チャレンジド 〜卒業〜

脚本/渡邉睦月
演出/国本雅広
制作統括/千葉行利

http://www.nhk.or.jp/dodra/challenged/



後編 さよなら熱血教師
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塙は1年半の間、産休の教師の変わりに北富士町立・都丸中学
の教師として教壇に立つも、産休の教師が復帰に当たり、3月
いっぱいでこの学校から辞めることになる。
塙は校長の前で、教師がしたいこと。自分にはそれしか出来ない
と訴える。塙は新谷先生にもその事を告げる中、職員室に
生徒の一人・
江藤がやってくる。江藤は教師になりたい夢を
語っていたが、やっぱり教師になるのは辞めて高校に行くのも
辞めると言い出す。そして何処かで働くと・・・

塙は放課後、彼の自宅である
"江藤自動車"へと足を運ぶ。
江藤の両親に会うと、不況の煽りを食って倒産する事を知る。
塙は元気に会うと、色んなものを背負ってきていた元気は既に
メロスだった事を知る。その上で気がついてあげられなかった
事に対して謝罪する。しかし塙は夢をそんなに簡単に諦められ
るのか?と問う。しかし塙は自分で決めたことで、夢だって
いつかは諦める時が来るものだと語る。

塙は食事中に有ることを思いつく。
翌日、塙は生徒達の前で、凄い勉強法を思いついたとして
発表する。明日から生徒達が交代して1日先生になるのだという。
教える立場であるから間違いは許されず、その分必死になって
勉強するようになるという。最初の教師は江藤に決まる。

翌日、江藤が教師になる。
初めはなかなか気乗りしない江藤だが、みんなから後押しされ
教壇に立つ。国語ではなく数学の授業。角度を求める問題を
黒板で詳しく説明する。するとみんな分かりやすい講義だった
として大絶賛。江藤は教える喜びを知っていく。
放課後、江藤は塙に対して、やっぱりホントは教師になりたい
ことを告げると、高校は働きながらも通えるとし、大変だが
夢が有れば大丈夫であることを告げる。江藤は改めて塙にお礼
を告げる。

翌日塙は職員室にいくと、他の教師も塙が3月で学校を辞める
事になった事が知られてしまう。塙は受験という大事な時期故
に生徒達には知られないようにして欲しいと頼む。

校長は教育委員会に赴くと、塙の件で相談する。
しかし職員達は、健常者の教師でもなかなか就職出来ない現状
が有るので、目が見えないとなると益々苦しい事を聞かされる。
失望する校長。

いよいよ公立高校の受験日前日。
塙は生徒達に再び心の参考書を手渡す。必ず受験前までは
開かないよう念を押す。
鈴木は試験直前にその手紙を開くと、メッセージと共に本人
の似顔絵が描かれていた。それを見て緊張していた心がほぐれ
る。

そんな中、看護師を目指していた
奥寺は、試験会場に踏み込む
と恐怖と緊張のあまり再びパニック症候群が再発してしまう。

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塙が視力を失って以降初めて担当した生徒達が卒業を迎える。
生徒達の進路は無事決まるのか。そして退職する事が決まった
塙に新しい学校の仕事が見つかるのか。

今回、受験・卒業を前にして実家の事情で夢を諦めざるを得な
いとする生徒・江藤とパニック障害によって一歩踏み出すこと
が出来ない生徒・奥寺の事情を描いた。

ドラマの後編を見ていると、人間として人と向き合ってきた
ことでそれが思わぬ所で上手く還元されているし、卒業と
いうのは教師としてこれまでに生徒にどれだけ自分の教えを
伝えられたのかの成績・結果が戻ってくる場であり、教師と
しての醍醐味でもあると感じる。

江藤に関しては、塙先生の奇抜なマジックが光るものが有っ
たし、奥寺に関しては、塙の意識を注入した江藤が上手く
彼女に闘魂を注入して、彼女の後押しをする。
最終的には塙先生が先のことよりも目の前の一人の生徒と向き
合う必要性を感じて、自分の将来を不意にしてしまうものだ
ったけど、なかなか他人では出来ない事を塙先生が行動で
示した格好だった。

残念ながらその後の進路に関して決まる物がなかったけれど、
生徒達に吹き込んだメロスの意識を、今度は生徒から教師に
対して還元していくことで、一教師と生徒としてではなく、
人間としての関係性を上手く描いた格好だった。

自分もパニック持ちなので、試験の際に教室に入りづらいと
いう心理はよく分かる物があったな。
大学時代その事を教授に話して助けを求めたけど、頑張れと
しか言われず、結局辞めることになったけど、やっぱり良い
教師と出会うかどうかは運次第だね。

塙啓一郎 …… 佐々木蔵之介 (38歳・中学2年3組担任の国語教師)
塙幸江 …… 富田靖子 (35歳・啓一郎の妻)
新谷京子 …… 村川絵梨 (22歳・新米の国語教師。啓一郎のクラスの副担任)
筧丈治 …… 夏八木勲 (65歳・盲目の元教師)
花村聡吉 …… 西郷輝彦 (58歳・都丸中学の校長)
町田 …… 朝加真由美 (教頭)

落合拡 …… 田中実 (40歳・学年主任で生活指導担当の数学教師)
山崎ロビンソン武 …… 川平慈英 (35歳・英語教師)
板橋律子 …… くわばたりえ (33歳・体育教師)
阿掛登志彦 …… 南周平 (25歳・保健の先生)

月本麗 …… 夏未エレナ (14歳・学級委員。アメリカへ、通訳)
奥寺比夜 …… 小池里奈 (14歳・父は病死。母は保険の外交員)
友坂真鈴 …… 藤本七海 (14歳・母との2人暮らし。おとなしい性格)
鵜飼秀彦 …… 竹内寿 (14歳・学級委員。父は大学の准教授)

都丸中学・3年3組の生徒たち (誤字が有るかも知れません。)

会田省吾 …… 柿澤司
飯村華子 …… 神崎れな
江藤元気 …… 秋元龍太郎 (教師になりたいが・・)
角田みず帆 …… 村崎真彩 (福島に転校する)
目下部一哉 …… 岩岡誠也
近藤恭一 …… 小杉茂一郎 (ぽっちゃり体型、走るのが苦手)
紺野未来 …… 木下綾菜
斎木由岐奈 …… 鈴木米香
篠塚瑛太 …… 志村勇樹
鈴木卓 …… 坂倉輝
祖父江美湖 …… 小川千菜美
田口太陽 …… 牧野成譲 (角度を求める問題に指される)
名波豊 …… 大石悠馬
野崎景 …… 松島広太郎
畑山優月 …… 長谷川愛美
北条麻紀 …… 千葉なおみ
真鍋流星 …… 玉野力
村瀬響 …… 糟谷健二
本村梨乃 …… 重高麗奈
谷田部好 …… 長村航希
響野真昼 …… 久野みずき
吉田勇努 …… [木外]井賢斗
吉川美琴 …… 西園みすず
和久田千寿 …… 谷内里早
鷲尾久志 …… 松林啓太

明智香苗 …… 小林美江 (3年4組担任、板橋律子が産休の為)
塙大介 …… 佐藤瑠生亮 (息子)


井之上隆志、富田早苗
森村玲、佐藤一平、坂口進也、佐藤旭、野村信次、富田真央
小河慶子、斉田雅宏


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