ALCATRAZ / アルカトラズ ALCATRAZ 製作／J・J・エイブラムス

Mar. 19, 2012
第11話 バイオリン弾き ポーター Webb Porter

脚本／Steven Lilien、Bryan Wynbrandt
監督／Jack Bender
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ソトはハウザーが何をしているのか探るために尾行を続けて
いた。ハウザーはチャイナタウンのマッサージ店にいくと薬を
受け取りそれを飲む。そしてマッサージを受ける。

-- 昔 --
"善人が何もしないときに悪が栄える"(by エドマンド・バーク)
とイギリスの哲学者の言葉を引用するハウザーは、センヌプタ
博士と一時の会話を楽しむ。ハウザーはイェール大の哲学専攻
で二人は良い感じの関係に有った。SFPDの船が博士を迎えにくる
と船着き場まで送るハウザー。今夜逢おうと告げる。

翌日所長はセンヌプタに対して、これまであらゆる下劣な犯罪者
の更生を博士に頼んできたが、医務室にいる犯罪者を何とか
更生させて欲しいという。医務室から追い出す事が出来れば
月旅行に招待するという所長。現在は患者で囚人のウェブ・ポー
ターは叫ぶ癖が有るので、他の囚人とは離れた場所に隔離して
いるという。彼が落ち着くのはこの監房だけなんだと説明する。
ポーターの資料を見るとIQ162で頭が良かった。所長は彼とは
一年間も口を利いていないと語る。床のキズはベッドを勝手に
動かしたものだろうという。彼は6歳の時に母親によってバスタブ
で殺されかけたとし、母親を殺害し他にも女性4名を殺して
アルカトラズに収監されることになっていた。ポーターは壁に
頭を押しつけて軽く壁を叩く姿が有った。
センヌプタはその光景を見て、恐らく耳鳴りがしているのだろう
と告げ、母親に殺害しかけられた後遺症が残っているのだという。
隣の部屋に置いて有る冷蔵庫の音や振動によって、彼の耳鳴りは
和らいでいるものだと考えられると分析する。センヌプタは
所長に対して新療法を試したいと思っていた事を告げ、ポーター
に音楽を聴かせるのだという。

-- 現在 --
ポーターは風呂に水を入れる。
ベッドの上には手足を縛った女性・カレンの姿が有った。ポータ
ーは女性に対して君の髪の毛がもっとあれば良かったとし、
カレンの髪の毛は、ポーターによって全て切られていたのである。
残念だとしてポーターは抵抗する彼女を風呂タブに連れて行くと
溺死させるのだった。

その頃レベッカとニッキーはプールバーで飲みながらビリヤード
をして楽しむ。やっと夜遊び出来たとしてニッキーはレベッカ
が忙しく飛び回っている現状を指摘する。彼女は仕事以外にも
家庭の事情で色々とあるのだという。ニッキーは何か聞いて欲しい
事が有れば話して欲しいとすると、レベッカは現在の自分は
他人の人生を歩んでいるようで、また元に戻りたいと語る。
そんなニッキーとレベッカの元に同時に電話が鳴る。
ニッキーの元にはデイリーシティで殺害された女子大生殺害事件の
発生を知らせるもの。レベッカの元にはソトからの電話で、
ハウザーの事を尾行しているというものだった。ハウザーは
ルーシーの事を病院から何処かに連れ去っている事を告げる。

レベッカとニッキーは現場に行く。
被害者のカレンは州立大で音楽を専攻していた。母親が発見し
通報したという。近所の人の話ではバイオリンの音が聞こえたと
のこと。浴槽の中に沈められているカレンの遺体には手足を
縛られた跡が有り、アザの具合から2、3日は縛られていたと
検証する。髪の毛が切られており、また爪が折れていた。
毛は犯人が記念に持ち帰ったモノなのか。爪は抵抗した跡なのか。
レベッカは壁に被害者の爪がひっかかれた後が有り、抵抗して
いた事は明らかだった。折れた爪が現場に落ちていた為に鑑識
に回す。

ソトの元にいくと63年組の中で女子大生を狙った犯人は居たのか、
音楽学生を狙った人は居たのかを調べる。
ハウザーはそんな二人の元にやってくると、今度尾行したら殺す
とソトに警告する。レベッカは貴方がルーシーを何処かに
連れて行ったからだとし、隠し事は辞めて欲しいと告げる。
被害者の爪から容疑者のモノだと思われる汚染された血液が検出
され、そこにはコロラド銀が含まれているとハウザーに報告。
するとハウザーは63年組の仕業だと語り、これまでの受刑者を
調べたら何人かの血液から同様の物質が検出されているのだと
いう。理由はわからないと言うが・・・

レベッカたちは州立大の音楽教師に話を聞くが、カレンは月曜日
の授業はいつも通りに出ていたと告げる。また別に休んでいる
生徒はいないとの事だった。彼女はチェロ奏者。

一方ハウザーはミルトンに対して犯人の血液サンプルを送ると
ルーシーのモノと比較して欲しいと頼む。ミルトンはルーシー
はかなり弱ってきており、あとどのくらい体が持つか分からない
と告げる。
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幼い時に実の母親に殺されかけたポーターが今回の主役。
しかし現世に戻った彼はバイオリニストとして認められたいが
為に行動を起こしていたのだろうか。

これまでの展開では63年でやり残した事を現世でやるというのが
パターンだけど、この犯人の場合は、バイオリニストとしての
才能を開花した途端に、社会から認められたいとする欲が
生まれたのだろうか?

貧乏だった時代からの転送なので金を持って居ないのかもしれない
けど、髪の毛を使ってわざわざバイオリンを引かねばならない
理由はよく分からない。
浴槽で殺された際に見た光景は、母親の髪の毛が水面に散りばめ
られたものが有ったという事で、髪の毛に執着する所がある
のだろうか。

音楽に於ける囚人たちの更生的効果に関しては興味深いモノが有る。
特に最後にポーターが元の監房に戻された際には、キーキー騒ぐ
ポーターの事を監房中の囚人が嫌がっていたけど、このドラマ
の中では、最後にポーターがバイオリンの音色を聞かすだけで
一気に囚人が静かになってしまう所など、ポーターにとっては
気分の良い瞬間だったのだろうね。
現世に戻りそういう相手の言葉を奪うような音楽を求めていきた
かったのかな。

63年の中でも比較的センヌプタは囚人と接する姿が有る。
凶悪犯が多いので、直接逢っても大丈夫なのかといつも心配させ
られるけど、意外と大人しい。
センヌプタが音楽によって耳鳴りを無くした事で、いずれ恩返しが
したいと語っていたけど、それまでの経緯の中で3人もの被害者を
出して居る現状を考えると、ポーターは許されない男だね。
まぁそんな人物でも義理は存在しているというのは悪くは無い
けど。

最後にルーシーが目覚めたことと、63年当時アルカトラズで副所長
を中心として結成していたバンド"Rock Islander"の映像の中に
ルーシーが居た事をレベッカとソトが見つけた事によって物語
はどう進展していくのか。

それにしても数話前のエピソードで、レベッカがハウザーに
対して、私に拘る理由がわかったようなことを言っていたけど、
ハウザーは意外と何も分かっていないみたいな役割だね。