4夜連続ドラマ“卒うた”(4) 「卒業写真」

脚本/徳永友一
プロデューサー/三竿玲子
演出/松山博昭

http://wwwz.fujitv.co.jp/sotsuuta/index.html


--------------------------------------------------------
立花仁美は出社するとラジオのパーソナリティから卒業を言い
渡される。バラエティ番組でのレギュラーを獲得したという。
しかし仁美が東京に来た目的はラジオ番組を受け持つのが夢
だった。それを拒むと事務所のマネージャー・下村からお前を
育てるのに幾ら掛かっていると思っているのかとして我が儘を
言える立場でないことを告げる。
一年間勤めてきたラジオ番組も次回が最後だとリスナーに告げ
る。彼女の後任として先輩の真奈美がパーソナリティをやる事
になる。

仁美の元に美里高校の同窓会の知らせが届く。卒業アルバムを
見て涙する彼女。

仁美は翌日会社に無断で休み実家の有った美里に戻ることにな
る。
親友だった青木米店に立ち寄ると店には誰も居なかった。
書き置きをして川辺で待っていると、同級生で親友だった青木
剛史が飛んでくる。いつも彼女は剛史の事を"弱し"と言って
からかっていた。完全に名前負けだと告げる彼女。
殆ど同級生はこの町から出て行き、同窓会に出席するのも20人
も居ないだろうとの事。結婚している人たちが唯一残っている
らしい。同窓会は明日なのに何故帰郷したのか尋ねると、ゴー
ルデンのレギュラーを獲得しこれから忙しくなる為だという。
地元では仁美はすっかり有名人であることを告げる。
剛史は仁美が東京に出てすっかり雰囲気が変わった事を実感
する。逆に仁美は剛史の事を全然変わって居らず相変わらず
いけてないと告げる。

二人は神社へと足を運びお祈り。
その姿を見て剛史は仁美に何かあったのかと尋ねる。いっぱい
あるけど知らなくて良いという。その姿を見て嫌なことが有った
んだねと語ると、もっと他に気の利いた言葉は無いのかと注文
を付ける。しかし仁美がどれだけ辛いのか分からないのにいい
加減な事は言えないと告げる。

青木家で食事をする。
仁美は東京に出る際に家族も一緒に東京に引っ越したために、
この場所に頼るべき人は居なかった。泊まっていってと言われて
快く了承する。剛史の母・初子は同じ学校に通っていたのに
息子とは随分差がついたと嘆く。初子からこの店が来月で閉店
することを知って、仁美は剛史に憤怒する。
変わらないもの、変わって欲しくないものは有る。アンタはここ
を守って欲しいと。
--------------------------------------------------------

仁美はなんとか夢のために東京で頑張ろうとするものの、求めて
いるものでは無い仕事ばかりが舞い込み、人間関係にも悩んで
いた。周りの変化に対応できない彼女は田舎へと足を向ける。

今回の主人公・立花仁美の悩みというものがイマイチ分かりづ
らく、生半可な感じがしてくるところはご愛敬なのか。

自分の帰郷すべき田舎を守らせるために剛史を使うところが我が
儘というか、一人の男性をいつまでも縛りつけるつもりなのか
という違和感は存在する。

遠回りする人へのメッセージ性は上手く描かれているし、
人生に疲れたときに原点に立ち戻るべき居場所が有る事への
幸福感を感じるもので、娘が東京に出ると同時に家族共々引っ
越してしまった仁美にとっては、田舎に於ける居場所が限られて
いるところは少々気の毒に感じる。

田舎の風景はとても綺麗な物で心が洗われるだけの魅力が有った
な。また東京にいる仁美の心の寂しさを描くために雪の降る町を
上手く挿入する辺りは効果的だった。何処で撮影したのだろうか。


さて4夜連続のドラマだったけど、個人的には

1) -> 3) -> 2) -> 4) の順番で面白かった。

青木剛史 …… 増田貴久
青木初子 …… 歌川椎子
木口真奈美 …… 原史奈
役場の男性 …… 九太朗
下村陽一 …… 安田顕
ラジオ局AD …… ムロツヨシ
プロデューサー …… 日比大介
立花仁美 …… 長澤まさみ


評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

inserted by FC2 system