ドラマはCBCテレビ開局50周年記念スペシャルであり、平成18年度
文化庁芸術祭参加作品であり、実話を基にして制作された内容。
不治の心臓病を患い、何時亡くなっても可笑しくない状況の女性の
23年間の生涯、そしてそれを支えた家族や友人達の話し。

今年の春頃に放送されたドラマ 「少しは、恩返しができたかな」
と同様に、病気である娘は両親を気遣い、周りの人間を気遣い
何一つ不満を言うことのないとても優等生的な人物像だった。

命の重さを知る人だからこそ、救える命があり説得力の有る
シーンに繋がる。人生に絶望し自殺を考えている須藤温子との
絡みは、ドラマとして面白いアクセントになった。

周りの人間の事など考える暇など無いはずなのに、自分の病気が
あったからこそ誰かの命が助かるという彼女のポジティブさは
本当に凄いものがあった。

幼いときからボランティアに参加し、自分の出来る事をやるという
心意気は人間として見習うべき物があると思う。

一番印象に残ったシーンは、亡くなる間際に姉や妹に、両親を
独占してごめんと誤るシーンかな。ここまで気遣いされると
とても恐れ多いし、このキャラクターを象徴しているなと思った。

このドラマの主人公の人生は短かったけど、幸せの幸・不幸は
人生の長さに比例するものでは無いと、このドラマを見て思った。

松浦亜弥はこういう"真面目"な演出のドラマは良い味出しますね。

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)