土曜プレミアム シバトラ〜さらば童顔刑事スペシャル!
最後の事件はスゴすぎる!! 

脚本/武藤将吾
監督/佐藤祐市
企画/立松嗣章
プロデューサ/稲田秀樹
演出/佐藤祐市

連ドラ版シバトラ】【シバトラドラマSP


「刑務所爆破…仲間との悲しき別れ…容疑者シバトラが逃亡する!
真犯人は警察内部に?予測不能の最終決着」

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美月が仮出所まで一週間。
竹虎はさくらから指導を受け銃の訓練を受けていた。現場では
撃ったことがないという竹虎は、標的の急所になかなか当たら
ない。

そんな中、最近インターネットでヒーロー扱いされている犯罪
者でミリタリーマニアの男達の居場所が分かったとして新庄や
南原と一緒に竹虎は容疑者のアパートを捜索する。ミリタリー
ショップの店員に容疑者のリュックに発信器を仕掛けて貰った
事で居場所が発覚したのだという。
部屋に踏み込むともぬけの殻に思えたが、容疑者は逃走し
改造銃で竹虎たちに発砲してくる。そして車で逃走を図ろうと
するが、竹虎が上手く先回りして車を横転させ、見事検挙する
事が出来た。容疑者の部屋は隠し部屋になっており、無線で
警察の動きを監視していたり、部屋には改造銃や武器で溢れて
いた。

竹虎は南関東少年刑務所に行き、美月と面会する。
自分の検挙率の悪さを彼女に告げ、異動させられそうだと悩み
を吐露する。竹虎は美月の様子を見て、自分と向き合っている
今の君ならばもう大丈夫だと告げる。竹虎と出会ってから2年が
経つことを口にし、早くみんなに"ただいま"と言いたい事を
口にする。美月は例え未来に絶望しても、闇を彷徨っていても
たった一人でも信じてくれる人が居ればやり直せる事が分かった
と告げ、そう思えるようになったのは全て竹虎のお陰であると
感謝する。

さくらは親友の岩崎刑事と逢う。
岩崎が目を付けているのは竹虎で、さくらから射撃訓練の結果
を知らされると、彼は殺さず捕まえようとしている為にこういう
結果になることを告げる。奴の父親がそうだったという。
岩崎はますます竹虎の事をチームに迎えたいとして、今度計画
している少年犯罪特殊捜査班に加えたい旨を語る。発足するのに
実に5年の歳月を要した組織だという。自分で説得してみれば
どうか?とさくらから彼の電話番号を聞き出し、電話する。
竹虎は少年刑務所に居たが、電話で岩崎と会話中に後の刑務所
で爆発事件が起こる。
美月は爆発によって鉄骨が体を貫き瀕死の状態だった。

すぐに捜査本部が設置される。
刑事の内海や香川は、爆発は二階の刑務官用のトイレの天井だ
った事を告げ、液体爆弾がしようされたと報告。死者は13名、
重傷者は32名に及ぶという。
そんな中、会議中に居眠りをしていた桐野弥生。岩崎から指摘
されると決して寝ていない事を告げ、恐らく脱走した受刑者が
犯人で、一週間前の二号棟解体工事の際に爆発物を手に入れた
事。17号室だけは扉だけが爆発されているという。
17号室のトイレが故障しており、受刑者は刑務官用のトイレを
使っていたことから爆発物を仕掛ける事が出来たのではないか
と告げる。
今回は地理に詳しいみなみ署と県警が手を組んで捜査する事を
告げられる。

弥生は竹虎と組むことになる。
弥生は童顔刑事を病院で拾うと、直ぐに脱走社の一人・倉田
孝弘を捕まえるという。タレコミが有ったとの事。彼はイジメ
に逢い、数年前に虐めた2人を殺害した罪で捕まったが、今回
の脱獄によって残りの一名を殺害しに行った事を知る。
竹虎は倉田に対して積極的にケアしてきただけに、やりきれない
思いだった。直接彼を逮捕すると人は簡単には変わらないと
言われ失望する。

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少年刑務所で爆発事件が起こる。
脱獄した受刑者の中に犯人が居るのではないかとして調べて
いくと、警察の調書ファイルが作為的にいじられている事が
発覚。更に6名の逃走犯だけかと思えば、7人目に居ることが
分かり、警察の捜査を混乱させていく。果たして犯人は誰なのか。

なかなか実情が知らされることのない少年犯罪者について描か
れるドラマのスペシャル版。
竹虎たちの仲間であり家族である美月が仮出所まで一週間を
切った時点で起こった事件。

回を追う毎にドラマとしての完成度は高くなっている気がする。
連ドラ版は安っぽかったし、SP版になってようやく原作の漫画
っぽさを排除してドラマらしく描かれ始めたといった所だろうか。
連ドラ版に有った竹虎の特殊能力が排除され、美月の周りに
死の宣告らしい影が見えなかった辺りは、この傾向が強くなった
表れかも知れない。

少年犯罪に於ける法的な罪の軽さと、不条理にも少年によって
殺された遺族の癒えない傷跡が新たな犯罪を生んでしまうという
切ない復讐の連鎖を描いたモノ。

竹虎の主張には、ドラマ版時代から特有の"人間臭さ"が有り、
それが逆に現実離れした理想論のようにも聞こえる所が有った
けれど、今回は竹虎の掲げるそんな信条にも限界が有るのでは
ないかと思わせる造りだった。

被害者が突然加害者に転嫁した訳だが、そこには人間のエゴが
存在し、自分たちの目的のために新たに自分たちと同じような
人物を増やしているだけの行動だという事に気がつかない所が
切ない。

メインだった美月の死と、さくらが事件に一枚絡んでいるので
はないかとするミスリード加減が絶妙で、竹虎の主張に今回
ばかりは家族を失った小次郎たちが一度は心が離れるという
シーンを描き、竹虎自身にも信条に揺らぎを持たせた。
美月の言葉によって支えられる竹虎が暴走した訳だけど、
ちょっとやり過ぎだと思いつつも、竹虎が暴走して連れ出さな
ければ、岩崎の計画はどうなっていたのか気になる所で有る。

桐野弥生の登場は新たなシリーズ化への布石なのだろうか?


柴田竹虎 …… 小池徹平 (生活安全課)
宝生美月 …… 大後寿々花 (南関東少年刑務所)
白豚 …… 塚地武雅 (ハッカー)
千葉さくら …… 真矢みき (刑事)
新庄徹 …… 宮川大輔 (生活安全課)
鮎川環 …… 南明奈 (交通課)
南原貫太郎 …… 内田滋 (生活安全課)
宮城芽衣 …… 近野成美 (交通課)
真鍋夕菜 …… 松田珠希 (交通課)
藤木小次郎 …… 藤木直人 (古着屋)
宇崎亨 …… 聡太郎 (ヘルタースケルターのヘッド)

【元本牧高校 生徒】
河東学人 …… 大東俊介
楠木裕二 …… 川野直輝
武良広海 …… 鈴木亮平
町田リカ …… 末永遥
毛利文明 …… 倉貫匡弘
金沢岳 …… 三浦涼介

岩崎 …… 加藤雅也
桐野弥生 …… 加藤あい
五十嵐幻人 …… 溝端淳平
内海 …… 土屋裕一 (刑事)
香川 …… 永山たかし (刑事)
小久保 …… 佐伯新 (刑事)

芳美 …… 中込佐知子
山谷 …… きたろう
岸田 …… 鈴木省吾
桃子 …… 芳賀優里亜
倉田孝弘 …… 山田ジルソン

住田隆、篠田光亮
足立理、出合正幸、加藤綾子(アナ)、佐藤太三夫
澤山薫、柏進、武井秀哲、七枝実、神木優、恵有一、金原泰成
佐藤和津恵、市川欣希、青山絵美、篠川桃音、小林颯佑
三上哲、岩佐さおり、佐藤翔、宮脇友輔


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