俺たちの旅 三十年目の運命

原作・脚本:鎌田敏夫
音楽:トランザム
企画:酒井浩至
チーフプロデューサー:梅原幹
プロデューサー:倉田貴也、荒木功、佐藤丈
監督:齋藤光正
主題歌:「俺たちの旅」中村雅俊


連ドラ版・俺たちの旅





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グズ六の会社"NSサービス"は順調だが、何処か空しさを覚える
彼は、かつての青春の日々を懐かしむかのように、自分たち
が住んでいたアパートへと足を運ぶ。するとそこには偶然
ワカ
の姿があった。身辺田中千晴と結婚し、一緒に旅館を経営
していたワカメは、今日の温泉ブームによって、特に客集めを
しなくても人が沢山来るために、東京支社を作り、そこで働い
ているという。暇だとしても何をしたいのか意欲が湧かない
というワカメは、男性の更年期障害ではないかと告げる。
グズ六は浮気で紀子と別居していたが、会社は紀子が経営して
おり、順調そのもの。
カースケとオメダは何をしているのかと問うと、カースケは
スペインの
マジョルカ島に行ったまま行方知れずで、オメダは
米子市で相変わらず市長をしているという。
そんな中、ワカメの元に千晴がやってくると、ワカメは彼女と
共に東京観光へと行ってしまう。千晴はグズ六に対して、あまり
過去ばかりを懐かしがっていてはダメだと語る。

グズ六は一人、米子空港に降り立つと、市長をしているオメダ
の元を尋ねる。三期目の選挙選が控えており、オメダも多忙な
日々を過ごしていた。グズ六は
"かんざき隆夫"と書かれた選挙
ポスターを見て、オメダの活躍ぶりを実感する。
オメダは後援者周りで忙しいとの事で、
真弓がグズ六の相手を
する。真弓はまた離婚し、オメダと一緒に暮らしていた。
相手が全然働かない人で長くは続かなかったという。
真弓はカースケの事を尋ねると、マジョルカで経営していた
ホテルがバブルの煽りで潰れ、その後イタリアに渡った所まで
は知っているがその後が分からないという。真弓は、自分の
働くスーパーの仕入れ先は四国の
徳島の海部町であるが、
そこにどうやらカースケらしい面白い人物が働いているという
噂を耳にしている事を告げる。確かめに行きたいが、オメダ
も忙しくてなかなか足を運べていないという。

グズ六とオメダは二人で骨休みという事で徳島の
海辺町・鞆奥
(ともおく)漁港
へ。するとそこでカースケと再会する。
三ヶ月前に帰国したというカースケは、ソレントでマリオと
言う男性とレストラン経営をしていたが、彼が店の権利を譲っ
て欲しいと言われて売ったという。その時、知り合った人物が
この漁港で働いている人物だった為に、ここに来たことを告げ
る。
そんな中、カースケを呼び止める女性・
節子の姿があった。
節子とは帰国途中に関西空港でバッタリ出会い、そのまま何故
か一緒にこの町に来た女性だという。現在
円松バラ園で彼女
は働いていた。まるで女性版カースケの様な人で、グズ六たち
も驚く。

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大学を卒業しそれぞれの道を歩んでから30年後。
カースケ、オメダ、グズ六は再会する。果たしてそれぞれ
幸せな人生を歩んでいるのか。

BSジャパンで放送していた物だけど、まさか10月10日から
十年目の再会・二十年目の選択・三十年目の運命の全てを
放送しているとは知らなかった。たまたま気がついたので
三十年目の運命だけ見ることが出来た。
是非もう一度再放送してくれないかな。なんで昼間の12時
なんかに放送しているのだか。

10年目と20年目のドラマを見ていない事を前提に感想を書いて
いるのでその辺はご了承の程を。

■カースケはスペインから帰国

流石に30年後をいきなり見たので設定としてはよく分からない。
結婚した妻が国内事業を成功させていて、カースケ自身は
スペインに渡ったのかな。

今回はカースケの息子の問題が浮上。妻とは教育方針が合わな
かったのか。

帰国の便で出会った女性、節子と一緒に四国で定住している。

■カースケの息子・直也

学校では虐められていた様で、背中に相当傷がある。
母親側から自分の手には負えないとして、カースケの元に連れ
て来られた。この土地にはフリースクールが有るとのことで
既に入学の準備は済ませているとの事。

■オメダは米子で3期目の市長選

いつの間にか市長になるほど成長していたオメダ。
10年目だか20年目に出会った女性・佐伯?の子供が米子の病院
に入院している様子。
彼女をオメダが助けることで、逆に隠し子騒動に発展し、
選挙選が危うくなる。果たしてどのようにして乗り越えるのか。
オメダの妻としては複雑な感じだけど、オメダの性格は見抜い
ているのかな。

■グズ六は隠居の身

妻の紀子に会社を任せて自分は殆ど何もしていない感じ。
息子と娘がいるようで、彼らもあんまり家に寄りついていない
感じ。一度グズ六は過去に浮気しているのかな。そんなセリフ
が出てきた。

元々三人の中で一番グズ六が先輩だったけど、白髪になった
ので一番老けた感じも強いぞ。

■洋子の死

過去の回想シーンからカースケは洋子が離婚した際に支えに
なり、一緒に住もうとするが、洋子が同情されたくないとして
拒否したようだ。更にカースケがスペイン行きを決めた際には
自分には子供が居て幸せな人生を送っている事をアピールし、
カースケには何の蟠りもなく海外に行かせたったであろう事が
判明していく。

洋子の存在を普通の女性ではなく特別な女性として描いた所
はなかなか良い感じの流れ。特にカースケだけでなくオメダに
とっても影響の高い女性だっただけに、彼女の死が残したもの
は相当大きかったね。

■洋子の死か、息子の課外授業か。

今回そのな選択が有ったけど、よく考えれば別に洋子の自宅
に行くのはその日で無くても良いはずだし、息子の課外授業に
しても絶対に行かねばならないという事でもない。もちろん
行った方が良いことには違いないけどね。

しかし延子先生にその事を問われて、あんたは人を本気で
好きになったり好きになられたりしたことはあるのかという
主張はなんとなく的はずれな感じがしないでもない。


■カースケは自分の旅に息子をつれていく

自分の背中を見せることで息子の姿勢を正すのは良いこと。
カースケ自身の息子への訴えよりも、他人がカースケをどの
ように見ているのかを旅を通して見せた方が、説得力は有る
からね。

■カースケの強さと弱さ

自分の行動によって周りの人を傷付けたのではないかとする
気持ちは常に持ち続けていたようだ。洋子の取った行動の
意味を探ることで、カースケの中にも色々と複雑なものが巡り
巡っていくが、結果的には彼女の言葉や態度によって、カースケ
の生き方を肯定してくれていたと受け取り、上手く特別な存在
へと結びつけていく。

■貫いたカースケの生き方

人間楽しくなければ生きている意味がないとする事を貫く為
にカースケは社会に縛られず、そして家族にも縛られない
生活をしてきた。子供が親からの愛情を受けずに育った為に
多少なりとも問題が起きてしまうが、その辺はカースケは自分
の生き方を押しつけないとしながらも、自分の価値観を見せる
事で息子との蟠りを解いていく。

ただ一方でそうした生き方故に、大切な人の死に目に傍にいる
事が出来ずに、後悔を残した形で心に傷を背負ってしまう一面
は存在しているようだ。

津村浩介(カースケ)… 中村雅俊
中谷隆夫(オメダ)… 田中健
熊沢伸六(グズ六)… 秋野太作
浜田大造(ワカメ)… 森川正太
山下洋子 …… 金沢碧 (カースケたちの同窓生)
熊沢紀子 …… 上村香子 (グズ六の妻)
真弓 …… 岡田奈々 (オメダの妹)


津村直也 …… 東新良和 (息子、虐めを受ける)
節子 …… 十朱幸代 (ベニスから帰国途中にカースケと出会う)
津村聡子 …… 石井苗子 (カースケの妻、教育方針にズレ)
神崎小枝子 …… 左時枝 (オメダの妻)
田中千晴 …… 神田うの (ワカメの妻)

やっさん …… 上田耕一 (漁師)
佐伯 …… 永島暎子 (オメダの元彼女?息子が入院中)
保田 …… 森本レオ (洋子の夫。大東大の教授)
清七 …… 布施博 (漁師)
延子 …… 床嶋佳子 (フリースクールの教師)
睦美 …… 根本はるみ (島の住民)

三谷侑未、赤間麻里子、こがいとつばさ、森英樹
澤田知子、澤田梨菜、谷岡守


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