新春ドラマスペシャル・福助

現代のおとぎ話!?箱から飛び出す福の神

脚本/樫田正剛
演出/高丸雅隆
プロデューサー/松本圭右、後藤勝利


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君を幸せにすると少しだけ年を取る・・・福助。

龍彦とるみ子は母親・由季子に連れられて実家の愛川駅へと
やってくる。バスを乗り継ぎ向かうのは、28年ぶりに再会する
父・香坂三郎の家。三郎は娘を見ると元気だったか?母さんは
何時死んだと尋ねるが、貴方には関係ないと突っぱねる。
由季子は子供達を置いていくと自らは東京へと戻る。
子供達には正月に働けば正社員になれるかも知れない事を言い
聞かせる。
現在由季子は夫と離婚し、親権を争っていたのである。
親権を勝ち取るためには安定した収入は欠かすことが出来ず、
コンビニでの仕事に奮闘していた。

龍彦は大晦日も正月も母親と共に居られないことを寂しくなる
として落ち込み、納屋にいるとそこで福助と書かれた小箱を
見つける。中を開けると気持ち悪いものが入っていた。

夕食、お腹が空いたと訴える龍彦。
三郎は子供達の為にソバを作ってくれるが、お世辞にも清潔感
の無い食事に食欲も湧かない子供達。コンビニに行きたい、母
に逢いたいと益々思いを募らせる子供達。
気を使った三郎は冬休みは何時までだ?と尋ねるが、るみ子は
三郎にあんたなんかおじいちゃんだと思っていない事を告げる。

夜お腹を空かせたまま布団に入る龍彦とるみ子。お腹が空いた
何か食べたいと訴えると、福助は願いを聞きつけ、庭にみかん
や野菜を一瞬にして育て上げてしまう。
翌日その噂を聞いた一ノ戸や太田黒は庭に生えた野菜などを
見に来る。

食事後、龍彦とるみ子は三郎に対して微笑みかける。
二人はお年玉を催促していたのである。それを知って三郎も
お年玉を与えるが、龍彦には5円、るみ子には555円しか渡す事
が無かった。それを知ってるみ子は馬鹿にしているのかと思わず
発してしまう。
これ以上ここには居られないと出て行くが、バスは4時まで来る
事はない。佇んでいると太田黒が通りかかり自分の経営して
いる温泉旅館に招待してくれる。太田黒の姉であり旅館で仲居
をしている和枝に料理を振る舞って貰い、温泉に入って満喫
する子供達。太田黒は石橋に子供達の面倒を任せて出掛けよう
とする。子供達は三郎のことを先生と言っていることが気になる。
話しを聞いてみると三郎はシャンソンの先生だという。
生徒達に歌を教えている場所へと向かうと、生徒の川口や銀子
相手に歌を教えているのだった。
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人間は誰もが亡くなると土に帰る。

しかし人間とは逆に福助は永遠と死んでもまた別の場所に映り
渡っていくだけ。
その辺の苦悩が感じられるところはちょっぴり寂しいところ。

福助によって助けられた前任者・夏希

このドラマではなんだか福助頼みの展開で、自分の力で打開し
ようとする意欲が感じられない部分が有る。
夏希は何故龍彦に福助が取り憑いているのを知ったのか。
その辺は流石に曖昧なものが有ったな。

福助は願いを叶える毎に年を取っていく。

なんか無駄な願いばかりを叶えていたような気がするのは、
大人の視線から見ているからなのか。
福助を一生死なないような願いをかけたり、1兆円くらい出して
下さいと願うのは反則なのか?
年を取るという割りに大人の姿にはならなかったな。

失ってみて初めて気がつくもの。

三郎は酒、ギャンブル、女で若い頃散々悪さをしてきたとか。
孫達の姿を見て家族の存在を知った彼。
三郎の今の生活は可愛そうであるような、それでいて仲間に
恵まれて幸せそうな感じで微妙なものだけど、孫に冷たくあし
らわれるのはちょっと可愛そうな感じだね。

シャンソンは亡き妻の忘れ形見

その歌とは「サントワマミー」という事でこの歌自体にもの
凄くメッセージ性が含まれている気がする。
最後にこの歌が効果的に使われるのだろうなとは思っていたが
孫のるみ子に三郎の思いが伝わるって感じの演出だったね。

大後寿々花、歯を矯正中。

最初は気が付かなかったけど、最後の三郎との別れのシーンで
アップになると矯正具が見えたので驚いた。今時の矯正具って
ホント分からないのね。海外ドラマ「アグリー・ベティ」の
ベティも見習ってくれ。

五十嵐るみ子 …… 大後寿々花 (姉)
福助 …… 深沢嵐 (福の神)
五十嵐龍彦 …… 渋谷武尊 (弟)
一ノ戸良平 …… 石倉三郎 (警察官)
太田黒公彦 …… 温水洋一 (温泉旅館)
石橋 …… ゴルゴ松本 (鉄道職員)
銀子 …… 梅垣義明 (バーのママ)
夏希 …… 京野ことみ (かつて福の神が宿っていた人)
五十嵐由季子 …… 菊池桃子 (親権を争っている母親)
香坂三郎 …… 笹野高史 (由季子の祖父)
本橋 …… ムロツヨシ (コンビニの調査員)
成河 …… 野間口徹 (温泉水質調査員)
松崎 …… 神尾佑 (弁護士)

中島陽子、神保共子、三好杏依、佐伯新、窪寺昭
加部亜門、武井絵未、飛田光里

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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