ガラス色の恋人
「沖縄発・奇跡のラブストーリー」
日本放送作家協会主催 第32回創作テレビドラマ大賞受賞作

原作/野条美由紀


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2009年2月の沖縄。
美波は廃ガラスを集めるために飲食店を回る。
全ては琉球ガラス工房"蒼風"に集められて、ガラスを溶かし
再生させる。琉球ガラスとは戦後物がない時代に米軍キャンプ
から集めたビンから再生させたことがきっかけで生まれたもの
だという。
そんな工房に月野圭介がやってくる。彼は高嶺のガラスに惚れ
てやってきたという。
ビンを集めて戻ってきた美波は、そんな月野の姿を見て一瞬
彼氏の姿を思い出す。
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沖縄の地が心の傷を癒すためのロケーションとして使われるこ
とが多いね。
ガラスが何度も再生する事が出来るのと同様に、人々の心の傷
再生することが出来るのか。

琉球ガラスのコンクールのテーマが"命"という事もあり、命に
ついて考えさせる機会を与える。
亡くなり逝く命もあれば、亡くなった命の中からガラスを再生
させるかのように移植して生き存える命もある。

偶然という名の必然性によって引き寄せられていく人々の描写
が、再生以上に神秘的でインパクトを与えるところはこのドラマ
の面白い所だと思う。

英貴から贈られた青いカレット。
最後に再生の道具の一つとして魂を吹き込むシーンは何とも
言えない良さがあったね。

月野が生とは何かを模索し、他人から譲り受けた命に対して
プレッシャーを感じている役柄にはちょっと出来すぎた感じも
するが、なかなかの好青年ぶりを発揮していたし、嫌みのない
役柄だったので良かった。

月野に興味を持ったきっかけは何処か雰囲気が似ている男性
だったのだろうか。
昔の彼のことを無理に忘れるのではなく、忘れられないから
ここで思い続けようという美波のセリフがとても新鮮に映った。

小日向美波(26)・・・・吹石一恵 (沖縄に移住)
月野圭介(23)・・・崎本大海 (大学生)
笠原英貴(30)・・・瀬川 亮 (水中カメラマン)
高嶺章造 (60)・・・大地康雄 (工房の親方)
笠原久枝・・・永島暎子 (英貴の母)

藤木勇人、上杉祥三、末吉功治、今科子、与那嶺圭一
ジャーマニー・ベイカー、マイケル・ワトソン

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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