土曜プレミアム  「世にも奇妙な物語２１世紀２１年目の特別編」 編成企画：瀧山麻土香、成河広明、水野綾子 音楽：�`島邦明 プロデューサー：小林宙、高丸雅隆 アソシエートプロデューサー：小椋久雄、岩田祐二 http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2011/110428-080.html 【世にも奇妙な物語 全エピソード一覧】

▽ドッキリチューブ・・・恐怖！１億人が見た映像投稿サイト

原作：小林泰三
脚本：正岡謙一郎
監督：石川淳一
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レストランBenny'sで食事を取るカップルに対して、ウェイト
レスの緒方佑子は水を出す。しかし佑子は手荒に水を出すため
に客に水がかかり客は店長を出せと大激怒。裏からサングラス
の大男が二人出てきて、カップル客に何か文句が有るのかと
投げ飛ばす。実はドッキリtubeというインターネット番組の
企画だった。

人は他人の不幸や驚く姿を見て喜ぶ物。全てはインターネット
を通じて無秩序に広がっていく。刺激的であるほど人々は視聴
したがる。
そこに目をつけた真壁洋輔は、GODと呼ばれる、インターネット
配信会社を設立し、ひたすら市民達をドッキリさせて、その
リアクションを配信していた。社員には、緒方佑子、吉田将司
昭島秀樹、中村四郎、田丸義男。先日撮影したドッキリは
4000万アクセスを越えるほどの大人気。社長の真壁は、次こそ
は1億アクセスを越える企画を打ち出せと社員達に迫る。
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ドッキリと称して他人を無分別に驚かし、ドッキリだと名乗る
事で全ての免罪符に成り得る事への皮肉と恐怖を描いた物だった。

他人を利用する流れがいつの間にか自分が利用されているという
辺りの展開は面白い物だし、その辺の切り替えは自然の流れで
移行出来ている。他人への酷い仕打ちがしっぺ返しとなって
身に降りかかる事への面白さと恐怖さが上手く混在している。


真壁洋輔 …… 坂口憲二 (GOD社長)
緒方佑子 …… 野波麻帆 (GOD社員)
吉田将司 …… 草野イニ (GOD社員)
昭島秀樹 …… 弓削智久 (GOD社員)
中村四郎 …… 瀧川英次 (GOD社員)
田丸義男 …… 片岡信和 (GOD社員)
リーダー …… 國本鐘健 (真壁を追いつめる)
騙される人(末広遥、掛川陽子、田野良樹、木川淳一
中谷梨紗、近野衣里)、タクシー運転手(中村哲也)、視聴者
(星耕介、馬場、場番)、受付嬢(蒼あんな・れいな)

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)


▽分身・・・妻が夫を拒む夜 

脚本：渡辺千穂
監督：河毛俊作
原作：唯川恵
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田崎守は、独立して会計事務所を設立。仕事一筋で成功を収め
るも40代になり独身。そこで見合いで出会った志保と結婚する
ことになる。こんな自分と結婚した彼女は本当に幸せなのか。

会社設立10周年の席で、社員の村上恒二、深町景子、須藤正樹
、森里美はささやかな祝いの席を設ける。そこで須藤はメール
に目を通していた。何をしているのか尋ねると、須藤は出会い
系に女性として登録して、男性とメールをやりとりし、適当な
所で退会するという事を繰り返しているという。デリートすれば
全ては無かったことになる世界。

守は帰宅すると、妻の志保がガーデニングサイトを開設し、
メールのやりとりをしている事を知る。志保はもしも知らない
男からメールが届いたらどうするだろうか。守はそんな思いか
ら、暮林英二と名乗り、自らガーデニング好きと称して架空の
人物を作り、志保にメールしていく事になる。
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全く別の人格になりすますことが出来るインターネット／文字
だけの世界。
恋愛ではなく見合いでの結婚故に、出来た妻が本当に自分の事
を好きで居てくれるのか気になり、他人になりすまして近付いて
いく。

メールの世界という事で、有る意味では現実の世界以上に自分
の心の内をさらけ出すことの出来る世界観が背景には存在する
と思う。

メール上で生み出したはずの人格が、ドッペルゲンガーとなって
現在の世界に舞い降りてくる皮肉さを描いた物だった。

ドラえもんのエピソードの中に、野比のび太くんが、利用して
いたはずの影ののび太くんに入れ替わられそうになる話を
思い出すな。

妻の心を知ることの出来る好奇心が上手く守の好奇心をくすぐ
っているし、最終的には自分がメールを何度も送りつける
変質者みたいな扱いになるところなど上手くできているな。


田崎守 …… 大森南朋 (会計事務所設立)
田崎志保 …… 杏 (守の妻、幼い時母を亡くす)
暮林英二 …… 阿部進之介 (守が作り出した架空の男のはずが・・)
村上恒二 …… 施鐘泰 (事務所社員)
深町景子 …… 高橋麻理 (事務所社員)
須藤正樹 …… 津村知与支 (事務所社員)
森里美 …… 田辺愛美 (事務所社員)

評価：★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

▽通算・・・通算１万回泣いた刑事

脚本：ふじきみつ彦
監督：佐藤源太
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あと4日で定年を迎える刑事の山岡武。
この日、部下の西田哲と共に、容疑者・田宮達明のアパート
の前で張り込みしていた。張り込みしている間に、スポーツ誌
に目を通すと、プロ野球選手が通算2000打席に立つ選手を大き
く取り上げているのを目にする。俺たちは何度出勤しても誰も
祝うものなんて居ないのにと、ふてくされる山岡。
翌日出勤する山岡は、突然1万回目の出勤だとして、室内なアナ
ウンスが流れると、通算紳士と通算ガールズと名乗るものたち
が祝いの品を持って山岡の事を歓迎してくれる。恥ずかしいと
いう山岡だが、西田はこれを見たら娘さんも喜ぶのではないか
と問う。
山岡は昼食を取る際に胃薬を飲む。すると胃薬通算2万錠目だ
としてまたしても通算紳士と通算ガールズたちが祝い始める。
徐々に祝われることに満更でもないと感じる山岡。
しかしそこに偶然通りかかった容疑者・田宮の事を取り逃がし
てしまう。
そんな中、西田は山岡に対して、もうすぐ定年だが現在99人
の容疑者を逮捕していることを告げられ、なんとか100人目を
逮捕して花道を飾って欲しいと告げる。
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今回のドラマの中ではもっともコメディチックな話だった。
自分を犠牲にして100人目の逮捕者になるというのは、有る程度
想像は出来るものだけど、あの流れから自分自身の罪を全て
告白してしまうというのは、少々不可解に見えなくもない。

ただ"世にも奇妙な物語"っぽい話ではあるね。

昔フジで放送していた「ロス:タイム:ライフ」みたいに大胆な
発想で、面白く盛り上げる内容だった。

山岡武 …… 松平健 (60歳、定年間近のベテラン刑事)
西田哲 …… 山本裕典 (山岡とコンビの刑事)
田宮達明 …… 原田裕章 (容疑者)
通算紳士 …… マイケル富岡
本村雄一 …… 柳憂怜 (冤罪、山岡が30年前誤認逮捕)

通算ガール・ミキ&エリサ (渡邊小百合、藤嵜亜莉沙)
社長(浅野和紀)、アナウンサー(松尾翠)、女子高生(葵くるみ、
杉本萌奈美)、刑事(ゆうたろう、アレックス藤岡、沼田光仁、
加藤宏典、石田コウスケ)

評価：★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)


▽缶けり・・・鬼は生き返る！？殺人缶けり

脚本：半澤律子
監督：都築淳一
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30年前、西多摩郡・浅山神社で、小学の仲良し6人組の幸子、
ちか、慎司、進、猛、正人は缶蹴りをして遊ぶ。
鬼は正人。しかし缶蹴りの途中に正人は居なくなってしまう。

30年後、仕事中の藤村幸子の元に、彼氏とハイキングに出かけ
ている鈴森ちかから電話が鳴る。土曜日に会ったら話したいこと
が有るというちか。そんな彼女はロープウェイに乗っている際
に突然正人が居ると電話口で言い始める。幸子は何のことだが
分からないが・・・

翌日、ちかは階段から足を踏み外して急死してしまう。
葬式の場にやってくる、幸子と進、猛。
そこで幸子はみんなにちかが亡くなる前に変なことを言って
いた事を語る。彼女は電話で正人が見えると言っていたとの事。
そこに慎司が合流すると、彼は来る途中で正人の姿を見たと
いう。それを言うと慎司は突然心臓発作になり亡くなってしま
うのだった。
翌日、幸子と進と猛は集まって話をする。
新聞に掲載されているのは、古井戸から幼児の白骨体が見つか
ったという報道だった。もしかしてこの遺体は正人のものでは
ないのか?と。
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30年前に缶蹴りの途中に居なくなった少年・正人。30年後
それを見た仲間は次々と命を落としていく。

これを映画化すればそれなりに面白いエピソードが一本作れ
そうな感じ。今回のドラマの中では、「分身」と二分して
良くできたエピソードの一つだった。

ちょっぴり映画「リング」の貞子を意識するような演出だった
けど、最後まで飽きることなく見ることが出来た。

缶蹴りなので缶を蹴れば良かったとするタモリさんの言葉で
初めて缶蹴りが続いていたのかと思わされるものが有った。

幸子の中で当時のエピソードの中にちょっとした罪悪感が存在
しているところが実に巧妙だった。


藤村幸子 …… 永作博美 (仲良し6人組、正人をハメる)
鈴森ちか …… 馬渕英俚可 (仲良し6人組、階段から足を滑らせる)
八木進 …… 眞島秀和 (仲良し6人組、神社近くで頭を打ち付ける)
井上猛 …… 松尾諭 (仲良し6人組、電車にはねられる)
熊谷慎司 …… 矢柴俊博 (仲良し6人組、心臓発作)

幸子(遠藤由実)、ちか(畠山紬)、慎司(小林正宗)、進(青木綾平)
猛(山岸和広)、正人(春名柊夜)
ちかの恋人(金原泰成)、幸子の部下(和田亮太)

評価：★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

▽PETS・・・犬と私の生きる道

脚本・演出：筧昌也
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桃子は男にフラれる。慰めるのは飼い犬のサクラだった。
飼い始めたときにはとても可愛がってくれたものの、2008年を
ピークにして、その2年後には関心が薄れ初め、散歩も久しぶり
で着ている服も同じ物ばかり。
そんな中、彼女はペッコンと呼ばれるペットを連れた合コンで
男を見つけようとする。そこで6歳の犬・ローズを連れた幸太郎
に出会う。
クリスマスや誕生日を共に過ごす中、アパートでは犬が五月蠅い
との苦情が出始める。アパートではペットを飼っても良いことに
なっていたが、一家に一匹が原則。一緒に住むようになり、
この家ではローズとサクラの二匹を同時に飼っている状態に
なっていたのである。家を出て行くわけにはいかないので、
サクラを捨てるよう幸太郎は桃子に告げるが・・・
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ペットの気持ちというものをペットの視線から描いた物。

無責任な人間の態度を抓ると共に、ペットの忠誠心やら愛嬌の
有る態度で主人のことを慰める献身的な姿があった。

国生さゆりさんが年増である事を利用しているところとか、
お約束ではあるけど、上手く演出上利用されている。

ペットの行動などもよく観察していて、とても上手くセリフ
付けしてあるなと思う。


栗田桃子 …… 国仲涼子 (サクラの飼い主)
幸太郎 …… 山中崇 (ローズの飼い主)

サクラ …… 谷村美月 (犬)
ローズ …… 国生さゆり (犬)
クロ …… 石垣佑磨 (犬)
管理人(高橋修)、犬(矢崎まなぶ)、救急隊員(重村佳伸)

評価：★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)