BONES - 骨は語る -
シーズン5





28 Jan. 2011
第14話 天使と悪魔 The Devil in the Details

脚本/Michael Peterson
監督/Ian Toynton
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聖ドミニクローマカトリック教会
パトリック神父は、ウィリアムと共に神への祈りを捧げる中、
礼拝堂から異様な臭いがあることに気が付く。近づいてみると
なんと尻尾と角を持った遺体が燃やされていることに気が付く。
パトリックは悪魔降臨だと感じ、聖ミカエルの名において、
悪魔に召される様祈る。

ブースとブレナンは事件が発生した現場へと車で走らせる。
自動で車間距離を保つACCシステム搭載の車を自慢するブレナン
だが、ブースには懸念すべき事が有った。これから向かう所
はブレナンが最も存在を否定すべき場所である教会である。
信仰の中ブレナンが神を冒涜するような発言をするのではない
かと感じたブースは君との間で車間距離を取りたいと語る。
罰当たりなことだけは言わないでくれというブースに対して、
私が天罰のカミナリに打たれるからあなたはそのとばっちりを
受けると思っているのかと問い、ギリシャ神話においても
神話のゼウスもカミナリで敵を燃やしたのよと語る。
ブレナンは音声認識のGPSを作動させる中、ブースは皮肉を込
めて、GPSに向けてもっと早くスピードを出せと語るが、
ブレナンはそれはアクセルを踏まないとスピードは出ないと
語る。しかしすぐにジョークだと気が付きほほえむ。

パトリック神父に遺体が燃やされた現場まで案内してもらう。
確かに白骨体には角が有り、尻尾が見られた。扉は施錠して
いたハズだが、不浄な霊は何処でもすり抜けてしまうという
神父の言葉に敏感に反応するブレナン。災いは伝説的な超自然的
存在の仕業だという。しかし神父は災いは伝説などではなく
対立から起こるものだという。ブースはみるからに悪魔の遺体
だと語ると、ブレナンに対して君だって災いくらいは信じるの
ではないのか?と聞いて見る。しかしブレナンは、遺伝子異常や
異常行動の存在は信じるのだという。そして偶発的事故も
信じるが、現代社会において祈りなんて意味がない行動だと
語る。
ブレナンは臭いは石油科学性の燃焼促進剤によるものだと語る。
角は作り物なのかという問いかけに本物の骨の様だと語る。
ブースは"ヘルボーイ"をラボに運べと指示する。

カムはブレナンに対して今まで悪い物は沢山見て来たが、これ
程ゾッとするような遺体は初めてだと語る。ベッドで体が宙に
浮いたり首が一回りするなんて事はゴメンよと「エクソシスト」
を例に挙げるが、首が180度曲がれば致命傷ねと本気で返答する
ブレナン。

今回のインターンはイラスム教(ムスリム)のバジリだった。
被害者はほぼ人間だというが、尾が有るという。
ブレナンはバジリの言葉を聞いて、堕天使の存在を信じる行為
は経験科学に乗っ取った生き方とは両立出来ないことだと語る。
バジリはイスラム教では悪魔は精霊だと言われていることを
告げ、天使は光から生まれ意思を持たないが、精霊は炎から
生まれ自らの意思でアラーに挑むものだという。

バジリは遺体は白人で骨の状態から19歳から24歳の男性だと語る。
ホッジンズは燃焼促進剤は普通のモーターオイルで洋服も
普通のノーブランドのものなのでそこから身元を特定することは
困難だと語る。ブレナンはバジリに角は何かと思うか?と問うと、
ホッジンズは俺が既に質量分析にかけたと告げ、カルシウム、
カリウム、マンガン、シリカ・・・つまり骨だが、アラゴナイト
結晶の炭酸カルシウムも含まれているのだという。いわゆる
サンゴだった。整形手術でサンゴの角を取り付ける中、骨組織が
構築されていったものだろうと語る。尾は退化したものだと語る
と、ブレナンは西ベンガルにも33cmの尾をもった人間がいる
事を告げ、ハヌマーンの生まれ変わりだと思われているという。

アンジェラがやってくると、身元が判明したという。
ニール・ラウリーだというと、一同住所はスティーブン・キング邸
の地下にでも住んでいたものかと問うと、ヘイヴンハースト
療養所にいて、統合失調症の治療を受けているという。
ニールの死を家族である母・エリカと、長男のゲイブに伝える。
小さい時にはとても頭の良い子で、14歳の時に殴られた形跡が
あることを告げると、エリカは夫が亡くなってからあの子は
手に負えなくなったので押さえ込んだことがあるという。
家に火を付けたりネコを殺すようになっていたとのこと。
当時は病気である事を知らなかったのだという。
16歳の時に薬を飲むのを拒否して家出してしまい、補導された
時には既に角をどこかで付けていたとの事だった。

遺体は腸管が破裂。足は壊疽して臭いがしていた。
何かドラッグを注射した為のものだろうとのこと。胸にも骨折
があり、靴底からはピートモス、砂、パーライト、園芸用の土、
そしてクラスマスローズ(ヘレボルス)が検出されたとホッジンズ
は語る。ヘレボルスは悪魔を呼び出す秘薬の成分だという伝説
が有ると語る。
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教会で燃やされて発見された遺体は角があり尻尾が有りと
とても人間では無く、それを見た人は悪魔ではないかと
疑う。しかしそんな被害者、統合失調症で入退院を繰り返す
男性である事を知る。果たして殺害したのは誰なのか。

今回のエピソード、ブレナンにとっては色んな爆弾が仕掛け
られているエピソードだね。
なんと言ってもブレナンにとって苦手な心理学者とのやりとり、
そして宗教カトリック教徒とのやりとりなのだから、自ずと
その存在を否定する彼女との対峙することは必至。
冒頭からブースはブレナンが衝突することは目に見えている
のでヒヤヒヤさせられることを予期していたし、実際にブレナンは
療養施設で働いている医師のコープランドに無礼な発言だと
して静かな中にもブレナンに対する怒りが含まれていた
ような感じ。笑えたのは、ブレナンが自分が医師であるという妄想性
の症状を持つフィリップと意見が同じで気が合うという事実が
有り、ブレナンにとっては複雑なものが有ったというところでは
ないだろうか。

今回の研究員はバジリだった。
彼の前回の登場はシーズン5-4だったけど、この時にムスリム
ではあるけど、実際にはニワカな存在であって、敬虔な
イスラム教徒とはほど遠い感じはしたけど、バジリくんのちょっと
した負のオーラが、ここの所常に研究所内に緊張感を与えてくれて
いる。前回突然激高したような台詞を吐いたけど、今回もまた
カミールは彼が一言発した言葉によって凍り付いてしまう。
「毎日悪魔と目が逢う」と語った事。ホッジンズに相談する
際には"アラスト〜〜"と不自然な発言をしていた。
実際には彼がイクラで通訳の仕事をしていた際に、トラックが
襲われ、AK47を持った一般人を射殺した例を挙げて、自分の心の
中にも悪魔がいたという事を指していた様だ。
ムスリムだからという色眼鏡が、勝手に"アメリカは悪魔"説を
生んでしまったけど、陰謀説の強いホッジンズだってバジリが
語る様に"悪魔王と共にTシャツ"を着ていることがあるんだものね。

さて今回は異様な骨格をした遺体だということで、これだけ調査を
している研究員たちにも不気味だと捉えられるものが有った。
殺害方法に関しては気味が悪いけど事象としては理解出来るのに
対して、骨そのものが現実離れしていることで異様なものを覚える
というところなのだろうか。
ブレナンは淡々としていた感じで、彼女がこういう特異な状況の
中でどういう反応を示すのかは見物だった。
ブースも興味深げに、君だって災いは信じるだろうとか、科学で
証明できないことに対して色々と顔色伺いをしていたけど、
最終的にはブースとのやりとりの中で、「謎が分からないことは
有ったとしても、元になる原因は必ず有るものだ」と語っていた。
ブース自身は信念が揺らいだ際には、自分を取り戻す方法として、
「日がまた昇り明日が来るからだ」と言っていた。

事件自体は、舞台が精神病棟でのことということで捜査は難航を
極める。何よりも聞き取り調査がどれだけ信憑性があるのか
分からない。スイーツ博士の協力も有って対応に当たったり、
アンジェラ辺りが随分と芸術家・評論家視線で、少女が描いた
絵の鑑定をしていた。
そした最終的にはアンジェラが再現した現場の映像ということで
容疑を確定させていくけど、この辺の流れは少々ウソっぽくて
毎回数字や計算が答えを導く物として利用されていく。

凶器の特定に関しては難しそうだった。
骨の骨折痕から凶器を特定するなんて可能なのだろうか?
職員の一人からヌンチャクが発見されたことで、実証実験を
行う際に、ホッジンズがヌンチャクによって頭を殴打し、
バジリくんが意外なヌンチャクさばきが見られたことかな。
ペルシャ系忍者か?とはホッジンズ談。

しかしアメリカは地下施設に古い施設が有って、壊さずに上
から上塗りするように建築物を建ててしまうということが多い
ね。地下室に配電盤みたいなものがあったけど、普通閉鎖されて
いるし、電流なんて止められているでしょうしね。

■使用された曲


■検索用キーワード

・コーレス骨折
・ロンギリス キリストの張り付けで槍を脇腹で刺した兵士
・降臨した天使ウリエルと信じている
・ユングは「芸術には作者の無意識が現れる」と言っている
・赤外線リフレクトグラフィー 透視 絵の具


テンペランス・ブレナン (Emily Deschanel) 骨
シーリー・ブース (David Boreanaz) FBI捜査官
アンジェラ・モンテネグロ (Michaela Conlin) 骨格から似顔絵
ジャック・ホッジンズ (T.J. Thyne) 知識が豊富、実家が金持ち
カミール・サローヤン (Tamara Taylor) 博士、"カム"
キャロリン・ジュリアン (Patricia Belcher) 検事
ランス・スイーツ (John Francis Daley) 心理学博士
マーカス・ガイアー (David Greenman) FBI捜査官・鑑識

アダム・コープランド (Joshua Malina) ヘイヴンハースト療養所・所長
アラストー・バジリ (Pej Vahdat) 研修医
ロイド・ロバートソン (Jocko Sims) 上級看護師
エリカ・ターナー (Rusty Schwimmer) ニールの母母
フィリップ・ウォーマック (Henri Lubatti) 患者、医者だと思い込む
ネバイア・ラーキン (Amanda Schull) 患者、絵を描く
ゲイブ・ターナー (Scott Caudill) 長男、ニールの兄
パトリック (John Apicella) 神父
ウィリアム (Daniel Polo) パトリックの息子?
--- (May Zayan) Young Iraqi Mom


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)


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