ティファニードラマスペシャル 夏の終わりに、恋をした。
(2014年9月26日・フジテレビ)

脚本 - 北川悦吏子
演出 - 永山耕三
協力プロデュース - 小泉守
プロデュース - 古屋建自

http://www.fujitv.co.jp/natsunoowarini/





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ちかげはニューヨークのとある店YASHA RAMENで飲みながら
泣いていた。店主は俊平に対して泣いている客をなんとかして
来いと言われると、ちかげは涙するのを辞めてチップを多め
に店を出て行く。店を出て行く際に俊平に対して、ホテル
ヘンリー・ノーマンを知っているかと問うと、ホテルの場所は
マンハッタンではなくブルックリンの方にあると告げる。
俊介は地下鉄一本でいけるので地図を書くという。
ちかげはそんな彼にフトブルックリンブリッジって飛び降りる
人などいるのかと質問にも成らないことを口にする。
しかし地図をもらったは良いがあまりに雑な地図だった為に
まるで理解出来なかった。
俊平が店から出るのを待っていたちかげ。
地図を見てもまるで分からない事を告げ、一体私を誰だと思っ
ているのかと大きな態度に出る。私の涙の訳を知りたくない
か?と問われるが、ちかげはすぐに自らそんなことを言われても
迷惑よねと告げると、もう安定剤を飲んだので大丈夫だという。
俊介は誰か亡くなられたのか?・・それとも病院から脱走して
来たのかとして、映画「カッコーの巣の上で」みたいなことを
してきたのかと問う。ちかげはそれを否定すると、逃げたりで
はなく寧ろ追いかけてきたのだと語る。ストーカー的なもの
なのかと問うと、誰を追いかけてきたのか知りたいかと問われ
る。
ニューヨークに来て3年だという俊介はちかけの名前を知らない
こともあり"お姉さん"と呼ぶが、私の名前はちかげだという。
あなたの名前はと問われると、俊介は名前を言おうとしなかっ
た。これ以上関わり合いになるのが嫌だから名前を言わない
のかと問われるが・・
ちかげは付き合って5年の男性と結婚するハズだったが、
彼は急に新しい女と結婚してニューヨークに新婚旅行に来た
のだという。別れた時に復讐を考えたとして、女の職場に
イタズラメールして退社に追い込むとか、両家の結納をぶちこ
わすとか、結婚式で友人代表としてスピーチして世にも恐ろ
しい発言をしてやろうかと考えたのだという。
しかしどれも実現せず、何故今自分がニューヨークにいるかも
分からないがとにかく来てしまった事を語る。
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ちかげは5年付き合い、結婚まで約束した男性が突然若い女性
に鞍替えして結婚したことで気持ちは宙ぶらりんな状況だった。
二人が新婚旅行にいくとされるニューヨークにフト着の身着の
ままやってきてしまったちかげは、自分が何をしようとして
いるのかも分からない状態のまま、一軒の日本料理店に入る。
そこには日本から映画監督となるべきニューヨーク大に留学して
いる男性、俊平に出会い、不思議な一日を送っていく。

北川悦吏子さんが脚本をされているというので見てみたドラマ。

北川さんのドラマの印象を考えると、全く見知らぬ相手との
出会いのシチュエーションがとても上手いので、どの連ドラを
見ても初回は特に上手く作られているものがある。また
北川さんは面食いの人の様で、美男美女を取りそろえる
ことと俳優は旬の人を選んでいくということもあるので、
安定的に見る事が出来るのかなと。

このドラマでも、ちょっと鼻につく女性・ちかげとそんな彼女
に思わず一日を付き合う俊平だけど、ちかげの内向的な割りに
自己中さ加減の性格は長谷川京子さんのイメージピッタリの
役柄で、新鋭の工藤阿須加くんの抜擢ということも有り、
面白い出会いが演出された。

二人共異性との関係は上手く行っていないし、仕事に人生に行き
詰まっている状況の中、全く違った一日を経験することで、
それを明日を生きるエネルギーとして得ていくというもの。

旅ってそんなものだと思うので、ちかげがニューヨークに出発する
きっかけこそ、復讐とか未練などを引きずるものだけど、ある意味
理想的な旅をしてきたのだなと思う。

絵の取り方も上手く、ブルックリン橋を中心として、自転車で走る
ときの映像は見ているだけで気分をよくさせるものが有ったし、
年齢差は有るけど、ニューヨークに単身乗り込んでいる男性と
10歳年上の女性というシチュエーションでも、年齢差というもの
を上手く使い分けていたようにも感じる。

全く知らない相手だからこそ感情や腹の内を証せたのだろうし、
全く知らない相手に好感を持ったからこそ、彼女の気持ちを代弁
するようにして相手の男性に気持ちをぶつけられたのだろうね。

職業的にも全く違う分野ではないという設定も悪くは無いし、
互いに言い争う中で、現在の立場的に似たような状況にある
からこそ、どちらが優位に立つことなく言い合うことが出来た
のだろう。

最後は映画のワンシーンにありがちなものが有ったけど、
会えないまま別れるというシチュエーションも有りだったと思うし
名前を知らないままで別れるというのも脚本を考える上で考慮
されたことなんじゃないのかなと思う。


安藤ちかげ …… 長谷川京子 (35歳、スタイリスト)
小塚俊平 …… 工藤阿須加 (NYUの映画専攻)
竹内七海 …… 菜々緒 (友則の婚約者)
成瀬友則 …… 谷原章介 (ちかげの元彼)

Melodee Morita、Alissa Stahler、Usman Ojibara
Bryan Roberts、Maho Honda、阿部知代(アナ)



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