リッチマン、プアウーマン in ニューヨーク
(2013年4月1日・フジ)

脚本:安達奈緒子
音楽:林ゆうき
プロデューサー:増本淳、関口大輔
演出:西浦正記

http://www.fujitv.co.jp/mitsunoaji/index.html





スペシャル版 夏に放送されたあのラブストーリーが帰ってくる!
巨大IT企業を率いる徹と入社早々海外勤務を命じられた真琴。
遠く離れ離れになってしまった二人がニューヨークで再会。
全編を新撮映像でお届けする特別編!

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同じ意識を持ってIT企業、NEXT INNOVATIONを立ち上げた日向、
恒介だが、恒介が日向に対する影の存在で居ることに耐えられ
ずに反乱を起こして政府が主導している共通番号制度化の
システム化作業を会社として請け負ったモノの、個人情報を
流出された罪で捕まる。
分解したNEXT INNOVATIONだが、JI-TECとの提携でなんとか
再びパーソナルファイルのプロジェクトは立ち上がるが、日向
は更に今のパーソナルデータでは本当の意味でその人物のこと
が分かるものではないという。雑多なデータも含めて全ての
データを保管しておく必要が有り、その為には、ストレージ
サービスは不可欠。クラウディングコンピュータ化という名前
ではなく、"押し入れ"というプロジェクト名で立ち上げる。
エステル製薬の研究者としてブラジルに赴任した彼女は国際的
な薬物学会IBCの場でiPS細胞を使った研究結果のプレゼンを
行う。
クラウド化には多大な記憶容量が必要なために、日向はアメリカ
の記憶媒体の会社に交渉にいくが、足蹴にされ、今の日本の
技術革新など20年前に終わっていると言われてしまう。

マコトと日向は僅かな時間でニューヨークで遭う時間が出来る
事を知って彼の姿を追いかける中、久しぶりの再会を果たす。
IT社会とはいえ、現状では実際に会う事以上のコミュニケーショ
ン手段はないという日向は共に時間を過ごして、思い出を動画
撮影していく。マコトが成長した姿に、日向は随分と彼女が成功
し一人前になる姿になった事を口にすると、日向にに合う人物
になりたいと思っていたマコトは密かに喜ぶ。

経営は順調かに思われたが、NEXT INNOVATIONの提携先である
JI-TECはパーソナルファイルに於いて、自宅から接続出来る
ものではなく、郵便局のATMのように専用の端末を用意して、
そこからしかアクセス出来ないようなすべきだとし、セキュリテ
ィの観点、そして端末設置に於いて新たな雇用と収益もモデル
が確立出来るとして会議で言われると、日向は人はケータイ端末
で全てをしたい時代にATMなど利用するハズは無いとして非難する。

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2時間半は長いね。
フジテレビさん特有の、過去のエピソードのつなぎ合わせで
資金回収するという手法ではなかったところは評価が出来るけど
やはり2時間枠に収めて欲しかった。

ドラマでは、逮捕された恒介がその後どんな仕事に就いているのか
気になるモノが有ったし、物作り日本の再生に向けて、何が
必要なのかを唱えるものだった。

失敗することを恐れて、新しい事へ挑戦しない社員たちの姿に
辟易したり、成功者が守りに入る事への甘さなり、社員たちの
姿勢を非難するもの。

常識を身につけたと思っていた日向だが、やはり変わっている一面
と変わらない一面が有る。

自分らしく居る為には他人の存在は不要で、他人の価値観を
寄せ付けない日向の姿と、新しい自分を発見できるのも他人から
の視線から眺めることこそ必要だとする主張が日向と真琴の間
で戦う事になる。

結婚すれば誰でも日向と真琴のような疑問なり衝突が一度は
現れるハズであり、その問題は会社に於いても同様に存在し、
果ては日本全体の問題としても存在している感じだ。

それぞれの日向を眺める視線の違いというのも面白く描かれて
おり、今のままの彼で良いと思う人も居れば、もっと凄い人間
になれるハズだとする視線が有る。
結論から言えば人は他人の為には変われるとしているし、
IT企業のように、常に情報やトレンドが移り変わる世界にいる
からこその、変化への対応力、そして変化への必要性というもの
を日向は一番感じていかねばならないところなのではないかうか。

ただ締めるべきところではきっちりと締めて、社員に対して
リーダーとして指し示すべき道を示したりするところは一見する
と矛盾する行動だけど、上手い事骨太の主張を持って居る一面も
見られた。

いくらIT/デジタル化が進化しようとも、アナログ的な面倒臭さ
が必要な事が有るという矛盾点も面白い形で存在している。

実際に遭う事の必要性。
メモに手書きで残すことで伝わるべきものの存在。
アプリやGPSに頼らずとも本人の位置を特定した、人々の気持ちが
今回のドラマの中でも主張すべきデジタル+アナログによる"融合感"
が出ていて上手く出来ていた。

甘えが絶対的な悪ではなく、時に頼るべきものだとする辺りも
欲張りな主張だが、燿子などの流れの中で伝えられたのでは
無いのかな。

日向徹 …… 小栗旬 (29歳、NEXT INNOVATION社長、心因性認識不
全症候群)
澤木千尋 …… 石原さとみ (23歳、東京大学理学部4年生)
朝比奈燿子 …… 相武紗季 (25歳、妹、料理人)
朝比奈恒介 …… 井浦新 (36歳、NEXT INNOVATION副社長)

安岡倫哉 …… 浅利陽介 (25歳、社員)
小川智史 …… 中村靖日 (39歳、チーフプログラマー)
細木理一 …… 植木紀世彦 (社員)
吉田一雄 …… 鹿内大嗣 (社員)
宮前朋華 …… 八木のぞみ (28歳、社員)
立石リサ …… 舞川あいく (23歳、秘書)
小野遙香 …… 野村麻純 (22歳、千尋の親友)
久賀友紀 …… 古川雄輝 (22歳、千尋と同じゼミ)
乃木湧太 …… 丸山智己 (37歳、燿子が勤めるレストランシェフ)
笛木匡正 …… 中原丈雄 (60歳、日向が通う禅寺の僧)
井上芳行 …… 佐野史郎 (60歳、経理、朝比奈からスカウト)

宇田川昇 …… 石坂浩二 (「JIテック」社長)

遠山俊也、小橋川よしと、井上肇、なつみ、長谷川 公彦
犬山ヴィーノ、三上市朗、渋谷謙人、生島翔、遠藤かおる
塚瀬隆行、生田竜聖、渕上彩夏、太宰美緒、高橋メアリージュン
下宮里穂子、西崎あや、Gregory Pekar、Pietro Cristo、
Jason Staatmann、Teron Briggs、Robert Basile、Todd Alan
Little、Kim V.Jones、大津寛貴、加藤裕

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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