ALCATRAZ / アルカトラズ ALCATRAZ 製作／J・J・エイブラムス

第1話 アルカトラズの闇 Pilot

脚本／Steven Lilien、Bryan Wynbrandt、Elizabeth Sarnoff
監督／Danny Cannon
--------------------------------------------------------
1963年3月21日、アルカトラズ刑務所は閉鎖。維持費の高騰に
加えて施設の老朽化が原因だとされる。囚人は島の外の刑務所
に移送されたが、それは表向きの話で事実は違うモノだった。

1963年3月20日。
二人の刑務官が本土からアルカトラズ刑務所にやってくる。
しかし何故か移送車に人影がなく異常を感じる。すぐにベテラン
の刑務官は新人の刑務官・ハウザーに対して銃を出せと告げ
二人で監房内を見て回る。しかし看守も囚人も誰一人として
居なかった。署に応援を要請するよう告げるが、302人の島の
"住民"が一種にして姿を消していた。

現在。
アルカトラズ島は、人気の観光スポットになり賑わっていた。
好奇心旺盛の少女のスージーは立ち入り区域内へと一人入り
込んでいくと、監房の中に一人の男性・ジャックの姿が有る
事に気がつき悲鳴を上げる。ツアーガイドや島を監視している
レンジャーは、男に対してこんなところで寝ていてはダメだと
してすぐに退室するよう求める。
ジャックは本土への船に乗船する際、搭乗券を求められると、
チケットは既に持って居た。客の一人が持って居た"アルカト
ラズの囚人"という本に目を通す。ジャックは1960年当時、
囚人番号2024の囚人だった。

1960年、監房棟。
点呼の時間になると、ジャックは副所長のティラーから執拗に
点検され、監房からドライバーが出てくると、罰を与えられる。
ジャックは自分のものではないとして否定し、今日は妻・ソー
ニャとの面会日である事を訴えるが、ティラーの耳には届かな
かった。

サンフランシスコ市警のレベッカ・マドセンは相棒と共に犯人
のトミーを追跡していたが、相棒は追跡中に建物から落下し命
を落とす。

レベッカは上司リーガーに呼び出されると、そろそろ誰でも良いので
相棒を見つけろという。相棒を亡くして3ヶ月が経ったのだから
そろそろ前を向けという。レベッカは後一日猶予が欲しいと告
げ、その場から立ち去る。

そんな中再び殺人事件が起きる。
室内で殺害されたのは、イライジャ・ベイリー・ティラー(78歳)。
E.Bティラーは現在FBIの捜査官として武勲章を受けている人物
だった。
被害者はFBI捜査官だと聞かされると現場に来たレベッカは
FBIが捜査に乗り出す前に、捜査をしようと言うが、この後の
捜査はFBIが引き継ぐとして、レベッカの前にエマーソン・ハウ
ザーと呼ばれるFBI捜査官が現れる。上司からの命令が無いと
辞めないというレベッカだが、ハウザーは既にリーガー警部補
に手回ししており、レベッカにも捜査をFBIに任せるよう言われ
る。レベッカは同僚のジミーに対して、エマーソンの事を調べて
欲しいと頼む。レベッカは室内にティラーのものだと思われる
写真がある事に気がつき、ラボに持ち帰ると、その写真楯
に付着する指紋を調べる。するとジャック・シルヴェインの
指紋だと前歴者リストから判明するが、何故かファイルを
調べようとするとアクセス拒否が出てしまう。ジミーからの報告
でアルカトラズ島の副所長だった男性だという事は分かるが・・

そんな中、アルカトラズ島に関して調べているディエゴ・ソト
博士というのがインタビューされているのを目にする。
レベッカは彼に会ってみようとと考える。
ソトは仲間達とゲームセンターで遊んでいた。
レベッカはソトに自分の身分を名乗ると今回の捜査に手を貸して
欲しいと頼むのだった。
ソトにティラーの家から取ってきた写真を見せると、写ってい
る二人の男性は、アルカトラズ島の所長・ジェームズと副所長
のティラーだという。ジェームズは他界しており、ティラーは
存命していると言うが、レベッカは彼が亡くなった事を語る。
そして現場に残されていた指紋は、ジャック・シルヴェインの
ものだったと語る。ジャックはとてもツイていない男性で、
第二次世界大戦の後に復員後に家族の為、食料品店を襲った
罪でデブンワース刑務所に収監されたという。その刑務所で、
囚人同士の争いになり、ジャックは相手の囚人を殺害してしま
ったことで、アルカトラズに送られたのだという。ジャックの
指紋が残されていた事を告げると、それはあり得ないという。
30年以上前に既に彼は亡くなっているのだと告げる。
--------------------------------------------------------

既にアメリカでは視聴率が伸びずに放送が終了してしまったド
ラマ。

1963年の3月にアルカトラズ島が閉鎖されるという事で移送
作業中に囚人が看守と共に消えるというもの。その事実は誰に
も知らされて居らず、何故か現在になってその囚人が現世に
現れ、当時の姿のまま、突然現れるというストーリー。

とりあえず当時のアルカトラズ刑務所の囚人は256名、46名の
看守が居たという事で、エピソード的には最大256話放送する
ことが可能なドラマ。まるでブレイングレイの飯島健男氏が
製作したRPG「ラストハルマゲドン」の石版に書かれた108個
の黙示録を集めろとばかりの数の多さだが、流石にドラマは
13話で終息してしまった様だ。

正直アルカトラズというと、脱獄のイメージが強いので、
脱獄の方法論や囚人と看守の駆け引きにこそ楽しさが詰まって
いる感じがするのだが、どうもこのドラマの場合、別に
アルカトラズが舞台でなくても良いんじゃないかという気がして
くるし、問題はタイムワープしてきたであろう囚人達の当時の
ママの姿にどう説明をつけていくのかという所が興味の示す
ところなのかも。

初回はジャックとトミーが現世に現れて人を殺す姿が有った
が、ジャックが陥れられたことなどは詳細に描かれていく
のだろうか。また主人公の祖父のトミーが殺人犯で囚人だった
という事情がどうなっているのか気になるかな。

正直秘密裏に捜査しているハウザーらの組織が少々構成人数も
少ないし、強引に寄せ集めてしまった感じのレベッカとソト
との関係がやや説得力が無くて、イマイチ面白みは感じないかな。