BONES - 骨は語る -
シーズン6





December 2, 2010
第9話 私の中の私 The Doctor in the Photo

脚本/Carla Kettner
監督/Ian Toynton
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雨が降る夜、突然大木が倒れる。その下からはなんと白骨遺体
が出てくる。

ブレナンはこの日のディナーにアンジェラ、ホッジンズ、
ハンナとブースを招待して、手料理を作る。ハンナはアンジェ
ラが妊娠し、女性から母親になることに関して、自分には
想像が付かないという。ブースもパーカーが生まれた時には
人生が180度変わった事を語る。
ブレナンはひよこ豆のパラウを作る。アフガニスタンに居た
ハンナに敬意を表して作った料理で妊婦にもとても体に良い
ものだという。ピタミンB6がつわりにも効果的だという。
そんな中ブースは悪のりして、ブレナンに対して、鶏肉の丸焼き
料理を見せてこれをどう見るか?と問う。するとブレナンは
マジメな顔をして骨盤の形からメスだとし、殺される時の状況
まで骨のキズ痕をみて言い当てる。ハンナは嫌な表情を見せる
中、ブースとブレナンの携帯に同時刻に電話が鳴る。
ブレナンにはカミールから、ブースにはアンドリュー・ハッカー
からの電話で白骨体が出たというものだった。

遺体が出たのはウッドランドという治安の悪い地区だった。
この地域の死因の9割はギャング絡みだというブースに対してブレナンは
ちゃんとした統計上の数字なのかと問う。ブースは俺的直感だ
という。遺体を見たラボの職員たちは遺体の上に樹が育って
いることに驚く。木の根に取り込まれている格好で、樹の種類
はコルヌスフロリダ(ハナミズキ)だというホッジンズ。
ブースは遺体の上に木が育つのには百年以上かかるものなのか
と問うと、遺体の服を見てファスナーが発明されたのが1913年
だと告げ、彼女の骨は繋がって居るので捨てられて2年以内
の遺体である事を語る。カミールは人の死体は埋められると
腐敗の速度は土の中に捨てられた時の1/8になるとし、死後
3週間から1年が経過したものだという。随分と死亡推定時刻に
開きがあるためブースは、"虫男"の出番だと告げホッジンズに
虫から特定して欲しいとするが、土の中だと死肉を食べる虫が
付きにくいので虫から特定するのは難しいという。しかし樹の
成長のパターンから特定出来る可能性が高いという。
ブレナンは遺体を見て、鼻根は高くて細く鼻筋が通っている
から白人の女性だという。歯並びが良いことを考えるとこの
地区には似付かないリッチな白人で身長は175cmから180cm
(5.8から5.9インチ)、強健な筋肉質で体重は65kg(140ポンド)
だという。ブースはそれを聞いてブレナンと同じ背格好だな
と告げる。それを聞いたブレナンは遺体の指に自分が所持
しているのと同じイルカの指輪をはめていることに気が付く。

アンジェラはブレナンの料理のうまさ故に私の専属の料理人
にしても良いとジョークを飛ばす中、ブレナンが心ここにあらず
だという事を知ってどうしたのかと問う。いつもと違うのは
明らかだと語る。あの被害者は誰かに似ていると告げ、アンジェラ
に指輪を見せる。するとブレナンの指輪でしょとすると、
ブレナンは否定し被害者のものだという。特注品ではないので
そういう偶然だってあるというアンジェラ。

右の側頭骨に縦骨折が見られ、相当深く折れているので死因だ
ろうとのこと。左の尺骨に重度の夜警棒骨折が見られることを
告げるとカミールは撲殺されたのかと問う。また第三・第四
指の骨増殖がある事を告げると、恐らく職業的なものを示唆
しているものだろうという。ハサミのようなものを使う職業で
ある事を告げると、私たちもそういうものを使う事を告げるカミ
ール。医療従事者である可能性が高いという。

ブレナンはホッジンズの元にいくと樹を調べていた。
葉を見たホッジンズはファンキーな点を見つけたという。
ファンキーって本来は悪臭って意味よねというブレナンは
音楽ならば気取らないとかブルージーって意味になるという。
しかしホッジンズはこの場合は怪しいという意味だという。
年輪を見ると去年の冬に栄養がたっぷりだったことを示して
おり、根っこに遺体を埋めた時の傷がついていて、11ヶ月前
のものだろうとのこと。つまり去年の11月のものだという。

いつものダイナーにいくとブース&ブレナン、そしてハンナを
交えて遺体の件で話す。医療関係者の可能性を告げると、ハンナ
ローレン・イームズ医師が11月から失踪しているという事が
ネットなどでも出ているとのこと。しかし11月に失踪している
のに同僚や家族は誰も疑問に思わなかったのかと。

ガド医師という同僚医師が彼女の勤務表や助手の記録をもって来てく
れる。どんな人物だったか尋ねると、クールな性格をしていて
ずっと仕事漬けの日々だったという。臓器移植チームのヘリコプ
ターの隊員をしている人物と付き合っているという噂が出た
ことがあるとのこと。名前はクリス・マーカムという人物だという。
またガドは彼女は患者を診察する際、常に録音していたことを
告げ医療記録として残っているという。東海岸イチの心臓外科医
だったとするが、ブレナンの様子が変になり、誰も騒がないなん
て変だと語る。
「見せてあげる一握りのチリの恐怖を」(T.Sエリオット)の言葉
を引用するガドは、恐いのは死ぬことではなく死んで消え去って
も誰にも気が付かれないことであり生きた証しも残さず消える
ことだという。彼女の身分証を見るとブレナンは自分の姿が
写真として掲載されている"錯覚"を目にする。

ブレナンはまるで自分のことだと思い、眠れない夜を過ごす。
仕方なくラボにいくと、夜警警備員のマイカと逢う。
今回の事件では客観的になりないのだと語ると、マイカは
以前講演会である哲学者が言っていたことだと称して、
「客観的になるには心を切り離さないとダメで、無理な場合、
エルゴイプソ ファクト コロンボ オレオ」だと語る。最後の
二つはラテン語じゃないわねというブレナンに対して、
時には客観性を忘れて主観的にやってみたらどうかと言われる。
これまでしてきた科学的経験主義が意味が無くなると抵抗感を
示すが・・・
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樹木の下から発見された白骨遺体は、11ヶ月前から失踪していた
とされる東海岸イチだとされる心臓外科医のローレン・イームズだ
と判明する。それだけ著名な医師が失踪してもまるでニュース
にもなっていないとする現実を目にしたブレナンは、背格好や
性格がまるで自分と同じで、似たような専門職で働いていることも
有り、今回の一件を担当するウチにどうしても客観的に調査する
ことが出来ず、主観的な捜査を行ってしまう。ラボのスタッフ
たちもブレナンの言動がおかしいことに気が付き、心配していくが・・

色んな意味で興味深いエピソードだったけど、何よりも
「ヴェロニカ・マーズ」の探偵マーズパパ役のEnrico Colantoniと、
ヴェロニカの友人で同級生であるウィービル役のFrancis Capraが
ある意味「ヴェロニカ・マーズ」のその後の末路のような格好で
出演していることかも。
かつてブースが幻覚を見て、ブレナンとの結婚生活を夢に見た
ようなエピソードが有ったけど、今回はブレナンが幻覚を見つつ
自分の気持ちに対する後悔の念に苛まれるというものだった。

冒頭から2組のカップルが結婚生活とか子供の話で花を咲かせている
中で、ブレナンだけがその話に入り込めないところを見れば
そういう状況に陥ってしまうところも仕方が無いのかも。
被害者である死者の声を拾っていくことで自分の人生観に対する
是非を問い、後悔したくない為に思わずブースに愛を伝えるも、
「ハンナは俺にとって二番手の残念賞ではない」と語られ、
涙するしか無かった。

面白いのは、被害者が生きていた時に吹き込んでいた録音データ
を通してブレナンは会話出来るということ。ブレナンは録音
データを聞いただけで相手に共感出来るし、まるでBGMとばかり
に常にその声を聞いていたという面で凄いものがあるなと。

「直感」ということが今回は際だって描かれた格好で、冒頭から
ブースの直感を否定したり、ドクターヘリの隊員であるクリスが
「彼女の瞳から気持ちが有るのが分かった」とすることに対して
「人が抱いている意思とか思いが瞳に表れるというのは単なる迷信」
だと否定する姿が有ったけど、ブレナン自身も直感を受け入れて
身を任せることで楽になるところが有ったのかも。

アラサー世代の働く女性が主人公のドラマならば、今回のエピと
同様に多くのドラマで同様の問いかけを見かけるものかも知れない。
「一人は寂しいものとみんな決め割けているが見当違いよね」と
CDの彼女に語りかけるブレナンの姿。
今回の被害者は亡くなる患者を目の前にしていく中で、冷徹に
感じの対応を見せているのは、自己を保つ手段としていることに
対して、理論派で武装しているブレナンにも同様の姿があること。
スイーツ博士は今回の被害者の医師が死に行く患者に対して
折り合いをつける行動に対して、

1) 物事を極端に論理的に捉える
2) 自己から逃避する

ということを割り出していた。
それを聞いて他殺による自殺ではないかとする流れを見出して
いく格好だった。

そしてなんと言っても今回はインターンの変わりに登場してきた
マイカという名の警備員との交流を通してブレナンは自分自身
を見つめ直すこと。9年間彼とは顔を合わせているとしていたけど、
普段のブレナンならば彼の言葉になど耳を傾けなかったのかも
知れない。
ドラマでは、マイカの存在そのものが実はブレナンが作り出した
幻想の産物で、「人は大きなストレスを抱えると人の脳に宇宙
より導く声が聞こえる」としていたことからも、その声は
彼の存在そのものなのかと思っていた。

ブレナンと同様の性格を持つ医師の末路を見て、ドラッグ・ヘロイン
によって落ちぶれているのではないか・・そして誰にも気が付かれず
無くなっている程に浮世離れした他人を受け付けない生活を
していたのかということで、それを頑なに反証する為に行動を
起こしていくブレナンの感情的対応に周りが引いていた。

人間の脳はあらゆる環境・逆境の中でも3日間で適応出来るという
言葉はある意味では、人間の強さなのかも知れない。
人間の感情や直感など解明することの難しいことを宇宙からのサイ
ンだとか謎の多き宇宙に例えて表現するところも、ある意味では
ブレナンらしい結論へと導く方法論だったのかも。
ブレナンが一度信仰心を持つと恐い事になりそうだな。

■使用された曲

・"Happiness" by Oh Darling
・"When I Fall" by Lizz Wright


■検索用キーワード

・ハナミズキは硬材、コロフォニーは針葉樹由来
・メタクリル樹脂 反射材のついたもの
・ノスカピン バパベリン アヘン剤だ
・骨密度Tスコア
・ジェファソニアンによって与えられた権限 「先生は寝不足だ」



テンペランス・ブレナン (Emily Deschanel) 骨
シーリー・ブース (David Boreanaz) FBI捜査官
アンジェラ・モンテネグロ (Michaela Conlin) 骨格から似顔絵
ジャック・ホッジンズ (T.J. Thyne) 知識が豊富、実家が金持ち
カミール・サローヤン (Tamara Taylor) 博士、"カム"
キャロリン・ジュリアン (Patricia Belcher) 検事
ランス・スイーツ (John Francis Daley) 心理学博士
マーカス・ガイアー (David Greenman) FBI捜査官・鑑識

マイカ・レガット (Enrico Colantoni) ジェファソニアン・警備員
クリス・マーカム (Gonzalo Menendez) 救命士・ドクターヘリ
マイク・ドウォスキー (Brian Goodman) 少年セイムの父・建築家
Dr.アディット・ガド (Shishir Kurup) 被害者ローレンと同じ病院医師
アンソニー・トラクストン (Francis Capra) "ライノ"、ヤクの売人
ハンナ・バーリー (Katheryn Winnick) 記者、ブースの彼女

アンドリュー・ハッカー () FBI
ローレン・イームズ () 被害者



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