わたしを離さないで
(2016年1月期・TBS・金曜22時枠)

原作:カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」
脚本:森下佳子
音楽:やまだ豊
プロデューサー:渡瀬暁彦、飯田和孝
演出:吉田健、山本剛義、平川雄一朗

http://www.tbs.co.jp/never-let-me-go/





第7話 最終章へ…再会の夢近づく終末に望むのは許しと愛
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珠世は恭子に会うとトモの介護人をやらないかとして、それが
真実からの宿題をやることにはならないかと言われる。
トモは恭子を待っているというが、恭子は今美和の介護人を
しているのだとして、現在少し関係が上手く行きかけているの
だという。手が空いたら私の介護人をやって欲しいとし、その
ウチ珠世も提供が始まるのだという。

帰宅すると郵便入れに恭子にもNOD SYSTEMから提供の知らせが
来ていた。しかし担当者に問い合わせると提供者は間違いだと
言われる。しかし例え今回は間違いでも残された時間はそう長
くないと感じる。外の人の時間に比べもっと短いのだった。
「美和はどんな最後を望んでいるのか。そして私はどんな風に
この命を終えたいのか。」

美和に会うと陽光時代の次郎先生のテープの話になる。
あのテープは一体何だったのか。
美和は今日の仕事は良いのでDVDを返却してきて欲しいと言われる。
しかしいざDVD店に行くと中身が違うと言われる。なんとそれは
かつて恭子が盗まれたCDだった。美和は一体何を考えているのか。
こんなことを繰り返して貴重な時間を美和に費やすべきことなのか
を考える。

トモの元にヒデとヤスは新しい介護人が来たぞとし、オッパイが
デカイ人だという。トモは"デカメロン"恭子を期待していたが、
来たのは中村彩という看護人だった。

その頃恭子は美和以外にも加藤という提供者の介護人をしていた。
加藤は恭子が何か抱えていることを悟りそれが何なのか話を
聞くぞと語る。
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提供者と介護人というシステムが生まれながらにして確立して
いる世界観というのが相変わらず違和感が有り、なかなか受け
入れられない。今回は役場のような人が既に周知しているみたい
だったし、世間一般にもそういうシステムがあることを知りな
がらも自分のことではないので声を上げないのかと思うところが
有る。そういう他人の人の無関心なところは日本人の気質に沿った
部分もあるし、逆に今の多様なメディアが発達している中で、
先日の真実のような声を上げている人のことがまるで取りざたされ
ず、その倫理を越えた事象に対して発信しようとしない辺りは
相変わらず受け入れづらい。それを敢えて受け入れることを前提
で物語に視聴者自身がフィルターをかけてやりとりを見ていかねば
ならず、その作業がドラマの視聴を難しくしている部分が有るな。

陽光が特別だったという意味が何なのか。
潰れてしまったという事実を以てそれを明かすのが難しくなる
けど、噂を耳にすることで一つの希望があることは確かな感じ。

下には下の人が居ると考えるだけで人はある程度感情のやり処を
回避できる部分も有るのだろうので、陽光の生徒だった人はまだ
良かったと言われるだけで、少し気力がそがれそうな感じだけどね。

今回は美和が求めていたことが何だったのかが描かれ、優等生
過ぎる恭子の存在が逆に彼女に対して劣等感や嫉妬の対象になって
しまった感も強く、行動を共にする中で本当の意味で対等な関係
になりたかったであろうことが伺えた。それは勿論成績云々では
なく・・。
互いに言いたいことも言い合えず、感情も抑えてきた結果、無駄
な時間を過ごしてしまってきたこと。最後にそれを語り合えたのは
良かったのかな。

終末期医療の問題とはちょっと違うけど、人生とは何かということを
考えるには興味深い状況にはなっている。


保科恭子 …… 綾瀬はるか
土井友彦 …… 三浦春馬
酒井美和 …… 水川あさみ
花 …… 大西礼芳
大山珠世 …… 馬場園梓
遠藤真実 …… 中井ノエミ

中村彩 …… 水崎綾女 (介護人)
加藤 …… 柄本佑 (提供者)

石井テルユキ、田中啓三、黒木辰哉、内村遥、澤口夏奈子
近藤祐子、笠原賢人、西村佳祐、関口裕也、西浦礼文、
黒崎純也



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