春雷の目撃者
(1990年3月5日テレビ東京放送)

原作:萩尾望都
脚本:矢代彩子
監督:中村金太
プロデューサー:橋本かおり、細谷妙子


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朝目覚ましの音で目が覚める藤井りかは16歳の高校生。

宮本はいつものように振り子時計のネジを朝から巻く。
家には小説家のトウジョウが泊まっていた。りかはトウジョウ
に小説は書き上がったのか尋ねると、最後の殺しのトリックが
思い浮かばないという。

朝から美容師をしている優子がやってくる。この家で働いてい
る宮本の娘。淑恵から今夜、弟の俊幸がやってくるので、優子
も一緒にディナーを取らないかと誘う。

りかは学校に行き、帰り道に叔父の俊幸が宮本と公園で言い争
いをしているのを目撃。家に帰宅する頃には、バイクに乗った
俊幸が家に来ていた。人形お土産に持ってくる彼。もう16歳に
なったのに未だに人形とは子供扱いしていると怒るりか。しかし
以前にペアウォッチを貰ったでしょうと母の淑恵に諭される。

りかは部屋に戻り大好きな俊幸の為に着飾って、一緒にディナー
を取る。ワインを薦められてご機嫌のりか。トウジョウも
食卓にやってきてみんなで食事になる。
りかは上達したというチェロを演奏すると、俊幸もピアノを弾き
一緒にコラボする。

一方お手伝いの宮本とすみ子は裏で一緒に食事をしながら
優子が今日家に来たことを告げる。恐らく俊幸が来ることを
知って家に来たのではないかと宮本に告げると、彼は激怒する。
すみ子は優子が傷付く前にお腹の中の子は堕ろした方が良いの
ではないかと告げる。お腹の中の子は俊幸の子だった。

深夜、一家が寝静まる頃、踊り場で物音が聞こえたのを知り
りかは起きて様子を見に行く。すると外では雷が吹き荒れる中
宮本が血を流して倒れており、傍には俊幸が居るのを見る。
りかは倒れた宮本を覗くと、手には俊幸の時計を持っていた。
りかとはペアウォッチの時計。

翌日一家が起きてくると宮本が倒れているのを知り救急車を
呼ぶが息絶えていた。手にしていた時計はいつの間にか無く
なっていた。
忙しくしている父・勇一も帰ってくる。恐らく酔って二階から
落ちたのではないかと告げる。振り子時計を見ると時計は事故
の起こった12時に止まっていた。
優子も父の訃報を聞きつけやってくる。すみ子は落ち込む彼女
を励ます。その姿をりかは遠くから見ていた。

学校から帰宅するりかは、俊幸を踊り場で見掛ける。
母は兄さんを送って駅まで行っているという。りかは何か探して
いるのか?と告げる。それはどういう意味かと近づいてくる俊幸。
りかは俊幸の時計が変わっているのを目にする。
部屋に戻って着替えている間に俊幸は居なくなっていた。

すみ子はトウジョウと俊幸と優子の事を話し合う。俊幸は優子
にちょっかいを出し、彼女から金を引き出していたこと。
更に彼が優子を妊娠させた事を知って宮本は荒れて、あの晩は
珍しく酒を飲んでいたという。それで階段から落ちたのでは
無いかとの事だった。

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懐かしいドラマ

テレビ東京が20年前の古いドラマを放送していたので見てみた。
小川範子さんがまた可愛らしい頃だな。
昔のソフトを放送する番組枠が有っても良いと思うんだよね。
権利の関係で難しいのかな。

りかは母親の弟に恋をする

憧れみたいなものなのかもしれないけど、一歩間違えば近親者
の恋愛みたいな雰囲気があるな。

遺体が手にしていた時計

冷静に考えると、時計など容易に腕から外れるわけはない。

俊幸の時計を何故振り子時計の裏に隠しておいたのだろうか。

谷啓演じる小説家・トウジョウの役割は??

この人がミステリー作家という事で、事件を究明していくのかと
思ったけど、別に何をすることもなく存在していたという
感じがする。

りかは子供から大人になる途中

俊幸の恋人・陽子の店に行ってプレッシャーをかける所が勝ち
気な彼女の性格を表していたけど、殺人を犯している男性に
肩入れするほど好きだったのかな。
最後に襲われる所は、ホラー映画風味の味付けだけど、子供が
大人の恋にはまろうとする事への警鐘が刷り込まれていたのか
な。

飛び降りた俊幸

これって自殺したって事なのか。二階から飛び降りて正直骨折
が良いところだろうね。なんか格好良く立ち去ったので、自殺
ではなく単に逃げたのかと思った。


藤井りか …… 小川範子 (16歳高校生)
俊幸 …… 美木良介 (母の弟)
トウジョウ …… 谷啓 (推理小説家)
藤井淑恵 …… 高林由紀子 (主婦)
宮本 …… 宇田比呂也 (お手伝い)
すみ子 …… 山口仁奈子 (お手伝い)
陽子 …… 湯浅けい子 (美容師、俊幸にもて遊ばれる)
藤井勇一 …… 久米勝也 (父・月刊誌の編集長)

鈴木里枝(りかの友人)


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