超限定能力
フジテレビヤングシナリオ大賞
(2015年12月20日(日) よる24時45分放送)

脚本:青塚美穂
演出:野田悠介
プロデュース:高田雄貴
協力プロデュース:関田周平
制作:竹井政幸
制作主任:山田のびみ、藤田菜々

http://www.fujitv.co.jp/cho_gentei_noryoku/





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秋山舜太郎は都内の三流大学に通う大学4年生。
朝起きると超能力の番組が放送しているのを見て自分にも超能力
が欲しいと考えていた。どういう超能力が欲しいのかを考えな
がら登校する。定期券を落とす女子高生(橋田美雪)を見て、
可愛い子に巡り会える能力が良いか・・満員電車に乗った際には
瞬間移動の能力が欲しいと語る。電車の急ブレーキによって
舜太郎は思わず倒れて頭をぶつける。謎のサラリーマンは頭を
ぶつけたようだから動かない方が良いという。そんな舜太郎には
異変を感じていた。なんと人の頭の上に、その人の行き先が出
てくるのである。当初、彼はそれが何の意味を成すのか分からな
かった。大学にいくと親友のノブ(斉藤宜秀)がカフェテリアに
いた。ノブは舜太郎にどうして一限目を出ないのかと責めるが、
オレの頭を見てくれと告げると、包帯が巻いてあった。人生
初のMRI検査を受けてきたのだとし、オレは変なものが見える
ようになってしまったという。他人の頭に駅名が見えるんだと
いうと、ノブはバカにしたようにオレの頭に駅名は見えるのか
と問うが見えなかった。
大澤教授の授業で、舜太郎は授業もまともに聞かず、雑誌を
見てノブに話しかける。それを見て大澤は騒ぐならば来なくて
良いと語る。ノブの元には携帯にメールが届くと、就職活動で
面接していた会社からの不採用通知(お祈りメール)が届く。

電車に乗って帰宅すると、舜太郎は駅名の見える駅で人が降り
ていることに気がつく。試しに次の駅・緑園都市と書かれた人
の前に立っているとその駅で女性は降りる為に、代わりに座ること
が出来るのだった。隣にいたカップルは今日ウチに来ないかどう
か男性に誘われ彼女は迷う姿が有るが、彼氏と同じ駅で降りる
選択をしたのか同じ駅名が出てくる。

翌日舜太郎はノブに対して「行き先が見える能力」だったこと
を告げると、ノブはオレも面接官の気持ちが分かるような能力が
欲しいと語る。舜太郎は父親が大企業の重役だということも有
って親の力があるので面接もせずに済むことに羨ましいことを
語る。
そんな中、帰りの電車で行き先が見えない人物がいることが
判明する。
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毎年お約束のフジテレビヤングシナリオ大賞の今年の受賞者
の作品。今年で27回目になるようで2061編の応募の中から大賞
を取ったのは女性の作家の青塚美穂さんだった。

「世にも奇妙な物語」などでも、似たようなニュアンスを含む
シナリオは見た事が有る。電車とかバスが人生を表している
ことが多いのも日常利用することが多いからなのだろうか。
"人生の片道切符"などというたとえがあるくらいなので、電車など
の乗り物が人生と例えられることは多いのだろうね。

人間の脳自体が解明されていないところから、頭を打つと人には
見えない能力が備わってしまうというアイデアは多い。その
アイデアを物語りとしてどう昇華していくのかがカギとなる。

かつては頭の上に時限爆弾のように数字が減っていくような
寿命が見えるということが有ったし、頭の上に炎が見えるもの
も有った。

この手のドラマの肝は、当たり前のようにして見える駅名の
人々に対して、その行き先が見えない人の人生の行方である。

正直とても良い人生ドラマだと思うけれど、ノブとか美雪が自殺
を意識しているであろうことは駅名が見えるという時点ですぐに
その後の展開が想像出来た。

この手の短編ドラマを作るに辺り参考になるのは「世にも奇妙な物語」
だと思っている。このドラマはアイデアの宝庫で、色んなバリエー
ションを派生して作れることが出来ると思っている。

しかしドラマ素人の作家さんが自分の書いた小説で有名な俳優とか
これから有名になるかもしれない俳優の演技としてドラマ化される
なんて最高なんだろうね。


秋山舜太郎 …… 竜星涼 (21歳、大学、父親のコネ)
斉藤宜秀 …… 太賀 (22歳、大学、マジメ、就職が決まらない)
橋田美雪 …… 永野芽郁 (16歳、秀学院高校)
謎のサラリーマン …… ルー大柴
駅名のないサラリーマン …… ダンディ坂野
美雪の父親 …… 武藤敬司
大澤理恵 …… 紺野まひる (38歳、大学の教授)

唐田えりか、井藤瞬、津村和幸、角南範子、長澤航也、陽菜えみる
栃原梨乃



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