氷点

脚本/野依美幸
出演/中村トオル、飯島直子、岸本加世子、北村一輝、本上まなみ
手越祐也、石原さとみ、窪塚俊介、森迫永依、十川史也
木村祐一、大島蓉子、吹越満、陣内孝則、竹下景子

賀来千香子、中尾明慶、貫地谷しほり、安田美沙子、津川雅彦

http://www.tv-asahi.co.jp/hyoten/

原作者は敬虔なクリスチャンである三浦綾子さんとの事で
ドラマでは、かなりキリスト教の教えっぽい説経が聞けたり、
十字架の前で祈る主人公らの姿が見て取れる内容だった。

前半では娘を殺される両親側の視点で描かれており、
後半は子供達の視点で進行する内容であり、どちらも同じくらい
面白さがあった。

前半の良さは、中村トオルと飯島直子、それぞれに持つ人間の
エゴとそれに振り回されて育つ娘の関係性に有った。
生まれながらにして罪を背負ってしまった感じの娘が、冷たい
目に晒されながらも、誰よりも真っ直ぐで人を恨むことを知ら
ない人間へと成長していく対照的な姿がとてもイジらしく映る。
憎むべき相手が可愛く成長していくことへの嫉妬心だったり、
そこには憎みきれない愛情が存在していたりするなど、とても
面白く表現されていたと思う。

後半は衝撃の真相が明らかになり、娘が自殺したのを機に
娘自身の中にもちょっとした迷いを生じる点が興味深かったか。
育ててくれた母親がどんなに意地悪しようとも、憎むことを
知らなかった彼女が、産みの親に対する憎悪の念がとても皮肉な
感じに映った。

ちょっと手狭なところで色んな人生模様や因果関係を作りすぎた
感じもしたけど、どのエピソードでも罪に対する後悔の念が見て
取れたので、悪い気分はしなかったですね。
許すことは難しい事でも、憎むことは容易い事なんですよね。

どの俳優さんもなかなかの好演を見せてくれた。
一番心配していた飯島直子さんも、和服姿がかなりのハマり役。
でもこのキャラクターだけ最後まで夫への裏切りに対する反省が
見て取れないまま進行してしまうところが、ちょっと嫌な感じ
がしたかな。一応未遂だったって事だし、中村トオル自身も心の
浮気をした事によってお相子様なのか。

なんとなく昔の日本ドラマが韓国ドラマに似ているっていうのが
分かるね。内容もそうだが、全体の構成が韓国ドラマに似ている。
現在の韓国人は否定するのだろうけど、相当影響を与えているの
だろうな。

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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