来事を
どれだけ背負わせつつ、ある程度の逆転劇によって爽快感を求め
ながらもドラマとしてはバランスを持っていくのか。
最後の最後まで苦汁を飲まされ続けて最後に逆転する方がラスト
は盛り上がるんだけどね。その手の金絡みの辛気くささがある
物語だと視聴者が最後までついて来るのかが微妙だな。

「同情するなら金をくれ!」ってことで、最近の世論を反映して
いるのか、金・金・金のドラマが多いですね。


白石富生 …… 草g剛 (36歳、フレディパートナーズ証券)
紺野未央 …… 大島優子 (26歳、洋の娘、派遣)
青池梢 …… 木村文乃 (27歳、青池ファイナンス、早和子の孫)
桜田慎一 …… 高田翔 (24歳、赤松金融)
円アカネ …… 新川優愛 (22歳、赤松金融)
白石孝夫 …… 志賀廣太郎 (66歳、父、ホワイト化学社長)
白石三保子 …… 木野花 (60歳、母、ホワイト化学)
白石光太郎 …… 玉森裕太 (26歳、次男、大学院生)
紅谷裕蔵 …… 津川雅彦 (77歳)
青池早和子 …… ジュディ・オング (68歳、青池ファイナンス会長)
紺野洋 …… 大杉漣 (58歳、高校教師)
赤松大介 …… 渡部篤郎 (45歳、赤松金融)

目黒桃子 …… 朝倉えりか (派遣、未央の同僚)
植草守 …… 丸山智己 (フレンチレストラン)
金原専務 …… おかやまはじめ (ホワイト化学)
黒田部長 …… 飯田基祐 (フレディパートナーズ証券、富生の上司)
灰谷 …… 中林大樹 (IT企業、ゲームで大成功)
土田正之 …… ラッシャー板前 (無農薬レストラン)
土田順子 …… 川俣しのぶ (無農薬レストラン)
墨田 …… 大石吾朗 (社長、ゴルフ練習)

信太昌之、三沢幸育、仁科貴、千葉ペイトン、帆足健志
澤田誠志、佐藤伸之、国枝量平、伊藤武雄、薄井伸一、松下卓也
日栄洋祐、増田雄二、平野尚美、堤隆博、松浦眞哉
八木菜々花、鎌田麻里名、村本明久、速水今日子、柾賢志
中泰雅、金井燕、酒井天満

灰原達之 …… 中居正広 (帝国金融)
桑田澄男 …… 小林薫 (帝国金融)

中田敦夫、須永千重、右近良之、鈴木アキノフ、江藤修平
阿部菜渚美、神原哲、汐谷恭一、木村清志、野間清史
永井正浩、増野孝、田代俊介、鈴木椋、渡邉正臣、メイヨーアキントエ
チャックジョンソン



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