すみれの花咲く頃

脚本/鄭義信
出演/多部未華子、濱田岳、柄本時生、秋野暢子、宇梶剛士
絵沢萌子、あき竹城、笑福亭松之助、風花舞、猫田直
江口のりこ、野々すみ花、白姫あかり、長谷川紀久恵
河原田ヤスケ、渋谷謙人、途中慎吾、こばやしまり
立花彩野、阿部拡明、脇田絵美、高橋亜弓、大澤恭子
丸山紗知江

http://www.nhk.or.jp/drama/sumire/

彼女は宝塚に入団する事を夢見て日夜踊りの稽古をしていた。
彼女の名は遠藤君子・17歳。

ドラマは訴えかけるものが散漫としており、テーマとして何が
存在しているのか実に難しい内容だった。
家族愛や郷土愛を求める物ではなく、友情や夢の大切さを語り
かけるものでもない。

宝塚を目指しているという割に、それを目指すきっかけとなった
事が一向に描かれぬままドラマは進行していき、何故宝塚なのか
が発覚し出す頃から、いよいよドラマでは本題に入っていくと
いう寸法だ。

なんとも腰砕けになったのが夢と現実が錯乱しているような
少女の求めているもの。
決して彼女の夢ではないものを夢だと思いこみ、離れて暮らす
父親との関係に現状脱出の糸口を見いだそうとしている。

今有るものを全て放棄してまで求める物には価値があるべき
物なのか。
その発想と行動力は大胆では有るのだが、考え方が幼く、
そう簡単に現実からは逃げられない事をもっとインパクト有る
展開でまとめて欲しかった。

ドラマでは過疎化に悩む街の風景が取り込まれ、老人介護の問題
などもさり気なく盛り込まれている。

それぞれの家庭にはそれ相応の悩みが存在しており、多くの
問題を抱える街の背景には不動の会津磐梯山がそびえ立ち、静か
にその様を見守っている。その風景はとても綺麗に映し出され
ていた。

友人の演劇部の役を演じていた柄本時生は、父親は柄本明、
母親は角替和枝、兄は柄本佑だそうで、そういわれると
似ていた。

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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