ドラマ特別企画

さよならが言えなくて〜なぜ、覚せい剤にハマるのか?
薬物依存症の少女とその母親、そして夜回り先生との愛と
苦悩の物語!薬物汚染の恐るべき実態を描く衝撃の問題作!!


原作/水谷修、生徒ジュン
脚本/神山由美子
監督/中原俊

http://asahi.co.jp/sayonara/



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幻覚を見る少女・園田奈央。まるで手のオバケに追い掛けられ
る様にして窓から逃げ出す。

一方神江興業に教え子の近藤彰道の為に乗り込む水谷修。
未成年に刺青するのは法律違反だとして、組員から脱退させて
もらうよう交渉する。なんとか示談で解決するが、組長から
自分たちのシマに入ることが有れば次は容赦しないと釘をささ
れる。

水谷修は夜学で生徒達に勉強を教えた後、夜の町へと赴き
若者達が道から逸れるのを防ぐために日夜見回りをしている一人
だった。著書"さらば哀しみの青春"で一躍有名になり、本には
惜しげもなく彼への連絡先を記載し、助けを求める若者たちの
良き理解者として活躍する。

そんな彼の本を読んだ一人・園田奈央は思い切って手紙を書く。
一年半前にコンビニでアルバイトしている時に出会った彼氏の
影響でマリファナから始まった薬物依存は、現在では覚せい剤
へと拡大していったこと。友達は居ないし、元々内気な性格の
彼女は人を信じることが出来ず、水谷の事だけは何故か信じら
れる様な気がして手紙を書いたと告げる。

水谷から返事が来る。自分をきちんと捉えて助けを求める勇気
のある人だと書かれていた。今日から私の生徒であり君ならば
立ち直ることが出来るとして、この日以来文通生活が始まる。

薬物依存とはどんなに強い意志を持っても抜け出せず、専門的
知識の有る指導者の下で長い時を掛ける必要があるという。

それ以来奈央は薬にハマル経緯を語ったり、それを辞める意志が
有ること。そして自分には夢があり水谷のように執筆活動をする
のが夢だと語る。
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ドラマとしてはなかなか面白かった。面白かったという表現
が適切なものかどうかは分からないが、どんなに意志が有って
も薬が辞められない現実は描けていたと思う。

愛情でなんとかなるという生易しいものではなく、依存症に
対する扱い方の難しさを感じさせる。
水谷も扱いの違いを間違い途中から方針を転換していたが、
こういう依存症の人に対処する人ほど、生半可な知識で接する
べきではなく、せめて専門的知識のある人物が近くにいて
適切に導いてくれる人が居ないと無理だなと思う。

ドラマとしては二つのケースを扱った。
どちらも複雑な境遇が存在していて、心の傷を癒す為に薬に
手を出してしまった感じ。人との出会いが人生を狂わせるよう
に、奈央もあの時永島光二に出会った不幸が全てなんだろうね。

水谷修ほど有名な人ならば全国から多数の相談を受けているで
あろうことは想像できるが、一人一人に奈央のように接してい
るのか気になるところ。一人と向き合うだけでも大変なのに、
どれだけの人数を抱えているのだろうか。もう少し体型的に
これらの人々と相談する人物を作っていかない限り、自己の犠牲
の元で成立する関係には限界があると思う。

上手くいったと思えば、何かのきっかけでまたぶり返してしまう。
心の弱さとかそういうものは関係なしに一度打ったら最後なんだ
ろうね。

ドラマとしては完全に導入部という感じで水谷修という人物が
どのような活躍をしているのかを描いただけ有って、治療する
までの足掛かりを描いたものだった。
一度そういった人物に関わると長い旅になり根気強さを感じる
ものになるのだろうね。
奈央は父親の影を追っている感じなので、同じ臭いのする修の
姿にその影をダブらせていたのかも知れないね。

水谷修 …… 寺脇康文 (夜回り先生、湊高校の教師)
園田奈央 …… 谷村美月 (19歳、母子家庭、妹一人)
門倉将一 …… 益岡徹 (リハビリ施設の施設長)
園田良美 …… 片平なぎさ (母、介護士)
永島光二 …… 石田卓也 (トラック運転手、ドラッグを教えた)
近藤彰道 …… 細山田隆人 (長男、極道入りから更正)
近藤陽太 …… 泉沢祐希 (次男、手が不自由)
相田 …… 佐野圭亮 (良美の恋人)
神江興業組長 …… 上田耕一 (ヤクザ)
秋野忠則 …… 大河内浩 (麻薬捜査)

剛たつひこ、内谷正文、大野百花、青柳塁斗、田中登志哉
吉沢眞人、今吉祥子、村永奈緒、針原滋、松田ジョウ
中村玄悟、藤澤信泰、日暮玩具、大和田礼子、杉下絵美
たべひろのぶ、安藤彰則、橋本亜紀、中村寿實、今村和代
木村清志、伊藤慎介、木下正史、堀越富三郎、溝口園枝
仙頭美和子、咲羽靖子、森久ともよ、植田ゆう希、村上悠介
吉川大樹、柴崎一輝、首藤勇星、山瀬翔太、菅野涼斗
吉澤聖哉、小野貴紀、田中宏明、小沼伸吾

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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