働くゴン!

脚本/水橋文美江
プロデューサ/櫨山裕子、内山雅博
演出/南雲聖一

http://www.ntv.co.jp/gon/


大活躍の報道記者は2児の母!
頑張りすぎて夫に逃げられ仕事と子育て板ばさみ生活…
ママはどうして働くの?事件解決と見つけた答えは…

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2009年東京。東洋銀行の支店で爆弾を持った犯人・屋島冬次が
人質を8人取って立て籠もる。調べてみると彼はこの銀行に勤め
ていた行員で、顧客リストの漏洩事件を疑われて解雇されて
居たことが分かる。犯人は要求として権俵よし子を呼べという。
数々の感動の報道取材で、“泣かせのゴン”との異名を持つ
よし子。すぐによし子に現場に向かうよう指示があり、犯人の
居る銀行内へと躊躇無く踏み入れる。
踏み入れた途端爆弾が爆発し、中から人質8人が出てくる。
時間差を置いてよし子と犯人が出てきた。

この日、新人記者の村西純が報道に異動してくる。
よし子は元夫・夏生からのメールを見ていた。彼のメールには
仕事と家のどちらが大切なのかと書かれており、もうついて
行けないという。メグと暮らすので離婚してくれと告げられる。
11年間連れ添った夫。家事の殆どは彼がこなしており、それ
だからこそ仕事に集中できていたよし子。彼の居なくなった家
は荒れ放題荒れて、よし子はゴミの捨て方一つ解らない。
よし子は夫が言っていたメグぽんの家を訪れると、既に二人は
出来上がっており、修復は不可能だと実感する。
よし子は離婚届に判を押して、子供達にはこれからは私が
父親変わりであることを告げる。
しかし相変わらず食事はコンビニの弁当だった。長男の咲に
至っては誕生日でもないのに母親がご飯を作るわけがないと
諦めモード。そんな子供達に親の身勝手でごめんと謝罪するも
子供は既に半年前からそうなる予感を知っており、いつも二人
で留守番していた事を告げる。学校から帰宅する時間には毎日
電話すると言い残してよし子は仕事に出掛ける。

そんな中、子供が帰宅しないと警察に通報する女性・鏡秀子の
事を嗅ぎつけた報道部はすぐに取材のために現場へと駆り出さ
れる。秀子の家の周りにはマスコミが既に集まっていた。
通報を受けた江戸川署は公開捜査に踏み切るという。
よし子は被害者の母・秀子に一言気持ちを聞かせて貰おうと
ドア越しに語りかける。早期解決のため、私は母親の味方、
早く帰るよう心から願っていると告げる。

そんな中記者の一人・泉はいつものようにグルメレポートの
取材で駅弁フェアに来ていた。泉は報道希望なのに、こんな
仕事しかもらえないと不満顔。駅弁フェアで誘拐された子の
近所に住むという女性から、犯人の特徴や紺色の車に乗った
人物である事を聞かされ、泉は報道の仕事をするチャンスだ
として真っ先にデスクにその事実を伝えるが、公開捜査では
よくある事だとして取り入ってもらえなかった。
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仕事の現場では仕事の出来る女性の象徴だが、家庭では全く
家事も子育ても出来ない女性。そんな女性の奮闘記が描かれた。

それにしてもよくぞこれだけドラマ「ハケンの品格」の面々を
揃えられたね。当時の撮影が余程雰囲気良く撮られた証拠なの
かも。まぁ20%近い化け物的ドラマだったからね。

ドラマとしては仕事場の彼女と家庭での彼女の姿のギャップを
楽しみながらも、現実的な問題をぶつけてきた感じの内容だった。
家庭と仕事の両立というオーソドックスな問題を取り扱ったもの
だが、よし子演じる篠原涼子のキャラクター性も相まって、
忙しい時を過ごしながらも楽しそうな生活を送っているところは
癒される部分かも知れない。

男性社会であり女性が軽視されるような職場に於いても、意外
と重要なポストには女性の活躍が目立つ報道の現場。
しかし伽帆が最後に局長には慣れずに異動させられてしまう事
からも、前例のない異例の人事は行わない保守的な職場である
様。

対照的な立場にあるよし子と泉の女性報道記者。
この対立がもう少し面白い形で表面化するとドラマとしては
メリハリのついた内容になったのかも知れない。
とにかくこのドラマ、メインキャストを張れるような俳優人が
多すぎて一人一人の役割は相当希薄化されているのが残念なと
ころだ。

ドラマで扱われる事件は、よし子と同様に離婚による一つの
家庭の問題。当初誘拐事件として取り扱われたものだが、すぐに
それが嘘で有ると判明。しかし母親は子供の居場所を知るのに
対してすぐに迎えに行くような行動を取らないのは何故なのか。
子供の腕についた皮下出血の跡。それは虐待を意味するものなのか
どうかという点を調査するのが記者として課せられた役目。
刑事・推理捜査的な内容も加味され、気がついてみれば親子の
愛情を感じさせる展開でもあり後味は決して悪くない。
この事件を報道することで、よし子と子供達の微妙なすれ違いに
対しても理解を求めていくという展開も良くできていたと思う。

しかし子供が駅弁フェアにそんなに行きたがるものなのか(+_+

権俵よし子 …… 篠原涼子 (36歳、結婚11年で離婚、2児の母)
泉亜美 …… 香里奈 (入社3年、帰国子女、報道希望)
篠田伽帆 …… 風吹ジュン (もうすぐ定年、異動前の最後の仕事)
上原大成 …… 沢村一樹 (よし子と同期記者)
村西純 …… 平岡祐太 (新人記者、よし子を崇拝)
春日良太 …… 山口馬木也 (カメラマン)
神谷部長 …… 升毅 (部長)

鏡秀子 …… 戸田菜穂 (中国レストラン"ごんごんぽぽ"勤務)
鏡健人 …… 安田顕 (秀子と離婚)
田中夏生 …… 谷原章介 (よし子の元夫、メグぽんに夢中)
権俵咲 …… 森本慎太郎 (長男、春思いの兄)
権俵春 …… 佐藤詩音 (次男、駅弁フェアに行きたい)
白鳥めぐみ …… 大島美幸 (メグぽん)
屋島冬次 …… 森崎博之 (冒頭の事件の犯人)
鏡海人 …… 土師野隆之介 (謎の痣は虐待なのか!?)

目撃主婦 …… 板谷由夏 (駅弁フェアで泉が聞き込み)
青木警部 …… 小野武彦
コック長 …… 小松政夫 (中国レストラン"ごんごんぽぽ")
デパート店員 …… 加藤あい (駅弁フェア)
派遣社員 …… 上地雄輔
槙原 …… 小泉孝太郎 (目黒区立鷹番第二小学の教師)
医師 …… 大泉洋
容疑者 …… 松方弘樹

岡本光太郎、滝裕次郎、平野靖幸、松原正隆、菊間秋彦
河野安郎、牟田浩二、大田正樹、坪田秀雄、鈴木アキノフ
瀬戸寛、隈部洋平、奥田努、酒井麻吏、重村真智子、よしこさん
安達しほり、原金太郎

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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