シスター前編


あなたは真相をつかめるか?新型ラブサスペンス

原作・演出/渋谷未来
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〜the 1st Story〜 IKUMA

踏切に近づき電車に飛び込む女性・小田切祥子。
成瀬生馬はそんな夢で目が覚める。
2009年10月8日。成瀬生馬の部屋にやってくるのは小田切由比。
祥子の妹だった。由比は寝ている生馬にキスする。
夢でうなされていたのを知り、彼をあの場所にに行こうと誘う。
そこは思い出の地の湖だった。

半年前の2009年4月。プラナー国際写真賞を受賞した生馬は
函館に来ていた。
2009年4月6日。彼は記者会見の場で創作活動のために函館を
訪れた事を告げる。しかしそれはウソで彼はあの日以来写真が
撮れず、全ての物が色を失っていた。
生馬の受賞した作品"思い出の場所"は展示されていたが、彼の
近くに飾られていた由比の作品"二人の秘密"という作品が目が
留まる。受賞した作品と同じ場所で撮られた作品だった。
それを見ていると後からこの作品の撮影者・由比から声を掛け
られる。由比から写真に映るのは姉だと言われる。生馬は彼女
に二人の秘密とは君と姉の事なのか?と尋ねる。嫌なことが有る
と二人で良く来ていた場所だという。二人で湖に行き話を
進める。"思い出の場所"の思い出とは何なのか?という由比に
大切な人との思い出だという。由比から私の先生になって欲し
いと言われる。

生馬は祥子と喧嘩したときのことを思い出していた。もう顔も
見たくないとして彼女に出て行けと告げたことだった。

2009年5月。早朝に物音で目が覚める生馬。由比が窓にテニス
ボールを当てていた音だった。何故彼女は自分の住まいを知って
いたのか。それを尋ねるも彼女は無視し、唐突に自分のアルバム
を見せてくる。そこには姉・祥子の写真もあった。
更に玄関のチャイムを鳴らす音が聞こえ出ると、水道漏れが起
こっているとして作業員が点検に来たのである。彼を部屋に入
れて調べて貰うが問題はない。しかしその作業員は突然、生馬
に由比に近づくなと警告する。
訳も分からぬまま、由比の元に行くと彼女は大切な人とは恋人
だった人なのか?と唐突に質問してくる。嫉妬なのか?という生馬
に対して、突然彼女は部屋を飛び出していく。

そんな中、生馬の受賞作品が燃やされるという事件が発生する。
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ドラマとしては前半部の今回は生馬と直太の視線で物語が進行
していく。
映画「レザボア・ドッグス」「パルプ・フィクション」などの
クエンティン・タランティーノ監督の作品を彷彿とさせる様な
作品で、時間軸を区切りそれを巧みに組み替え、時に別の人の
立場から描いて裏の側面を見せるという手法が取り入れられた
ドラマだった。

有る意味では最初の流れでは全編が分からないような構成で
回答編ともなる2ndストーリーを見ると、その時の行動の意味
が知れるという事で、なかなか面白いものだった。

ドラマとしてはやや世界的に有名な成瀬生馬に対して、由比が
簡単に取り入り過ぎる感じはするが、その辺に目を瞑ればかなり
興味深い作品だ。

ドラマとしての核心はズバリ、由比が生馬の事に関して何処まで
知っているのかと言うこと。彼が姉と付き合っていた事を知って
それでも尚、愛情やら尊敬の心を持っているのかが不安要素と
して存在している。

どんな事で喧嘩したのかとか、次回は祥子の視線で物語が語られ
たりするのかな。

小田切由比 …… 加藤ローサ (大学生)
成瀬生馬 …… 小澤征悦 (有名な写真家)
山田直太 …… 田中圭 (由比の幼馴染み)
小田切祥子 …… 紺野まひる (由比の姉)

猪又武春、永田恵吾、木村祥世、工藤舞、飯塚優、野坂智美
原田恵介

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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