新・ミナミの帝王 

脚本:宅間孝行
監督:白木啓一郎
プロデューサ:佐野拓水、神山明子
演出:白木啓一郎

http://www.fujitv.co.jp/b_hp/100921minami/index.html
http://ktv.jp/minami/index.html


「伝説のロングセラーが今夜テレビで復活!“世の中カネや!!”」
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大阪ミナミの繁華街。
"ミナミの鬼"と呼ばれる萬田銀次郎は、春日から電話があり
一本用立てできないか?と頼まれる。
フリーターの坂上竜一は、銀次郎が横を通り過ぎると並々なら
ぬオーラを感じる。先輩に尋ねると、あの人は有名な金貸し
だという。竜一は彼にどうしても付いていきたくなり、尾行す
る。

銀次郎が入っていくのは、違法カジノ店だった。
春日に対して1千万円を用立てる。利息はトイチ、つまり十日
で一割の利息が発生するもの。春日は明日にでも返すという。
しかし何で鬼と呼ばれているのか?
その時カジノの客で銀次郎から700万円を借りている吉岡という
男が居た。銀次郎は彼に声を掛け返済を求める。しかし吉岡は
無いものは無いと開き直り始め、煮るなり焼くなり好きにしろ
と告げる。銀次郎は借りたものはきっちりと返す事は小学生でも
知っている事だとして、腎臓を売れば300万になるし角膜を売れ
ば100万になるとして、返済を求める。そんな中、奥から吉岡
の知り合いだという風神会の桐生がやってくる。彼は俺の連れ
だとして、お前は調子こいているなと告げ、凄みを利かせてくる。
しかし銀次郎は一歩も引くことなく、オレも金で商売している
として舐められたら商売あがったりだとして、吉岡を逃がそう
としない。桐生は懐から銃を取り出すも、銀次郎は一切怯む
事はない。そんな中、沢木の親分と呼ばれる裏社会のドンが
現れる。銀次郎は沢木とも知り合いだった。桐生が銃を出して
居ることを知ると、彼を殴りつけ、これで堪忍してやってくれ
と告げる。しかし銀次郎は堪忍できないとして、誰からでも
きっちり返済してもらうという。吉岡がダメならば連れの桐生に
払って貰うという。それでも返済がダメならば沢木に払っても
らうという銀次郎。ワシの顔に免じると言ったからには当然だ
という。それを聞いて、沢木もお前はいつも命を貼っているな
と銀次郎に告げ、だからこそ信用できると告げる。

大東京銀行難波支店では、朝倉支店長が朝の朝礼の時に、
営業成績の出ない今宮の事を叱り飛ばす。全く営業成績のない
彼にサボっていたのではないか?として、死んで保険金でも
収めろと告げる。あまりの言い草に今宮も落ち込み、交差点を
走る車に飛び込もうとしていた所、マスターによって声を掛け
られる。

一方銀次郎の元には竜一が舎弟にして欲しいと頼みに来る。
すると銀次郎はそれならば幾ら支払うのか?と逆に問い詰める。
金の儲け方を教えるのならば当然のことだという。
そんな中、マスターの店にいた今宮は、目の前にいるのが小学
時代の同級生の銀次郎だと知り声を掛ける。しかし銀次郎は
人違いだとして出て行ってしまう。

銀次郎は今宮に対して、腕試しのため、春田の元に行き、利子
の100万円を回収してくるよう告げる。

一方今宮は銀次郎とは仲が良かったのに他人の振りをされた事
にショックを受けていた。マスターは、アイツは過去を捨てた
為、付き合うならば他人として改めて付き合うしかないという。
今宮はマスターに預金口座を作って貰うよう頼む。

帰社する今宮は、佐藤運送の社長の件で呼び出される。
投資信託の件で、今宮は社長に今は手を出さない方が良いと助言
していた事を朝倉から責められる。朝倉はなんとか言いくるめて
契約を取ったと言うが、今宮は損すると分かって契約を取るのは
ヤクザのすることと一緒だとして反発する。嫌ならば辞めろと
言われ、今宮は屋上で辞めるべきか苦悩する。そんな彼の元に
平原咲子が声を掛ける。顧客に投資信託を勧めなかった今宮に
感動したという彼女。貴方は間違っていないと告げ、今夜一緒に
食事をしないかと誘われるのだった。

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ミナミの鬼と呼ばれる銀次郎。
要求が有れば24時間誰にでも金を貸すが、利子はトイチで、
一度貸したら返して貰うまでトコトンまで追いつめる男。
そんな彼の過去を知る同級生との再会があり、彼から金儲けの
方法を教えて欲しいと言われて教えると、見事会社での信用も
取り戻していくのだが、実際には上司・朝倉にはある企みが
有った。その企みに乗せられた今宮は、責任を追及されついに
自殺してしまう。

単発もののドラマで時間制限がある割には、なかなか見応えの
有る内容だった。
ただ正直、時間を掛けて築くべき信頼関係に於いて、短時間で
それを処理している為に、巨額の投資の話を持ちかけられたり
突然胡散臭い人物から話を持ちかけられて、それを信じてしまう
という辺りは少々リアルさには欠けるものだった。

金を稼ぐには非情なまでの取り立てが必要で、一見すると冷血
漢な人物だが、実は心の中に熱いハートを持っている事が
描かれた話だった。

こういう話しの中でも、やっぱり人脈の必要性を訴えるもので
そこには金以外の信頼感というものが必ず必要になってくると
思う。
ドラマでは弔い合戦のために、銀次郎が起こす詐欺行為には
多数の人間が関わっていること。そしてそれら計画を最後まで
履行し、決して裏切らないとする確信が必要なものだった。

不法行為に使用することが分かりつつ金を貸す行為に関して、
必ずしも返済の義務が無いとするちょっとしたミニ知識を
ドラマの中に取り入れた。
自らその行為で損失を負った銀次郎が、同様の手口でやり返す
所など面白いものではあるが、流石に親友を裏切るバーのマス
ターの存在は有り得ないと思った。

どうしても違法な金貸しというとヤクザ絡みの臭いがしてくる
ものだが、ヤクザさえも凌駕するほどの決意を以て金貸しを
している所が面白いのだろうね。


萬田銀次郎 …… 千原ジュニア ("ミナミの鬼"、萬田金融)
マスター …… 大杉漣 (喫茶"シャタン"のマスター)
坂上竜一 …… 大東俊介 (フリーター、銀次郎の舎弟)
伊賀さつき …… 萬田久子 (伊賀不動産社長)
沢木組長 …… 赤井英和 (裏社会のドン)
平原咲子 …… 白石美帆 (大東京銀行難波支店)
朝倉順一 …… 西村雅彦 (大東京銀行難波支店長)
今宮伸治 …… 内田滋 (大東京銀行難波支店)
桐生 …… 橋本さとし (風神会)
春田 …… 山内圭哉 (1000万円を金を借りる)
今野 …… 川下大洋 (春田の幼馴染み、バーの主人)
麗子 …… 中村ゆり (ホステス)
吉岡 …… 板東英二 (700万の借金)

袴田裕幸、尾花かんじ、山内健嗣、古井榮一、かみじょうたけし
元祖おかもと、Mr.Shin、尾島昴太、五王四郎、太田浩介
岡安譲(アナ)、山本悠美子(アナ)、杉森大祐

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)


千原ジュニア主演で「ミナミの帝王」復活

人気漫画が原作で、Vシネマも大ヒットした「ミナミの帝王」シリーズが、3年ぶりにフジテレビ系スペシャルドラマ「新・ミナミの帝王」(9月21日放送、後10・0)として復活することが30日、分かった。主人公・萬田銀次郎役にはタレント、千原ジュニア(36)を抜てき。「頑張って(貸した金を)取り立てます」と気合を入れ、2代目銀次郎で新たなシリーズ化を狙う。

1992年から「週刊漫画ゴラク」に連載中の「ミナミの帝王」(原作・天王寺大、作画・郷力也)のコミックは、現在103巻。映画、Vシネマは計64作品にもなるヒットシリーズ。

  主人公、銀次郎はミナミでトイチ(金利が10日で1割)の高利貸「萬田金融」を営み、「逃げれば地獄まで取り立てに行く」がモットー。周囲から「ミナミの 鬼」と恐れられるが、義理人情に厚い一面も。千原は「出演依頼がきたときは、恐れ多くてお断りしようと思いました」と振り返る。

 これまで製作された映画やVシネマでは、俳優の竹内力(46)が派手なスーツにドスの効いたしゃべり、コテコテのヤクザ風イメージで好演。だが3年ぶりに登場する2代目は、かなりイメージが代わる。

  千原銀次郎は上等なスーツに身を包み、大きなジュラルミンケースを手にミナミの街を歩く。スタイリッシュで知的、おしゃれな女性受けするキャラクターに変 身する。千原は「今までのミナミの帝王とはかなり違いますが、頑張って取り立てますので、よろしくお願いいたします」と“上等”なコメントを寄せた。

  銀次郎の舎弟役で、6月にバイク事故で足を骨折した俳優、大東俊介(24)が復帰後初ドラマとして出演。「ジュニアさんの作るまったく新しい銀次郎が楽し み。原作と同じように愛される作品になるよう頑張ります」と意気込んでいる。収録で2人は息の合った熱演を見せており、原作同様の長期シリーズ化も期待で きそう。

 ほかに大杉漣(58)、萬田久子(52)、白石美帆(32)、西村雅彦(49)、赤井英和(51)らが出演。千原は「すごい俳優さんばかりで、緊張しますね」と言いながらも、“ニュー銀次郎”に全力投球中だ。


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