いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう
(2016年1月期・フジTV・月曜21時枠)

脚本:坂元裕二
プロデュース:村瀬健
演出:並木道子 石井祐介 野舞

http://www.fujitv.co.jp/itsu_koi/index.html





第1話 失くした手紙が繋いだ奇跡…二人は出逢った
--------------------------------------------------------
音は幼少期、シングルの母を失う。
"お年玉を返すので母を返して・・・"。
そんな中林田雅彦が杉原音のことを迎えに来る。今日からあんた
は林田音になる・・おじさんの所の子供になるんだよと語る。
「ブドウの花は舞踏の味、バナナの花はバナナの味・・」
雅彦は音に対して関西弁は直すよう告げる。
彼女は雪のある北海道へと連れて行かれる。雪を殆ど見た事
のない彼女は銀世界を見て感動する。

2009年、曽田練と日向木穂子は恋人関係だった。練が魘されて
いるのを知り、木穂子はまた嫌な夢を見たのかと問う。あなた
が休みならば私も有給をとったのに・・・これから満員電車の
地下鉄に乗って通勤するのだと愚痴る。金に余裕のある木穂子
は彼の机に1万円を置いていく。

そんな中中條晴太がやってくる。北海道を回ってきたという彼。
晴太には盗癖があり、練の金も盗んで旅行に出ていた。
練くんはどもダチだとして東京にいる間と泊めてくれと都合の
良い事を語る。そんな晴太は女物のバッグを持っていることに
気がつく。また盗んだのかと問うと落ちていたんだとし、帰り
の金が無くなったので拾ったんだという。財布には2000円しか
入っていなかったという。晴太は練の部屋を見てよくこんな
所に女を泊めるよねと語る。

柿谷運送で働く練。先輩の佐引、加持などと働いていたが、
彼らは練が働きものだと知ると適当に彼に仕事を押しつけて
ご祝儀を自分たちだけで懐に入れてしまう。更に社長の嘉美に
対して今月から何故か給料から手数料が引かれていることを指摘
すると、都合良く積立金でありあんたの将来の為だとして天引き
する。
帰宅すると晴太は寝ていた。
晴太が持っていた荷物から拾ったとされるバッグがあり、中には
森田クリーニング店のポイントカード・林田晋と書かれていた。
しかもバッグの中には手紙が書かれていた。母親から娘に宛てた
手紙。それを見て晴太は自分の会社のトラックを使って北海道の
住所の元に向かう。
--------------------------------------------------------

坂元裕二さんの脚本の女性主人公を見ると、近年どの人物も
満島ひかりさんにしか見えないのだけど、有村架純さんらしく
芯の強さを持ちながらもかわいさを残したキャラクターになって
いる。

初回なのでまだまだどうなるか分からないけど、やはり両親の死
が与えた子供への影響力は計り知れないものが有り、双方とも両親が
居ないという辺りの設定は、色々と相乗効果を生みそうだ。

友人が拾ったバッグの中に入っていた一通の手紙がきっかけで、
決して捨ててはいけない大切なものとして存在していることを知り、
北海道にまで届けに行く。

育ての親から逃げる訳にはいかない音としては、外の世界の事を
何も知らずにいて、無垢な感じがするし、養母が病気故に
容易には見捨ててはいけない事情も有る。それを知ってか知らずか
まるで物のようにして扱う養父の姿が有り、如何にも商品価値と
しての姿しか見ていない。

本来ならばダムで沈むはずの街だったこの八羽根町。
警報の後に一斉に街から逃げて、大きな湖だけが残るという辺りは
何かの暗喩の様な音の心を垣間見られる一つのシーンとして描かれて
いる。

震災当時一緒に帰宅したことで関係を成就させたという坂元裕二
さん脚本の「最高の離婚」など面白かったけど、最近の坂元さん
のシナリオには欠かせないものとして震災的要素を何処かに盛り
込んでいる。「街で沈んで、大きな湖だけが残る」という
背景には、福島の祖父に育てられたとする曽田練の中に有る生きる
目標としてのモチベーションにも繋がっている感じだし、
そんな彼の人の良さを利用して搾取しようとしている者達がこの
世の中には多いところを見せるところはなんとも言えないね。

東京の価値観と北海道の価値観の違いが何処まで引っ張るのかは
分からないけどね。

愛するもの、大切な人たちは次々と街から離れていく中で、東京に
逃げる様にしてやってきた音は果たしてそこで何を見つけるのか。

2009年から始まったドラマは今回2011年1月になった。
2011年3月11日までは僅か2ヶ月後。果たしてまたしても坂元さん
は"震災当時一緒に帰宅した"ということを利用した再開のシチュエー
ションを持ってくるのかも気になるね。


杉原音 …… 有村架純 (シングルの母を失い北海道へ、関西弁)
曽田練 …… 高良健吾 (運送会社"柿谷運送")
日向木穂子 …… 高畑充希 (広告代理店勤務、練の彼女?)
井吹朝陽 …… 西島隆弘 (チャラ男)
市村小夏 …… 森川葵 (練の後輩、デザイナー目指して上京)
中條晴太 …… 坂口健太郎 (練の友達、流浪の旅)
神部正平 …… 浦井健治 (大手介護施設"春寿の杜")
井吹和馬 …… 福士誠治 ("春寿の杜")
加持登 …… 森岡龍 (運送会社"柿谷運送")
船川玲美 …… 永野芽郁 ("春寿の杜")
丸山朋子 …… 桜井ユキ ("春寿の杜")
源大輔 …… 我善導 ("春寿の杜")
西野美織 …… 林田岬優 ("春寿の杜")
白井篤史 …… 安田顕 (北海道・八羽根町・地元の名士)
林田知恵 …… 大谷直子 (音の養母)
曽田健二 …… 田中泯 (練を育てあげる、祖父、福島)
林田雅彦 …… 柄本明 (音の養父)
佐引穣次 …… 高橋一生 (運送会社"柿谷運送"、金髪)
神谷嘉美 …… 松田美由紀 (運送会社"柿谷運送"社長)
井吹征二郎 …… 小日向文世 (介護事業、富豪)
仙道静恵 …… 八千草薫 (練の良き理解者)

満島ひかり(声)

椎名泰三、中田敦夫、須永千重、澤純子、平澤宏々路、新冨重夫
櫛引貴子、石井雅子、飛世早哉香、清水和義、海堂和、勝木燈緒
莉衣



inserted by FC2 system