古畑中学生 〜古畑任三郎生涯最初の事件〜

脚本/三谷幸喜

http://wwwz.fujitv.co.jp/young-furuhata/index.html


古畑任三郎は中学三年生の頃、家庭の事情で東京からとある
田舎の村に引っ越してくる。村に唯一あるスナックで働く母親
と二人暮らしの古畑。杉の森中学に転入する彼は、世話役と
して向島音吉が付けられる事になる。
古畑少年は周りとなかなか溶け込もうとはせず、授業中も
教師の話は一切聞かずに大好きなシャーロック・ホームズの
推理小説を読んでいた。唯一心を開いたのは科学の教師・野々山
だった。彼は生徒の心を掴むことに長けていた。
そんなある日、花壇の花が荒らされる事件が発生する。
教頭の森脇はすぐに犯人捜しを行い、その非を古畑の世話役
である向島音吉に向けてくる。前日森脇から怒られた事を根に
持った犯行ではないかという事だが、生徒の一人からも
放課後に花壇の所でしゃがみ込んでいた所を目撃されていた。
音吉は花に水をあげていただけだと弁解するが、状況はかなり
不利だった。そんな時、古畑がその会話に割ってはいる。
水以外に肥料を上げていたこと。そして花の折れ方を見て
すぐに犯人はカラスの仕業であることを突き止めた。
凄い推理力で無罪を勝ち取った古畑は、音吉の薦めで探偵事務所
を作ろうと言うことになる。村はずれにある古い掘っ立て小屋
を拠点として依頼を受けようとする。依頼人など来るものなのか
と半信半疑だったが、次の瞬間村役場の蒲郡が相談に訪れる。
彼は居なくなったポチを探して欲しいという事だが...。

1) 犬のタマ捜索
2) 同級生・真鍋のトランペットを取りに行く
3) 和尚のオーディション話
4) 埋蔵金の話
5) 同級生・戸部明日香の檀家への届け物。

これらの依頼を受けるウチに古畑の洞察力が鋭いことが証明
されていく。
特に面白いなと感じたのは、犬のタマ捜索の話し。
普通論理立てて犬探しなんて行うものではないし、証明できる
ものではないと思うのだが、上手くその理由を飼い主が
車でひき殺したところまで持って行ってしまう。

常識的に考えて、中学生が起こした探偵事務所に依頼など
来るはずが無い。そんな事情を逆手に取った今回のバリエー
ションに富んだ事件の数々。

冒頭で教頭・森脇のキャラクターに対する刷り込みが行われ、
このキャラクターに対する疑心暗鬼な状況を巧みに使い、
上手くミスリードしていった感じで、最後に森脇が語っていた
通り、良い人そうに見えた野々山先生の企みなど、憎いくらい
に良くできていたと思う。

真鍋のトランペットの話しなんて、演出意図として単なる
古き良き時代の中学時代のありがちな思い出として描かれて
いるのかと思ったけど、一連のエピソードの中に意味のある
ものとして存在している辺り流石だなと思った。

"人は嘘をつくもの。まずは疑って掛かる。そして何故
嘘を付くのかを探る。真実はそこにある。大事なのは原因と
結果であり、行動に惑わされず心を読め"

森脇教頭の登場の仕方が格好良すぎ。
最近の浅野和之さん、美味しいところ総取りじゃないか!

古畑任三郎 - 田村正和
古畑任三郎 - 山田涼介 (中学生時代)
小野田 - 温水洋一 (スナックの客)
任三郎の母親 - 石田ゆり子
向島音吉 - 小林隆
向島音吉 - タモト清嵐 (中学生時代)
野々山先生 - 原田泰造 (化学の教師)
森脇教頭 - 浅野和之
戸部明日香 - 福田麻由子 (同級生)
和尚 - 石田太郎 (明日香の祖父)
蒲郡 - 甲本雅裕 (役場の助役)
並木 - 吉田玲奈 (担任の先生)

柴田将士、濱本佑太、松山尚子、横尾三郎

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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