わたしを離さないで
(2016年1月期・TBS・金曜22時枠)

原作:カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」
脚本:森下佳子
音楽:やまだ豊
プロデューサー:渡瀬暁彦、飯田和孝
演出:吉田健、山本剛義、平川雄一朗

http://www.tbs.co.jp/never-let-me-go/





第4話 今夜第2章!!開かれた扉…新たな恋は希望か絶望か
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いよいよ陽光を卒業することになった恭子たち。
龍子からは夢なんて見ても無駄、夢は決められないと言われた
こと。真実は恭子に対して壊した発信器を渡す。

現在恭子は介護人となり提供者となっている美和の介護人を
していたが、美和は当時から恭子のことを操ってきた。
「あの女を羨み、憎み、許し、その繰り返し」の人生の恭子。
もう美和とは会わないつもりだった。
しかし美和が階段から落ちて骨折したということを聞いてまた
しても見捨てる事が出来ず駆けつける。恭子は他の介護人に
私が介護するのは彼女の為によくないのではないかとすると
協議の為、所定の書類で手続きをするよう言われる。
恭子は美和の怪我はわざたど感じていた。私を辞めさせない為
なのか、後悔させる為かは分からないがくだらないやり口だと
感じる。だけどくだらないとして切り捨てることは出来なかった。
あらゆる可能性がはぎ取られた世界で幸せになる方法は限られて
いるのだから・・。

卒業した三人・美和、恭子、友彦はコテージでの共同生活を
することになる。
食材を運んでくる峰岸。
そのコテージでは金井あぐり、立花浩介、信、桃、譲二などが
住んでいた。規律正しく生活していた学園生活と比べてここは
かなりアバウトな生活だった。峰岸が週に一度食材を運んでく
れるので適当にやりくりしていること。気になったらやる感じ
だという。そんな中大体の住民がカップルとなっていることが
分かり、時々変わっているのだという。
介護人講習から戻って来たという住民がいることに気がつき、
介護人とは何のことなのかと尋ねると、陽光では教えてもらって
いないのかと驚かれる。提供者は体の一部が無くなっていくの
でそれを世話する人のことだという。君たちも介護人講習がある
とし、それをしないとすぐに提供人に回されてしまうだけだと
いう。桃は陽光が特別待遇だったとして怒るが、ここからはみんな
一緒なんだからとして落ち着かせるのだった。
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陽光から外の世界へと旅立つものたち。
しかし三人は陽光でこれから何をすべきかまるで聞かされて
いなかったことも有り、何をすべきかで戸惑う。
介護人・提供者のことを聞かされ、それから先は何も無いという
事実に衝撃を受ける。

管理社会の中の個人の役割に関する如何にもなドラマが展開されて
いるのだけど、やはり管理されているとは名ばかりで自由に行き来
出来るような状況があるし、逃げようと思えば逃げられるという
状況の中で、それぞれに何か行動を起こしたいと感じた際に、それ
を押さえる手立てがないところがドラマとしては辛いところ。

このドラマを見て居るとイギリスの有名なドラマ「プリズナーNo.6」
を何処か彷彿とさせるけど、このドラマにあったような
特異な世界観があるならばまだしも、現実の世界との融合に於いて
は現代日本という舞台を設定に選んだのはやはり無理がありすぎる。

完全に監視されている状況の下で命の時間制限がある中での人間模様
の観察・人間が持つ本能の観察という意味では興味深いが、監視という
縛りをどの辺で発揮するさせるのかに於いては状況設定的に弱すぎる。
一人では生活出来ない子供の頃に比べて、今の状況ならば当然逃避
するのは可能だし、洗脳だなんだと言っているけれど、洗脳されている
居ない人たちで溢れているし、どうにも説得力の足りない内容だ。

ドラマの制作者もその辺は素人ではないので分かっているハズ。
何故こんなにユルユルな世界観を持ち込んだのか。

ただこのドラマで唯一共感出来るのは、日本人は他人に関心を寄せな
い民族となりつつ有るので、自分の極身近な人以外の人物に目を
向けるというのが無くなりつつあることを下敷きにしているであろう
ことは演出意図として見て取れる。誰もが他人に無関心な世の
中になりつつ有る中で、ここに出てくるような人たちにも日本人は
まるで関心をみせずにいることを皮肉っているのかも知れないね。
この辺の傾向は難民問題なんかでも明らかだと思う。


保科恭子 …… 綾瀬はるか
土井友彦 …… 三浦春馬
酒井美和 …… 水川あさみ
花 …… 大西礼芳
大山珠世 …… 馬場園梓
遠藤真実 …… 中井ノエミ

立花浩介 …… 井上芳雄 (コテージ)
金井あぐり …… 白羽ゆり (コテージ)
信 …… 川村陽介 (コテージ)
峰岸 …… 梶原善 (食材配達)
譲二 …… 阿部進之介 (コテージ)
桃 …… 松岡恵望子 (コテージ)
喬 ……

大村学、石井テルユキ
伊藤麻実子、岡田優、前原滉、市川大貴、飯田隆裕、田島賢太
渡辺優美、徳田来奈、小山勝士


幼少期の恭子 …… 鈴木梨央 (幼少期・優等生)
幼少期の友彦 …… 中川翼 (幼少期、絵が下手でいじめ)
幼少期の美和 …… 瑞城さくら (幼少期・リーダー格、次郎先生が好き)
幼少期の花 …… 濱田ここね (幼少期、美和らと連む)
幼少期の珠世 …… 本間日陽和 (陽光学苑の子、美和らと連む、ものまね)
幼少期の真実 …… エマ・バーンズ (幼少期、一匹狼)
幼少期の広樹 …… 小林喜日 (陽光学苑の子、ガキ大将)
幼少期の聖人 …… 石川樹 (陽光学苑の子、広樹の連む)
克枝 …… 山野海 (給食のおばさん)
"マダム" …… 真飛聖
堀江龍子 …… 伊藤歩 (陽光学苑・教師)
山崎次郎 …… 甲本雅裕 (陽光学苑・美術部の顧問)
神川恵美子 …… 麻生祐未 (陽光学苑・校長)



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