コールドケース 迷宮事件簿
Cold Case

製作総指揮/ジェリー・ブラッカイマー

http://www.tv-tokyo.co.jp/coldcase/


第21話 列車
Maternal Instincts

脚本/Laurie Arent 監督/Kevin Hooks
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1989年10月11日。30歳でボイラーメーカーという店のウェイト
レスをしているレベッカ・モーガンは帰宅しシャワーを浴びる。
部屋着に着替えると3歳になる息子・ショーンをだっこして
コミュニケーションを取る中、来客が有る。次の瞬間、何者か
に殺害されたレベッカ。

2004年、ラッシュ刑事の高校時代の友人で現在裁判所嘱託
の心理学者をしているリンジー・ダンレーは彼女の元にやって
くる。窃盗で捕まった17歳の青年・ショーンをカウンセリング
していた結果、彼は3歳の頃に目の前で殺害された母親の事が
心に引っかかっている事が分かったという。その母親の件が
未だに未解決事件として存在している事を知る。

リリーとスコッティはショーンに逢う。
ふて腐れているショーンを見て誰もまともに取り合ってくれな
くてウンザリしているんでしょとリリーは彼の心理を読む。
彼に当時のことを尋ねると、赤と黄色の風船、列車、ボビーと
いう名前しか覚えていないという。当時凶器は見つからず、
指紋と毛髪の照合でも犯人に該当する人物は見つからなかった
という。当時隣人の男性・レオン・キンケードが第一発見者だ
と知る。レオンについて調べると91年に公然猥褻と不法侵入で
捕まっており、現在はジャーマンタウンの銀行の支店長をして
いる事を知る。

早速リリーらはレオンに事情を聞きに行く。
朝6時のジョギングをした際に子供が泣いているのを知り窓から
覗いたらレベッカが倒れていたという。普段は挨拶程度で付き
合いは無いとするが、リリーらは彼が民家の覗きで捕まってい
る事実を指摘し、それを引き替えに事実を聞き出そうとする。
するとあの日の夜に覗いていた事を供述。当時ネッドという男性
が昼間の件でレベッカに謝罪に来た事を知る。ショーンの誕生日
の為に風船とプレゼントのオムツを持って来ていたのを知る。

ネッドに会いに行く。彼女とは当時一週間逢っていないとの
証言からウソだと分かりすぐに問い詰める。すると彼女には
バージニアに相手が居ると言われフラれていたことを知る。

そんな中、ジェフリーズがレベッカについて調べていると
レベッカ・モーガンという女性は1982年に19歳で死亡している
事を知る。ショーンが生まれる4年前の事。

ショーンに会いに行くリリー。そこでもう少し詳しい事を覚え
ていないか尋ねる。列車は絵として描かれているものだった
という。リリーは彼に母親は誰かから逃げていたもので本名
ではない事を告げる。するとショーンは母親を殺したのは誰で
もよくもう関係ないと告げる。そんなリリーの元にレベッカの
本名が分かったと連絡が入る。

レベッカだとした女性の本名はリンダ・フランドセンだった。
母親のサリーに会いに行く。彼女はリンダを産んだことは人生
最大の失敗で18年間を無駄にしたという。最後に逢ったのは
87年の春で、3年ぶりにいきなり会いに来たという。その時の
彼女はヴィックという男性と結婚し子供まで居たという。
ヴィックから暴力を奮われているので一日だけ泊めて欲しいと
言われたという。

リリーたちはヴィックが勤める造園会社へと足を運ぶ。
彼はリンダとは結婚していなかったという。紙切れ一枚で不仲
になるのを避けようとしたリンダからの提案だったという。
リリーは息子のことを真っ先に聞こうとしないヴィックに違和感
を覚える。その事を問い詰めると、息子は自分の子供では無い
事を聞く。そろそろ結婚しようとした際に彼女はカイル・シル
バーという男性の子を妊娠した事を知り、職探しをしている
間に消えてしまったという。85年4月の事だったと。
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実にいい加減な人間達のドラマ

全ての問題の発端は、レベッカを育てた母親・サリーに有った
のかもしれない。何故母と娘が疎遠になっているのかあまり
込み入った話にはならなかったが、子供を産んだことを後悔
しているという彼女の態度には寂しくなるものだった。

そんなレベッカは生きるために処世術を身に付けてしまい、
相手に気のあるフリをして生きてきたこと。しかしいざ結婚と
なると途端に逃げ回り、都合良く生きていた事。

一連の事件のしわ寄せは全て孫であるショーンが背負うことに
なるけれど、同情する余地は有るにせよ身勝手さを身に付けて
しまった彼にも責任が無いとは言えないモノだった。

リリーの高校時代の友人・リンジー・ダンレー。

スコッティが彼女からリリーの高校時代の話を聞き出そうとする
と、私達は卒業アルバムに写真が載らない様な人物だった事を
証言する。

リリーの悲しき境遇が説得力を生む。

両親が居ないという事に於いては、目の前のショーンの先輩に
当たるリリー。プライドが邪魔をして他人から助けて貰う事を
拒み本当に助けて欲しいと思ったときには既に遅かったという
彼女。そうなる前に素直に人生を送るよう言われて、ショーン
も素直になり始めた。

レベッカが虜にした男性たち。

レオン・キンケード・・・覗き趣味なので、この人にとっては
誰でも良かったのかも知れない。

ネッド・ライアン・・・雑貨店に勤める彼はリリーがシングル
マザーで苦労している事を知って同情から愛情へと昇華して
いった人物。けど振られた。

ヴィック・レイク・・・この人が一番の被害者か。
レベッカは彼のことを利用した後には暴力夫のように振る舞い
逃げたりくっついたりを繰り返す。この人の人生設計を狂わせた
という事もあるのでは無かろうか。

カイル・シルバー・・・この人もまたもの凄く醜さを発揮した。
レベッカと不倫し、その時は家庭を優先するが子供が成長した
と知るや探偵を使ってまで再び彼女を捜し出し関係を求める。

リンダには妊娠した形跡がない。

養子かと思わせたが、まともな職についていない彼女たちに
斡旋される訳がない。結局彼らが子供を誘拐した事が発覚。
しかしアメリカ人って子供の誘拐がとても多いけれど、他人の
子供であっても育てたい気持ちが強いのだろうか?
韓国や中国から養子を輸出したりしているくらいだからね。

リリー・ラッシュ (キャスリン・モリス) フィラデルフィア市警殺人課の刑事
スコット(スコッティ)・ヴァレンズ (ダニー・ピノ) フィラデルフィア市警殺人課
ジョン・スティルマン (ジョン・フィン) リリーの上司
ニック・ヴェラ (ジェレミー・ラッチフォード) リリーの同僚刑事
ウィル・ジェフリーズ (トム・バリー) リリーの同僚刑事
クリティーナ・ラッシュ (ニッキー・エイコックス) リリーの妹
クリス・ラシング (ジャスティン・チェンバース) 警察

カイト (Josh Hopkins) 検事補
エリッサ (Marisol Nichols) スコッティの彼女?

ヴィック・レイク (W. Earl Brown) 造園業
リンジー・ダンレイ (Bahni Turpin) 裁判所嘱託心理学者
サリー・フランドセン (Channing Chase) 2004年、母親
サリー・フランドセン (Heidi Bohay) 1987年
ネッド・ライアン (Jim O'Heir) 雑貨店。レベッカに好意
ショーン・モーガン (Ashton Holmes) 17歳、誘拐され不良に
ジェフ・ゴードン (Neal Matarazzo) 誘拐されたボビーの父親
レベッカ・モーガン (Tracy Middendorf) 殺害される
フラニー・チン (Susan Chuang) 医者。
レオン・キンケード (J. Downing) 2004年、第一発見者
カイル・シルバー (Michael Nouri) 医者。犯人
ミア・ゴードン (Debra Sullivan) 2004年
ミア・ゴードン (Elan O'Connor) 1987年、母親

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