土曜ドラマスペシャル 蝶々さん〜最後の武士の娘〜(前編)
〜平成23年度文化庁芸術祭参加〜

脚本・市川森一
演出・清水一彦
制作総指揮・佐野元彦、谷口卓敬
音楽・村松崇継

後編






「誇りの代償、命をかけた、たった一度の恋
…宮崎あおいが“篤姫”以来のドラマ出演!」 

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元佐賀藩の士族の娘・蝶は、父を戦争で失い、母や祖母も
コレラによって失ってしまう。長崎丸山の貸座敷に養子として
迎えられる事になる。かねてから英語を習ってアメリカに渡り
たいと考えていた蝶は、その意思こそ話さなかったものの、
英語の学校である活水女学校への入学を許して貰い希望有る
人生を送れるかに思えた。しかし水月楼の主人は、正妻を毒殺
して妾を水月楼の女将として迎入れ、蝶に対して酷い仕打ちを
していく事になる。

武士道というものがドラマの下敷きとして存在しており、伊東
家がその誇りを糧に蝶を育てた事で、上手いこと人生の活路を
見出していく。

時代が時代ということもあるけれど、やはり自害の方法を
教育として教えていたり、養子や外国人との結婚については
今では考えづらい価値観も存在している。
ただ生き方について、多くの事を山本常朝の書いた葉隠れの
教えの中から学んでおり、生きる上での指標となっている点
は、彼女自身に大きなプラスとして働いている。

この手の物語だと、丁稚奉公をイメージしてしまうが、あくま
でドラマでは養子である事。
親友だったユリさえも養子だとする事実に当時はそう言う
事情が多く存在していたのかな。

美人だし器量も悪くないし、やはり可愛さは人生に於けるプラ
ス要素として存在している。
出来れば巨漢の男に襲われた際に自害しようとする辺りの顛末
をもう少し上手く魅せられれば、この女性に対する存在感を
高められたのになと思う。人からの伝聞で帯谷宗七に伝わると
いうのはちょっとインパクトが足りないような感じ。

帯谷が的はずれなプレゼントをしたかと思えば、実際には
凄く気の利いた演出を見せていた辺りのサプライズ感はとても
上手くできていたな。

この手のドラマは長期的スパンの中で描かれると面白そう
だね。NHKの朝の連ドラ辺りで描いてみたらどうなのか。

伊東蝶 …… 宮崎あおい (深掘の武士の娘)
伊東みわ …… 藤村志保 (蝶の祖母、高島でコレラに)
伊東やえ …… 奥貫薫 (蝶の母、高島でコレラに)
谷川伊作 …… 伊藤淳史 (蝶の同級生、海運業)
谷川ユリ …… 池脇千鶴 (伊作の妹、メソジスト教会牧師に養子)
太田マツ …… 戸田恵子 (水月楼の女将)
太田喜三郎 …… 岩松了 (水月楼の主人)
お幸 …… 余貴美子 (置屋、末石の女将)
三浦絹 …… ともさかりえ (女中)
トメ …… 阿知波悟美 (女中頭)
帯谷宗七 …… 西田敏行 (海運業・社長)
おたか …… 高橋由美子 (喜三郎の後妻)
弥助 …… 団時朗 (水月楼)
小春 …… 藤井百恵
愛次 …… 木田ゆきの

谷川伊作 …… 野田秀樹 (昭和11年当時)
ジョー …… 川平慈英 (昭和11年当時)
三浦蝶 …… 佐藤康子 (歌舞伎座にて)
ピンカートン …… 岡田尚之 (歌舞伎座にて)
ウィリアム・フランクリン …… イーサン・ランドリー (軍人)
ジョン・セイヤー …… パトリック・ハーラン (軍医)
大林源九郎 …… 本田博太郎 (蝶々の叔父)
三浦寛治 …… 風間トオル (絹の夫、横領で服役、逃亡)
郷田半兵衛 …… 矢島健一 (刑事)

もなか …… 早瀬英里奈 (娼妓)
花鳥 …… 珠木ゆかり (娼妓)
八橋 …… 定松道子 (娼妓)
白菊 …… 大林彩子 (娼妓)
幼いときの蝶 …… 小西風優
幼いときの伊作 …… 青木淳耶
幼いときのユリ …… 豊田留妃
千代 …… 遠藤璃菜 (おたかと喜三郎の娘)
巨漢の唐人 …… 林鑑益
仲居 …… 蒼井のぞみ
箱屋 …… 五宝孝一
長唄師匠 …… 日吉小静


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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