わたしを離さないで
(2016年1月期・TBS・金曜22時枠)

原作:カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」
脚本:森下佳子
音楽:やまだ豊
プロデューサー:渡瀬暁彦、飯田和孝
演出:吉田健、山本剛義、平川雄一朗

http://www.tbs.co.jp/never-let-me-go/





第8話 友との別れ…解ける因縁、託されたのは最期の希望
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美和が最後の提供を行うことになり、その前にトモと恭子と美和
の三人で陽光学苑を見に行こうと言うことになる。しかし
かつての姿はなかった。国がやっているホームというヤツでは
ないかというトモ。介護人の彩ちゃんがこういうホームで育った
ことを話していたという。みんなから陽光は特別だと言っていた
こと。しかし中には入れてもらえなさそうだという。
仕方なく立ち入り禁止の森の中に入っていく。
美和は貧血が酷く立ちくらみで倒れそうだった。
もう帰ろうと言う恭子だが、美和はそれを拒否。トモも提供が
始まれば分かるがもう時間がないのだという。
恭子は何処か休めそうな場所を探すという。

「三人の間には後味の悪い思い出の方が多い。美和は良い思い出
を作りたいとしているのか。最後は良い話で・・と」。

恭子は陽光創立記念に出た料理を作ってくる。よく覚えている
ほねというと、美味しかった給食をメモしていたのだという。
宝箱の中にそのメモが入っているのを知って、美和もトモも
まだ持っている事に驚く。しかし宝箱って一体何のためにあった
のかと告げる。
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限られた人生の中で制約が大きい条件の中でも何かをしようと
してもがき苦しんでは前向きに生きようとしているところは
良い感じのドラマに思える。しかし、そんな限られた条件の中
仲間で有っても嫉妬心とか寂しさなどの感情の芽生えて、エゴが
むき出しになる所など何とも言えないところ。寧ろ時間が人より
少ない分、エゴも出やすくなるのだろうし、何かを成し遂げたい
思いもあるのだろうけど、国が行う政策の中にそういった感情や
感性などを育てないようにしているところも有り、陽光が特別
だとするのはそういう感覚を芽生えさせて、少しでも人間らしい
生活を送らせようとしたところがあるのだろうね。

本来思い出など残させるようなことはしていないであろう施設の
中でも陽光では思い出を持たせるような事が多かった様だ。

美和がこれまで自らのエゴで独占してしまった恭子という人物、
そして友彦という人物を最後になって奪ってしまった時間を取り戻
させたい気持ちにさせたのも、死を意識したからなのか、それとも
恭子や友彦との出会いがあったからなのか。

宝箱の中には一番美和のものが多く入っていたことで、今更ながら
彼女と長く居た時間の事を思い出しては、当時の彼女の行動の中に
複雑な心理的事情が見て取れたという流れもまた興味深くつくって
有った。

残念ながら状況は3人に絞ってしまったこと。出来れば花とか珠世
なんかとも有って最後の同窓会を味わわせてあげたい気持ちに
させられた。

クローンで生まれたであろう恭子の分身がいたというのも国家プロ
ジェクト恐ろしい一面を見た気がする。
そして何よりもクローンで生まれた子たちをまるで人間扱いして
いない者が多いところにも驚くね。


保科恭子 …… 綾瀬はるか
土井友彦 …… 三浦春馬
酒井美和 …… 水川あさみ
花 …… 大西礼芳
大山珠世 …… 馬場園梓
遠藤真実 …… 中井ノエミ

中村彩 …… 水崎綾女
加藤 …… 柄本佑

吉永秀平、和泉宗兵、三鴨絵里子、石井テルユキ、町井祥真
望月章男、森谷ふみ



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