金曜プレステージ 東野圭吾スペシャル 探偵倶楽部 企画 - 金井卓也、太田大 プロデューサー - 菅井敦・井上竜太 脚本 - 深沢正樹 演出 - 水谷俊之 監督 - 水谷俊之 http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2010/101012-184.html

「大ヒット原作ドラマ化!名探偵最強コンビ誕生!大物社長突然の失
踪に隠されたセレブ一族の醜い骨肉の争い…消える死体…驚愕密室
トリックを暴け!」

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岸田首相が料亭女将との愛人問題が発覚し、彼女の店に不正
支出をした事を受けて退陣する。次期首相は山口財務大臣が
有力視される。

漆原こずえの元にプライム金融の借金取りが訪れる。大家も
家賃を滞納されているとし、借金取りに協力して部屋の鍵を
開けようとする。それを知ったこずえは窓から逃げ出す。
そんな中、大学教授の石黒直行から電話が鳴る。金に困って
いる彼女に、バイトの面接に言ってみるか?と声をかける。
経歴を知って先方も興味を持ったという。相手は探偵倶楽部
の探偵だという。
早速指定された場所に行く。競馬の予想店の奥の階段を上がっ
て事務所らしき場所を尋ねる。すると二階堂匠が居た。
彼は既にこずえの事を詳細に調べて知っていた。
帝林大法学部、石黒教授の下で実定法を学んでいる大学院生。
生年月日は1984年1月15日、B型で山羊座。社会生活不適合者
で恋人に借金を押しつけられてしまい、どんなアルバイトを
しても長くは続かない人物。
こずえは一芸に秀でている事を訴え、目にした物を瞬時に
記憶できるという術を彼に披露する。
すると二階堂は彼女の前で、こずえがここまでやってくる
までの行動の詳細を推理して語ってみせる。あまりにも正確
に捉えていた為に驚く。探偵は洞察力と推理力だという。

そんな二階堂の元に政治家の山口がやってくる。
見事な働きだったとして大金を置いていく彼は、敵に回らない
事を祈っているという。こずえは、もしかすると首相のスキャ
ンダルや不正を暴いたのは二階堂なのか?と驚きを示す。

こずえは探偵倶楽部とは何なのか尋ねる。
政財界のVIPのみを会員とするメンバー制の調査機関だという。
そんな中、こずえは二階堂から正木家の調査報告書を見せられ
それを覚えろと言われる。そして二階堂と共に正木邸を訪れる。

正木邸では、マサキテクノロジーの社長である正木藤次郎の
喜寿(77歳)の祝いの為のパーティーが開かれていた。
サルサダンサーを呼び大々的なパーティー。司会は藤次郎の
秘書である成田真一が行い、副社長であり娘婿の正木高明から
祝いの挨拶が行われる。17年前に高明は、藤次郎の長女・涼子
と結婚し婿入りしたのである。
スピーチが終わると、友弘から良いスピーチだったと称えられる。
友弘は二番目の妻・文江の子で、会社では専務をしていた。

マサキテクノロジーは独裁政権で同族企業である中、成田は
余程の信頼を受けてその地位に昇りついていたもの。
藤次郎は銀座のママだった島津江里子と関係を持ち、文江とは
離婚調停中だった。
そんな文江がパーティー会場に来たかと思うと、頼まれ物を
届けに来たとして藤次郎に書類を渡す。それは離婚届だった。
成田に手渡すと、明日出してきてくれと指示する藤次郎。
慰謝料は間違いなく口座に振り込む事を告げる。
匠はそれを見届けると、これで帰るという。全ては予定通り
だという彼に、こずえは離婚届を婦人に書かせるのが今回の
仕事で有ったことを知る。

翌日、社長の藤次郎が部屋に鍵をかけたまま出てこない事を
知って鍵屋に来てもらう。壊さないと開けられない鍵だとして
開けてもらうと、中には誰もいなかった。部屋の机の中には
鍵が残されており、しかも部屋中の窓の鍵は閉まっていたので
有る。完全な密室の中、社長は何処に行ってしまったのか?
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VIP相手のメンバー制の調査機関である探偵倶楽部。
二階堂匠は見た物を瞬間に記憶出来る漆原こずえと共に、
正木家の事情に深く切れ込んでいく。
社長は一体何処に消えたのか。

最近東野圭吾さん原作のドラマはもの凄く多いね。

イケメン・長身探偵コンビという事でもの凄い華やかさは有っ
たかな。
最近の谷原章介さんは、女性とのバティ関係でキャラクターを
まとめようとしている役柄が実に多いこと。

事件は比較的オーソドックスな構成で、一族の誰かが金目当て
で殺害したであろう事が伺えるものだった。

社長が最初の段階で既に居なかった事。
その為にレコーダーのテープが使われていたことなど、想像
出来る物が有ったが、その後にまたドラマが進展し、視聴者の
想像の裏を突くような興味深い展開になった。

少々砕けた役を演じさせるには松下奈緒さんでは難しいものが
有ったのかもしれない。
谷原章介さん自身が長身だったこともあり、コンビには逆に
身長の小さい人で動き回るバイタリティが有る様な人物が必要
だった気もする。松下奈緒さんの中に知性は見て取れるけれど、
借金取りに追いかけられるという一面は少々説得力がなかった。

金のために人を殺すというのはオーソドックスな動機だが、
社長が亡くなる事で不利な立場になり、亡くなっている事を
隠そうとする流れは面白い部分だ。

結果的に犯行を犯していたのは高明で、それが分かった後に
彼が不振な動きをしていたであろう事をきっちりとドラマの
流れの中で挿入している辺りは説得力が有った。


二階堂匠 …… 谷原章介 (探偵倶楽部)
漆原こずえ …… 松下奈緒 (帝林大法学部・大学院生)
成田真一 …… 葛山信吾 (正木藤次郎の秘書)
島津江里子 …… 伊藤裕子 (藤次郎内縁の妻)
正木友弘 …… 鈴木亮平 (専務　藤治郎長男)
草野麻子 …… 宮地真緒 (正木家家政婦)
黒川みちる …… 矢沢心 (二階堂の元助手)
山口 …… 中丸新将 (財務大臣)
飯島徳子 …… 山口美也子 (正木家婆や)
正木藤次郎 …… 黒部進 (マサキ・テクノロジーの社長)
正木高明 …… 升毅 (副社長藤次郎の娘婿)
正木涼子 …… 床嶋佳子 (高明妻藤次郎の長女)
正木文江 …… 田島令子 (二番目の妻、離婚調停中)
草野麻子 …… 宮地真緒 (正木家の家政婦)
花菱会幹部 …… 伊藤洋三郎 (みちるに復讐)

田口主将、赤星昇一郎、鈴木麻衣花、志賀圭二郎
小柳友貴美、古川智志、豊田孝治、将宗史朗、岩本悠介
加賀谷圭、鋼鐵男、蛭川信博、石黒久也、近藤淳子、佐藤康
若林正、一木美名子、齋藤康弘、DAVID&CHIE

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)