ヤング ブラック・ジャック
(2011年4月23日に日本テレビ)

監督:大谷健太郎
脚本:酒井直行、福間正浩、英生みちこ
音楽:池頼広
プロデューサー:西憲彦、松橋真三




顔に傷がある美しき天才医師には誰にも言えない秘密があった…
命の重さ描く手塚治虫謎のエピソードゼロ!医者は免許ではな
く救った命で医者になる

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15年前のクリスマス。間時生(9歳)は母・美都子(33歳)の誕生日に
バラを買いに行くが買えず、バラの絵を描く。
時生は母を
汐留モールに呼び出すと、一緒に誕生日を過ごそう
としていた。クリスマスツリーの前で絵を描きながら待つ時生。
しかし世間では連続爆弾事件が起きており、汐留モールに爆破
予告が有ったために、一斉にその場にいた人々は逃げまどう。
美都子もそれを聞き急いで時生の元に行くと、その瞬間爆発し
二人は瀕死の重傷を負う。
救急車で運ばれ、医師の
本間丈太郎によって緊急手術が行われ
る。時生の顔の裂傷には皮膚移植が必要だが、皮膚が足りなか
った。時生の親友・
松崎タカシが時生を心配して病院に来ており、
彼の皮膚を移植。本間は時生を見て、懸命に生きようとしている
彼は必ず助かる事を告げる。

15年後
東慶大学病院では、桐生直樹が執刀していた。二臓器の
同時移植で、マスコミも注目する中成功を収める。直樹の事
を見守る東慶大学病院理事長の
八坂陽三は、彼を病院のエース
として期待すると共に、娘の
優奈の相手としても期待していた。
優奈は医師を目指し、国家試験を目の前にしていたが、直樹から
の電話で一緒に食事を取ることになる。

優奈は直樹との待合い場所に行こうとすると、途中の道で
女性が倒れるのを目撃。心肺停止状態のために蘇生しようと
するが、そこに時生が現れ、蘇生する前にやるべき事が有ると
して、胸から溜まった血を注射で抜き取る。そして蘇生を
行い意識を取り戻す頃、救急救命士が到着する。
救命士に緊張性気胸である事を説明する優奈だが、それを説明
するころ既に時生の姿はなかった。時生は現場に手帳を忘れて
いく。

一方優奈の妹・
は絵本作家になるべく創作活動をしていた。

時生はバラの花一輪を持って地下の倉庫へといく。
そこで時生は闇医者として不法滞在者相手に医療活動をして
いた。しかもその奥には計器に繋がれている時生の母・美都子
の姿があった。

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意識不明の重体である母を助けるために医学の道へと進んだ
時生。人の寿命を操作する事は医師であっても出来ない事な
のか。

有名な漫画・ブラックジャックだけど、実はあんまり原作の方
は読んだことがなかったりする。

医師免許を持たない人物の医療行為に対する是非と、助けられ
る命をみすみす見逃す事への葛藤の対立点は医療ドラマの中
ではありがちなネタではあるけど、語り尽くされている題材の
中にも正確な答えがないために、何時までも同様の対立点が
ドラマとして面白く浮かび上がってくる。

何よりも二人の大局的にいる医師の存在がドラマを盛り上げて
いる。時生よりも正論をかざす直樹の方が、実に危なさを
秘めていて、人間の欲に踊らされている感じがしてなんとも
言えない。
時生は逆に主張自体がシンプルなもので、裏表がなさそうな
人物像が皮肉に写る。

なんの実績も持たない人物が、大病院の理事長たちに頭を
下げさせる辺りの描写が快感でもあり、逆に少々安易な形で
実力を認めさせてしまった様にも感じだけど、その辺は多少
仕方がない部分かな。

母親の存在意義やら天命やらを上手く渚のエピソードへと
転化させていく辺り、とても上手くできていた。

信じていない人から奇跡は生まれないとか、法律が母の命を
救ってくれるのかなと、セリフの端々が上手くその時々の複雑
な状況に於いて一石を投じている辺りも、ドラマとしては印象
に残るものだった。

是非とも同じキャストで連ドラ化して、長期シリーズを目指し
て欲しい。

間時生 / ブラック・ジャック …… 岡田将生 (汐留医大)
(幼少期:大江俊輔)
八坂優奈 …… 仲里依紗 (長女、直樹からプロポーズされるが)
辰巳勝也 …… 賀来賢人 (辰巳製薬の御曹司)
桐生直樹 …… 小澤征悦 (東慶大学病院の移植チームエース)
八坂渚 …… 波瑠 (次女、絵本作家が夢、人食いバクテリア)
八坂陽三 …… 中原丈雄 (東慶大学病院・理事長)
八坂真理子 …… 紺野美沙子 (妻)
間美都子 …… 戸田菜穂 (時生の母、33歳の時に爆弾事件)
本間丈太郎 …… 市村正親 (東慶大学病院の外科医)
松崎タカシ …… 石山イザリオン (時生の親友)

丸岡いずみ、HIRO、本田博太郎、いせゆみこ
日向丈、松林慎司、杉内貴、向野章太郎、池田香織
坂田直貴、松島理絵、椎名るか、加藤敦、塩村伴美


評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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