東野圭吾・３週連続スペシャル第三弾！“回廊亭殺人事件” 脚本：旺季志ずか 企画統括：立松嗣章 チーフプロデューサー：小池秀樹 企画：成田一樹 プロデューサー：渡辺良介 演出：山本剛義

「最愛の恋人を殺され復讐の鬼と化した女…整形で顔を変え巨額
遺産をめぐり欲望渦巻く一族に潜入！愛を奪った犯人は誰なのか
？」 
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桐生枝梨子は恋人で有った里中二郎を火事で失う。
二郎を私から奪ったものを見つけて復讐すると誓う。

枝梨子は本間美代子になりすまして、回廊亭へと向かう。
女将をしている小林真穂から、既に一ヶ原家の人々は集まって
いるという。美代子は真穂に無理を言って"いの壱"の部屋に
泊まらせて欲しいと頼む。そこは父が窓から見える景色が綺麗
だとして気に入っていた部屋であると告げる。

枝梨子は二郎を失った火災の時に、顔面を火傷するも、高顕が
信頼を寄せていた本間菊代のお陰で高度な移植手術を受けさせ
て貰い、そこで菊代の娘・美代子とソックリな顔になっていた。

回廊亭には、一ヶ原の一族が集まっていた。
亡くなった一族の長・高顕の弟で大学教授の蒼介。高顕の異母
弟であり、高顕の仕事を引き継いでいる直之は、一度美代子
にも会っているという。紀代美は高顕の義理の妹で、その娘
由香も一緒に来ていた。高顕とは異母妹の藤森曜子とその娘の
加奈江、そして蒼介の息子で演劇関係の仕事をしている健彦も
来る中、高顕の顧問弁護士をしていた古木栄治は、法事の後
故人の遺言状を開封するためにみんなに集まって貰った事を
語る。美代子は彼らを見てこの中に犯人が居るのだと呟く。

一年半前。枝梨子は高顕の秘書をしていた。
今後のこともあるので枝梨子の事を兄弟たちに紹介しておく
と言われる。

枝梨子はみんなが雑談する中で、何をどれだけ相続するかで
人生が変わることを語る。もしかすればミリオネラになる人
だっているという。それを聞いた弁護士の古木は、平等に
相続すれば全員がミリオネラになる事を告げる。
しかし平等に相続するハズはないと話す者も居た。
由香は代襲相続人であったり、曜子には夫の経営する不動産
会社の件で、高顕から多額の援助を受けていた事があった。

またこの回廊亭を誰が相続するからによっては、女将の真穂の
進退にも影響がある。真穂は高顕の愛人だったという噂もある
人物だった。
しかし高顕が一番信頼していたのは秘書をしていた枝梨子で
有ると由香は告げる。直之もそれを聞いて確か高顕は、枝梨子
と再婚しようと考えていたはずだと語る。
しかし枝梨子は火災で恋人の二郎が焼死すると、自分は飛び降
り自殺をしている事。枝梨子は誰が見ても不細工であり、
高顕とは釣り合わないこと。そして二郎という相手が入るのに
高顕と結婚しようと考えていただろうかと色々と疑問点が
浮かび上がる。

そんな中、美代子は母・菊代から預かったものが有るとして
みんなに見せる。枝梨子が菊代に託した遺書であり、この中に
は彼女が何故死ななければならなかったのかが書かれており、
二郎が心中を図り火災を起こしたことに関しても真相が書かれて
いるのだという。母の代理で自分に遺言状が読まれる前に
是非読ませて欲しいと語る。
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一年半前に恋人を殺害された女性・桐生枝梨子は、高顕の遺言
状の開封時に、その火災が起きた場面で、犯人を探して復讐
しようとする。果たして恋人を殺害したのは誰なのか。

冒頭から人が多すぎて面倒くさいなと思ったけど、思った
よりも複雑化せずその辺は上手くまとまっていた所が有った。

ドラマとしては復讐するのと同時に刑事の追及の手が迫り、
捕まるのが先か、真相を暴いて復讐するのが先なのか、その辺
の駆け引きがドラマとしての見所。

ただ結果的に見ると枝梨子は、最初から恋人が生きていた事
は分かっている事を前提として動き回っており、シナリオは
その事実を意図的に隠している訳で、多少あざとさは感じる
流れが有る。
これは自分自身の気持ちに対する踏ん切りを付ける為に動き
回っていた事なのだろうか。

冒頭から弘美が云々と、古木弁護士が話していた事から、
この人物が誰なのかという事ばかりに気持ちが集中していた
感じがする。本間菊代の本当の娘が、弘美として登場するのか
と思っていた。

名前によって先入観を持たせる流れは、今週の「家庭法廷」
でも同様のエピソードが有ったね。

正直、桐生枝梨子という人物が人が言うほどブスではなかった
し、周りから非難されるような事かという気持ちも有った
ので、違和感は有ったけど、死を偽装したのが枝梨子だけで
なく、二郎もまた同様に偽装していたという事で、面白い
サプライズとなった。

最後の真相を明かす辺りの展開が少々演出上違和感が有った
けど、まぁ楽しめたのでヨシとしましょう。