佐賀のがばいばあちゃん

脚本/旺季志ずか
出演/泉ピン子、石田ゆり子、広田亮平、森田直幸、原沙知絵
村田雄浩、甲本雅裕、平田満、小日向文世、下山葵、岩井進士郎
山崎一、坂田利夫、島田洋八、ぼんちおさむ、里見まさと
はなわ、徳井優、杉村暁、樋渡真司、しのへけい子
夏未エレナ、桑原成吾、丸山隼、田中明、東秀暢、秋田久美子
武川修造、堀川英樹、中山義郎、軽部真一

http://wwwz.fujitv.co.jp/gabai/index2.html

漫才コンビB&Bでお馴染みの島田洋七の小学から中学卒業までの
8年間を描いたドラマ。
広島の母親の元を離れて、遠い佐賀の地のおばあちゃんに
預けられて育てられた彼の自叙伝。

近年色々と脚光を浴びている佐賀県が舞台。
実は私の父親も佐賀の出身だったりするので、父親と共に
ドラマを鑑賞しました。

まず驚くのが島田洋七が野球推薦を受けるほど運動が出来ると
いう事実。ウィキペディアなどで調べると実際には2ヶ月で
高校を中退したとの事だが、あの体型からは想像できない
名門校からの推薦。
その後佐賀に戻り、デパート勤めの現在の妻と出会い駆け落ち
したそうだが、その後もあまりの想像を絶する波乱な人生ゆえ、
このドラマの続きを制作しても十分に興味深いドラマになると思う。

ドラマは戦後・昭和の物質的に貧しい時代でもある中、金はなく
ても心は豊かな人たちの人間模様を実直に描いた作品で、実に
好感のもてる内容だった。
特によく描かれていたのは、先生役の小日向文世。
教え子の自尊心を傷つけないようにしながらも、最大限の
支援を送るとても良い先生像だった。

人生の根幹となる幼少期に数多くのしっかりとした人生観や
人生哲学を学び取ったゆえに、その後の人生に於いてもう少し
その教訓を活かした安定して落ち着いた人生を送るものかと
思えば、実際にはこのドラマ後の彼の人生の方が乱高下が激しく、
人生劇場化しているところに驚く。
この辺の壮絶な彼のバイオグラフィーはウィキペディアにも
乗っているので、是非このドラマを鑑賞した人は一読されたし。

母親から約束をすっぽかされても腐らず成長出来た事は、やはり
このがばいばあちゃんに依るところが大きい事が、色んな
エピソードで知ることができる。
母親も子供を手放す悲しさと子供に対する愛情の深さが、マラ
ソン大会での感動の再会の場面で上手く演出され、とても感動
的なシーンの一つだった。

このドラマのがばいばあちゃんのキャラクターの良さが出て
いたところは、自らが貧しい家庭で有るのにも関わらず
腹を空かせている泥棒におにぎりを渡したり、普段は究極の
節約術を発揮しているにも関わらず、使い処ではきっちりと
大盤振る舞いしているところだろうか。

貧乏は先祖代々のもので有り、ケチさを否定し倹約との違い
を現した上手いシーンだった。

また初恋にも触れていたが、相手役を演じていたのは夏未エレナ。
とても切ない別れ方では有るが、このドラマではどうしても
別れ時には唐突感が有ったのが唯一残念なところ。

ドラマの時代背景からすると屋根にソーラーパネルが有ったり
するのはやや可笑しいことだが、極力近代文明を排除し、時代
の帳尻合わせを行う作りになっていた所は、スタッフの苦労が
伺えるようで、素直に拍手を送りたい。

それにしても泉ピン子はまさに適役だった。
この役の為に生まれてきたと思うくらいハマり役。

出来れば次は月9辺りで放送してくれると嬉しい。

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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