最後の晩餐 〜刑事・遠野一行と七人の容疑者〜
(2011年5月14日・テレビ朝日)

脚本:井上由美子
音楽:江口貴勅
プロデューサー:黒田徹也、清水真由美
監督:秋山 純(テレビ朝日)




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イタリアンレストラン"オステリア・ダ・ヴィンチ"の開店日。
ダヴィッチの名画・最後の晩餐が店内に飾られている店に、
9人の客がやってくる。
カウンターには6人の客が座る。
後に店は爆発炎上する。

この日、
遠野奈津美の誕生日だった。
レストランで祝うことになっているが、刑事で夫の
遠野一行
この日も遅れる。妻に謝罪するが、誕生日の約束が一度も守ら
れたことが無いとしてご立腹の妻。機嫌を取り直して乾杯する
もその直後に電話が鳴り、一行は現場へ急行してしまう。

爆発炎上した店の現場は騒然としており、被害者は救急車で
運ばれる。店に客としてきていた
大原早苗伊藤晃生は既に
死亡。
西南病院に運ばれたのは、意識不明の重体患者・福原みちる
オーナーシェフで30歳の
八木沢鷹彦。そして身元不明の40代の
男と20代の男女だった。
不思議なことにそれ以外の人物は、現場から既に立ち去って
いたのである。

すぐに
東芝浦イタリアンレストラン放火事件として所轄の
警察署
に捜査本部が立ち上げられ、事件に関する詳細が報告
される。遠野は現場で20本近いナイフが落ちていたことから、
当日イタリア料理店には9人以上の客が居た可能性が有ることを
告げる。

その頃警察署の前には、
三条大作が署内に入るべきかどうか
で悩んでいた。そんな男に声を掛けるのは府中で警察学校の
校長をしている
内堀清二郎だった。しかし三条は署内に入る
事無く立ち去ってしまう。三条は
"神は許さない、生きる資格が
無い"
と呟く。

遠野と新人刑事・
高村圭太は、病院に入院している八木沢から
話を聞きに行く。火災は開店一時間後に起きたとし、自分は
その時厨房にいて、客の悲鳴が聞こえたという。金銭的トラブ
ルや人間関係に於けるトラブルは決してなかった事を告げる。
遠野は当日何人の客が居たのか?と問うと確か9名だという。
被害者の三人以外の身元が分かっていない事を告げると、
彼は予約したときに名前を控えてあるとして、手帳を見せる。

現場にいたのは、
大原早苗、伊藤晃生、福原みちる。
河合弘、立松俊太、島村ひとみ、横手信吾、富永麗子、三条大作
との事だった。店に従業員は居ないという。
遠野は、店の内装を誉めると共に、店のシャッターが30cmほど
不自然に下がっていた事を尋ねるが原因は分からないと言われ
る。夢を奪った奴に罰を与えてくれと八木沢は告げる。

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イタリアンレストランで放火が起きる。
不自然なことに当日居合わせた人物は、身を隠すようにして
その場から立ち去ってしまう。果たして犯人はこの店に
来客していた人なのか。

キャストがWOWOWで放送していたパンドラと似ているなと
思っていたら、このドラマを担当しているのが井上由美子さん
なのね。エンディング曲の選定とか完全に井上さんワールド。

このドラマの放送した日に、NHKはチャレンジドを放送
していたし、日テレは高校生レストラン。フジは
世にも奇妙な物語21世紀21年目の特別編を放送して
いたという事で、レコーダーを複数台持っていないと視聴
するのが困難な感じだった。

ドラマは、正直スルーしようかと思っていたのだけど、7月期
の連ドラとしてクレジットされている事もあって、このドラマ
を見ないことには始まらないかなと思い見てみた。
まぁ連ドラ版が始まる前に再放送するであろうからその時に
見ても良かったんだけどね。

ドラマとしては良くある感じの、恋人を殺された事に対する
恨み・復讐を果たすというもの。
それをキリストが処刑された前日の絵とされる最後の晩餐に
ちなんでその場がセッティングされる辺りは面白くできて
いる。

各々のキャラクターに何らかの事情を抱えているであろう事
も伺え、そんな心の隙間に入り込んでくるとする犯人の狡猾さ
はそれなりに面白い物がある。

もの凄いオールキャストドラマで注目に値するものがあるけ
れど、逆に言うと全てに於いて手堅すぎて面白みに欠ける所
があった。

犯人が9人の客を恨む動機があまりに弱く、それを言い出すと
切りがない程に人を集めなければならなくなるのではないか。
一人でやるには正直色んな意味で無理な話であり、強迫に
よっておびき出されてくる辺りも、少々説得力がない。
普通はいたずらだと思うだろうし、せめて罪を犯したとする
物証が有れば良かったんだけどね。

似たような復讐劇として菅野美穂さん主演のギルティとか面白い
ものが有ったけど、流石に2時間半のドラマと比較するのは
無理があるかな。
連ドラを予期して、三浦春馬くんや池松壮亮くんが登場。
ARATAさんと斉藤由貴さんの逃走劇も連ドラでは、大きく関わ
っていきそうだ。

回想シーンに於ける映像の作り方は上手かったね。
ガラスに写る東京タワーの映像とかとても綺麗だった。

遠野一行 …… 佐藤浩市 (警視庁捜査一課の専任取調官)
八木沢鷹彦 …… 成宮寛貴 ("オステリア・ダ・ヴィンチ"シェフ)
島村ひとみ …… 安達祐実 (28歳、松葉台病院産婦人科看護師)
立松俊太 …… 本郷奏多 (23歳、東都大工学部4年)
高村圭太 …… 柄本佑 (警視庁捜査一課の刑事)
三条大作 …… 西田敏行 (63歳、2004年妻殺害で8年服役)
河合弘 …… 石黒賢 (44歳、ジャパンテレビ報道部)
横手信吾 …… 中尾彬 (68歳、政治家"あおぞら連合")
富永麗子 …… 黒木瞳 (家電量販店(株)リミットCEO)
内堀清二郎 …… 橋爪功 (警視庁警察学校の校長)

遠野奈津美 …… 斉藤由貴 (一行の妻、元安西の恋人・看護師)
安西雄哉 …… ARATA (10年前の事件で逮捕・服役)
杉崎孝夫 …… 六角精児 (警視庁捜査一課の課長)
中森有里香 …… 佐藤めぐみ (コンピュータ会社OL、八木沢婚約)
関口学 …… 川野直輝 (有里香を殺害、内定取り消し)
福原みちる …… 松山愛里 (重傷、後に死亡)
大原早苗 …… 歌川椎子 (45歳、専業主婦)
伊藤晃生 …… 西村清孝 (36歳、システムエンジニア)

大鷹明良、青山勝、目黒邑、古澤蓮
芹沢礼多、高嶋寛、村上かず、高間智子、江見啓志、山本直輝
石村みみ、松林栄一、たんぽぽおさむ、村島リョウ
菊口富雅、松山尚子、大友七菜、マギー直樹
野村真季(アナ)、小松靖(アナ)


宮田英二 …… 三浦春馬 (警察学校に入る??)
湯原修太 …… 池松壮亮  (警察学校に入る??)


評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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