左目探偵EYE

今夜異色のニューヒーロー誕生!亡き兄からもらった左目に
映る犯罪プラン…謎の仮面と暗号!予想不可能な展開と衝撃の
ラストを見逃すな!!


脚本/秦建日子
チーフプロデューサー/櫨山裕子
演出/大塚恭司
プロデューサー/伊藤響、大塚泰之、坂下哲也

http://www.ntv.co.jp/eye/



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幼い頃から左目の視力が殆ど無かった田中夢之助は、ある時
兄から角膜移植を受ける。両親が亡くなったときにお前の面倒
を見ることに決めたという兄・夢人。
秋テナントで突然手術する二人。夢之助は目が覚めると、そこ
に兄の姿はなく、手術が終わると同時に医療スタッフも一斉に
撤収し始める。

一方自転車に乗った男性・浜田は一台の車にすり寄り、荷物を
抱えたまま車に乗り込む。バッグには大金と共に一台のPCが
入っていた。そんな中、その二人の事を監視しているものたち
が居た。本庁と城西署の刑事は合同で二人をマークしていた。
彼らは有名な犯罪プランナーだった。警察は二人が車に乗り込
んだのを見ると一斉に逮捕するために動き出す。それを知った
犯罪者達は、自転車と車で方々に逃げる。
自転車の男性を追い掛けるのは所轄の刑事、大内と加藤。
浜田は二人に向かって発砲するも、大内は無謀にも犯人の前
に躍り出て、銃弾をかわして犯人を押さえ込む。

逮捕した男を取り調べると、PCは犯罪プランナーのもので、
解析を請け負ったのだという。

愛之助は視力が回復したことに喜ぶ。大好きな絵にまた集中で
きる。自宅に戻ると封筒が置かれていた。中には200万円と共
に兄からの手紙が入っていた。仕送りできなくなるかも知れな
いので金を置いていくというのである。

兄は仕事場である東京ナノ・イノベーションの研究室に戻って
作業していると、突然殺し屋が中に入ってきて彼を気絶させ、
その間にガスの栓を開けて時限装置を設置していく。殺し屋
が部屋から立ち去る頃、ガス爆発を起こし研究所の一室は
火の海に包まれるのだった。
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山田涼介主演の探偵モノということで、「探偵学園Q」みたいな
ドラマを想像していたが、まさにそんなキャラクター性が
全面に押し出されるようなドラマだった。

網膜移植によって他人の記憶やら能力の一部が引き継がれると
いうのは面白いアイディアだが、殴られないとその映像が
蘇ってこないというのは、少々穏やかではない。
わざわざ殴られるようなシチュエーションを用意しなければ
ならず、殴られた後にも傷一つ無く立ち上がってくる様には
少々漫画っぽい展開になってしまった。

ドラマでは石原さとみが助演として登場する。
このキャラクターはドラマ「パズル」での彼女の役そのまんまの
金に執着する女性像だが、これまたかなりの癖があり、彼女が
ドラマに関わってくる取っ掛かりの部分からしてかなりの強引さ
が存在する。夢之助の言葉だけで金の臭いがするとしてしまうが、
もう少し上手い理由付けはなかったのだろうか。

全体を通して言えることだが、キャラクターに強いアクが有り、
原作が漫画ではないかと思い違える程安っぽい部分がある。

ドラマでは兄の死の真相を探っていくウチに、犯罪組織の巨大な
陰謀を知るという展開だった。
記憶を元に真相を探っていくわけだが、そんな記憶を逆手に取
って事件を解明、犯人を出し抜くシーンが殆ど無く、ほぼ事実
関係に終始してしまった感じなのは残念。貸金庫の番号を探り
当てたのは良かったがすぐに奪われるし、施設で何かが起ころう
としているのを予言しても中学生の言葉に誰も耳を貸す人など
居るわけがない。

しかし銀行が襲われると予言した時、全国に数多く存在すると
言っていたにもかかわらずその支店を一瞬に見抜いてしまった
理由は何なのだろうか?

また主人公らが犯罪組織に対して全く恐れを抱いておらず、
拳銃にさえ全く怯まず立ち向かう様はちょっとリアリティが無く
如何にも日本のドラマといった感じだった。

警察官2人のキャラクターも植え付けるだけ植え付けただけで、
要素としてはかなり弱い者があったし、警察内部の密告者や
小向典子の事を考えるとドラマでは続編が作られるような構成
だったが、網膜の記憶だけが頼りとなるとかなり強引な展開に
なりそう。都合のいい記憶だけが蘇ってくる滑稽さ。情報に関
しても古い情報だけしか網膜には刻まれているものがないので、
それを頼りに見破っていくというには少々心細い。

それでも兄が犯罪を主導しており生きていたという展開は
秦建日子さんのシナリオらしく、サプライズが利いていて面白か
った部分か。

ウィルス騒動に関してはPCを盗まれた以前から計画を立てていた
のかもしれないが、網膜を移植した時期との時間軸を考えると
やや不自然に映ったのも確か。

最後の夢之助と夢人のやりとりは、イマイチ的を射ているのか
いないのか良く解らなかった。

田中夢之助 …… 山田涼介 (15歳、如月中学在学)
田中夢人 …… 横山裕 (27歳、東京ナノイノベーション勤務)
狭山瞳 …… 石原さとみ (23歳、養護教諭)
小向典子 …… 片平なぎさ (48歳、犯罪組織)
加藤隆 …… 岡田義徳 (32歳、城西署の所轄刑事)
浜田剛 …… 堀内健 (35歳、犯罪組織のキーマン)
大内健三 …… 寺脇康文 (45歳、城西署の所轄刑事)

岡崎 …… 田中要次 (殺し屋)
杉森信宏 …… 中原丈雄 (国立ウィルス研究センター所長)

山崎直樹、大口兼悟、村田充、田口主将、北山雅康
安井順平、佐々木崇雄、青柳塁斗、田中智也、本多隆二
岩鬼安武、宮下ともみ、遊木康剛、西明彦、
姜洪軍(ジャン・ホンジュン)、九島洋一、velo武田、阿部祐二
鷹西美佳(アナ)、猪岐英人、西原信裕、プチ鹿島、鈴木里咲
井津元悠汰、菅沼司、柳原聖、石川まさと、大石典子
大城若葉、片瀬梨絵、木原武夫、小室亜沙、高原里奈
武渕由美子、田中安彦、田宮扶史子、土橋和子、南保朋美
原奈美、広瀬満、福岡亜衣子、三差長雄、八尋岳美

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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