わたしを離さないで (2016年1月期・TBS・金曜22時枠)
原作:カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」 脚本:森下佳子 音楽:やまだ豊
プロデューサー:渡瀬暁彦、飯田和孝 演出:吉田健、山本剛義、平川雄一朗
http://www.tbs.co.jp/never-let-me-go/
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第10話
愛と希望の結末は…生きること愛することそして生まれてきた意味とは?
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恵美子先生の元に猶予の件で相談に行くトモと恭子だが、そん なものは無いのだと言われ、トモはもう無理だと語る。
そして施設に戻ると次の提供前検査の日程の知らせが届く。 恭子の都合で良いとし、彼女にももうここには戻ってこなくて
も良いという。オレだって一人になりたいことがあるとして トモは完全に無気力に襲われていた。
3度目の提供は特別だった。大抵は3度目の提供で命を全うする ことになるが、稀に4度目まで生きられる人もいて、その生活は
過酷だった。 加藤の元に介護にいく恭子が元気がないのを見て声を掛ける。
ボクならばどんなことであれ生まれて来て良かったと思いたい と語る。それは真実から言われたことにも通じていた。
意味が有ったと思える、生まれてきて良かったと思えること。 私たちに何か有るのか・・
トモの元に戻る恭子だが、彼は彼女に介護人を辞めて欲しいと 言われる。お互い負担が大きいという。3度目で終わればいいが
4度目は大変だという。恭子はそれなら何故私にリクエストを出 したのかと問うと、正直何がいやなのかと問う。恭子もオレと
いても楽しくないだろうとし、落ち込んだりふさいだりしている だけだという。何でも許されるのは提供者だからだとし、猶予を
もらう為に一緒に居たのだから、もう一緒に居る意味がない のではないかと。ここに住むのは辞めるというが、普通に介護人
として通うという恭子。
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いよいよドラマも最終話。 目的はただ一つ。他人の為に犠牲になることを強いられる為だけ
に生まれて来たものたちが、生きる意味というものを見いだして いくというもの。
あらゆる事に無関心な現代人を皮肉った内容であり、文学的、 哲学的には興味深いところも有ったけれど、やはり内容としては
物足りなく、ダラダラとしたまま最後までドラマが続いてしまった 感は否めない。
トモが死んだ後に、彼女が捨てたサッカーボールが、のぞみが崎 にたどり着くであろうことも想像が出来たしね。
恵美子には移植が必要だとされた際に私みたいな老人が若者の臓器 を奪うことに鼻で笑っている部分が有ったけど、昭和の政治家たち
が「未来への投資」とは名ばかりに、政策の無知ささらけ出し、
国の借金やら原発に於ける核のゴミを背負わせている現実をちょっぴり 皮肉っているかの様にも感じる。
人は命が尽きると知った時何をしたいのか。 限られたことしかなくても生きる意義というのは見つけ出せるもの
であることに気がついていった。殆どそれは精神論の域で、自分の なかでの自己満足みたいなものだけどね。
今まで感謝されたことのない彼らに感謝するものがいたということ もまた最後は新鮮に映ったのかな。
親のない子たちは得てして自分は望まれずに生まれたという意識 を持つのかも知れないけど、クローンで生まれた子にはどんな意識
が働くのかな。
ただ恵美子が語った、クローンたちの復讐みたいな意味がイマイチ
理由出来なかったし、何故恭子にだけは提供が届かなかったのかに ついてもよく分からなかったな。それこそ何処かで猶予が存在して
いたのだろうか?
しかしこういっても何だけど、何で4回目まで生き残す必要があるのか。
3度目の移植で苦しめずに・・っていう議論は無いのだろうか。
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保科恭子 …… 綾瀬はるか 土井友彦 …… 三浦春馬 神川恵美子 …… 麻生祐未 (元陽光の学園長) 堀江
龍子 …… 伊藤歩 (支援団体) 山崎 次郎…… 甲本雅裕 (美術を教える)
加藤 …… 柄本佑 (提供人)
広樹 …… 小林喜日
三鴨絵里子、槙尾ユウスケ、江戸川萬時、片山享、黒木辰哉
内村遥、伊藤歩夢、北川嵩、今泉玲奈、田坂智史、神田朝香
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