新春ドラマSP トイレの神様  (2011年1月5日・水曜21時・TBS) 原作：植村花菜 脚本：旺季志ずか プロデューサー：八木康夫、竹園元、亀井弘明 演出：竹園元

「天国のおばあちゃんありがとう…家族ってやっぱりいいよね!!いっぱい笑っていっぱい泣いて…今春一番の感動をお届けします」
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兵庫県川西市。1990年頃の植村家。

植村家の母・洋子は朝から子供達を起こすためにフライパンを
使う。
長女・桃子、次女・美緒、三女・花菜、長男・光生の5人家族。
朝ご飯は自分で作るのが決まりで、母は子供達のために弁当を
作る。一つのことに集中すると何も出来なくなる母だった。

植村家の隣には、祖父母が住んでいた。
祖父は魔法瓶の会社の社長。

花菜はひばりが丘小学校に行くと、そこで来週の授業参観の時
に読む、自分の母親についての作文を課題に出される。
花菜は自分の母について、少し変わった人だと思っていた。
夜逃げした老夫婦をバスの中で見つけると、二人を半年近く
家に住ませてあげていた事が有ったりした。

花菜は昼食を食べようとして弁当を出すと、おかずが入って無く
白米が二つの弁当箱に入っていた。入れ忘れたのか?
帰宅すると兄姉たちにもその事実を告げて回る。そして母が
帰宅すると、おかずが入っていなかった事を訴えるが、母は
意図的に入れず、花菜が好き嫌いを言って残すために、有り難
みを感じるまでこの措置を取るのだという。花菜は気を取り直
して来週の参観日には来られるのか?と問うが、ホテルの仕事
が忙しくて無理だという。それを聞いて花菜は母が自分のこと
を嫌いなのではないかと悲しむ。

そんな花菜の事をもっとも可愛がってくれるのは、祖母の和嘉
だった。アイスを持ってきて彼女の悩みを全て聞いてくれる
祖母。自分はこのうちの子ではないのではないか?とする孫に、
私たち足の形が似ているのでそんな事はないと慰める。

参観日。
花菜は母が来ないことを寂しく感じるが、突然母は教室に飛び
込んでくる。あまりにも派手な格好に思わず目を伏せてしまう
花菜。

花菜は家に帰ると、兄姉を喜ばすために、壁にぶつかったフリ
をしてみんなを笑わせようとする。しかし五月蠅いと邪魔者扱
いされ、その事実を母に告げると、姉ちゃんたちの性格を知って
いるのにそんな事をするのが悪いと言われてしまう。
花菜はみんな私のことが嫌いなんだと呟くと、大好きな祖母の
家に行く。
母・兄姉はそんな花菜の姿を見て、ヤな事があるとすぐに祖母
の家に行くのねと呟く。

そんな中、祖父が亡くなる。
食事に誘うが祖母は家から離れようとしない。
兄姉は、祖母と仲が良いのは花菜なのだから、一緒に暮らして
あげればいいと告げる。母もそれに同意したために、花菜は
それ以降祖母の家で暮らすことになる。
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花菜は両親、そして兄姉から嫌われているのか、それとも望ま
れていない子供なのかと悩む中で、隣に住む祖父母との関係に
よって支えられて生きていく。
祖父が亡くなった事をきっかけにして、花菜だけが祖母の元で
暮らすようになると、祖母から色々と人生の教訓を教わり
成長していく。

兄姉もこう多くなると、花菜の扱いもこうなるんだろうなと
思わせるものが有った。
もの凄い母親の放置っぷりが特異な感じだったけど、何処か
納得できる部分もあったりして、興味深い家族だった気がする。

一番驚いたのは、岩下志麻さん。
ボクが幼い頃から岩下志麻さんってこのまんまのお姿。
この人、ホントに年を取らないなぁ。
韓国の年を取らない女性の代表、イ・ヨンエさんなどもそうだ
けど、肌の衰えってそんなに隠せるものなんでしょうか。

芦田愛菜ちゃんを見るだけで、それだけで満足感の有るドラマ
だけど、所々で一家が迷いそうになったり、花菜自身が悩んで
いるところに、祖母が良い言葉を投げかけたりして、母子家庭
である植村家を上手くサポートしている感じがした。

父の存在が笑えるし、そんな父を見限る辺りの切り替えの早さ
を見れば、花菜も立派に植村家の血を引き継いでいますね。

またクリスマスにあったカメラのプレゼントを巡る攻防。
結局カメラにハマっていくのが誰でもなく長女だという辺り
の妙さ加減も面白かった。

ただ急ぎ足に描いているためか、不自然な形でエピソードが
ぶつ切れになるシーンが多く、最後の回想シーンまで
トイレの神様の歌の挿入が出来ない為なのか、不自然な演出
も多かった感じがする。