後編 はたらく理由


なかなか努力が実を結ばず、自信を失いかけている水野美紀
の前に更なる悲劇が訪れる。ニートの一人が彼女と面会した
夕方に自殺したという連絡が入る。

まず萩原聖人の父親役がレツゴー三匹のじゅん(逢坂じゅん)
だった事に驚く。今で言うところのダチョウ倶楽部みたいな
コント系のお笑いだった人だが、近年ではソロで活躍している
様だ。
水野美紀の母親役には「デスペラートな妻たち」でリネットの
上司役・ニーナの声優をされていた大西多摩恵がキャスティング
されていた。

前編はニートに対するアプローチの方法で有ったり、
ニートと対峙する彼女たちの関係に視点が注がれていたが、
後編はよりミクロな視点にたち、一人のニートが疑問として
抱いている"働く理由"を求めていくウチに、自分の中の問題点
と合致して、展開の中で深く考察して一つの結論に導いていく
話しだった。

ドラマとして面白いところは、ニートを助ける役目の彼女が
弱点をさらけ出し、自ら仕事をしていく上での疑問点を
自問自答していくところや、逆にニートに励まされていく点は
良かった。

ニートが社会復帰する時の履歴書に書かれる空白の職歴に対する
指摘なども鋭く突っ込まれたが、こういう所一つをとっても
上手く鋭く描かれていると思う。

また人間が社会と接点を持つことの必要性、人間同士が関わり
合う事の否定的な側面と肯定的な側面を上手く提示し、綺麗事
ばかりでない事を描いた所も良かったと思う。

ニートが社会復帰したとしても再び元の場所へと戻る可能性
は否定できず、普通に暮らしている人間であっても、いつ自分が
ニートの身になるのか分からないとする現実的な描き方も
実に上手かった。


guest
逢坂じゅん、大西多摩恵、川村伸彦、川本美由紀、萩原聖人
高橋長英

評価：★★★★★★★★☆☆ (8.0)