コールドケース 迷宮事件簿
Cold Case (シーズン4)

製作総指揮:ジェリー・ブラッカイマー、ジョナサン・リットマ

、メレディス・スティーム

http://www.dlife.jp/lineup/drama/coldcase_s4/




 

Oct. 29, 2006
第6話 レコード Static

脚本/Gavin Harris 監督/Kevin Bray
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1958年8月29日
人気DJのジョン・ホーキンス(通称:ホーク)の元には、女性
ファン・グルーピーがよく訪れていた。グロリアもホークの
ファンの一人。ラジオブースにやってくると、彼に今夜の
ラジオでサマータイムブルースを流して欲しいと懇願し
サインをもらっていく。若者たちはみんなホークのラジオを
楽しみにしていた。
ホークのアシスタントをしていて、自らロッカーだった
ボーンズは、
ロイ・ハミルトンの新曲をホークに一押しする
中、最近はステレオの音楽が出てきた事を話題にする。
いよいよホークのラシオが始まる。
ロックンロールパパことホークのWIXA、フィラデルフィアの
ラジオがスタート。
ジーン・ヴィンセントのセイママ
最初に流して進行する中、突然曲調を変えて、
スカーレッド
ローズ
を流す。スローバラードの曲にリスナーたちも恋人
とよろしくやりながらも耳を傾けるが、突然その曲がある
場面で何度も同じフレーズを繰り返し電波に乗せて流れる
のを耳にする。その頃ラジオブースでは、ホークが拳銃に
よって頭を打ち抜き死亡していたのである。当時の警察では
自殺だと判断する。

2006年。
50年代のDJ、ジョン・ホーキンスのドキュメンタリーが制作
されることになったとスティルマンは語る。リリーはウチの
母親がファンだったとし、ロック全盛の頃の話だという。
録音技師のトム・バーギはそんな
ホークの死の直後の録音
されたテープを分析していて、不自然な事に気がつく

オンエア中に頭を打たれて死んだホークだったが、倒れた
際に録音ボダンが押された為に、当時の記録音声が残ってい
た。デジタル化して音声分離した結果、レコードの音を下げる
と室内には誰か別の人物の足音があるというのである。
DJブースから誰がドアを開けて出て行っており、その後
30分後にホークの遺体は発見されたというものだった。

当時DJだったホークはロックンローラーよりも勝るとも劣らない
ものが有ったとしてスティルマンから話を聞く。
DJは各地にいて有名なのは、ニューヨークのアラン・フリード
ロサンゼルスにはウルフマン・ジャックなどが居たという。
昔はDJが流行の仕掛け人だったという事を聞き、
ペイオラの
時代
だという。曲を流す見返りに金を受け取るという事が
横行していたとのこと。しかしホークはそういう人からは金を
受け取らず音楽を本当に愛していた為に黒人の曲も流していた
とジェフリーズは語る。
ジェフリーズはカントリーが好きで
大学時代にDJをしていた
事を聞いて、スタッフたちは驚く。

ホークは24歳で離婚し、遺産は離婚した妻・ドッティ
受け取っている事を知る。しかしホークはその時破産寸前だっ
た事が判明する。最初の妻が何か知っているハズだとして
話を聞くことになる。

一方スコッティを尋ねて署には義姉の
アレグリアが来る。
義姉によるとスコッティの兄マイクはここ三日間寝ているの
だとし、医者は何処も悪くは無いと言っているのだという。
アナタがウチに来た後から変になったのだとして何か言った
のか?と問われる。スコッティは今夜兄の元に行って自分が
話をすると語る。

最初の妻・ドッティから話を聞くと、自分は平凡な生活を
望んだが、ホークはロックンロールを選んだのだという。
離婚後は一切連絡はしていないとのことだった。

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ロックンロールが全盛期だった1958年代。
当時人気DJだったホークがラジオの放送中銃で頭を撃たれて
亡くなる。当時の捜査では自殺だとされた案件だったが、
当時現場の状況が偶然録音されており、ホークのドキュメンタ
リー番組を制作する過程で見つかる。その中には、自殺だと
されていたはずなのに現場に足音があることがわかる。

当時の技術では発見できなかったことを現在の技術によって
再現して解決を果たすというもの。
自殺案件でコールドケースではないという感じがしないでもない
けど、こういうのもこの部署が扱うものなのかな。

時代の転換期にはいつでもこういう謎めいた死というものが
つきもので、大抵は金銭的な利権なり、立場を保守するがための
きっかけによって引き起こされることが多い。
その死が時代の変遷に対する反抗的な意味合いがあるのか、それ
ともホークが貫いてきた音楽に対するこだわりに対する反駁心
からなのか、それとも本当に自殺していたのか・・・

このドラマ、この手の時代のものだと、スティルマンとか
ジェフリーズの当時の知識なんかもすごく役に立つね。

メディア形態が町の酒場のジュークボックスからラジオへ移り
そしてテレビの時代へと変遷していく。
ショウビズの巨額の利権の流れが事件に関わり合いがあるのだろう
と視聴者に推察させ続けて起きつつも、このドラマらしく、最後の
最後までうっちゃり続けて、最終的には保守的な元妻が好き勝手し
てきた夫に娘を取られることに嫌気がさして殺害してしまったと
いうものだった。

時代からすると黒人音楽を放送することへの反発心が有ったで
あろうことも推察できるし、実際にチェスターがリトル・リチャード
のライブの中でもそのことを語っている。

おもしろいのはジェフリーズがカントリー系のDJをしていたという
こと。

そしてありがちだけど当時の音源が残っていて、実際の歌にはもっと
深い意味合いの歌詞が含まれていて、その事実をエルトン・ジョン
のダニエルを引き合いに出して、元々はベトナム戦争で死んだ兄へ
の反戦歌だったと説明していた。

当時の事情を知っている人ならばいろいろと深い意味合いのシーン
が多く、流れている音楽なども含めてメッセージ性の強いものが
有ったのだろうね。

そして今回なんといってもスコッティの兄の幼少期の小児性愛者
による事件が動き始めた。
フィッツパトリックコーチの件で起訴できない状況に陥ろうとして
いる中で、果たしてマイクが証言者として法廷に立つのだろうか。
スコッティとマイクが幼少期に歌の当てっこと称して"Our House"を
口ずさんでいるシーンというのも象徴的に描かれていた。

しかしラジオで同じフレームの曲が繰り返し不自然に流れている
のを聞いて誰もスタジオにかけつけようとしなかったのだろうか?
銃声がラジオから聞こえてこなかったのかとか色々と気になることも
多いけどね。

■使用された曲

・Gene VincentのSay Mama
・Danny & The JuniorsのDottie
・Jimmy Cavallo and the House RockersのRock Rock, Rock
・Gene VincentのBe-Bop-A-Lula
・Little RichardのReady Teddy
・The Everly BrothersのProblems
・Gary HaaseのScarlet Rose

リリー・ラッシュ (Kathryn Morris) 殺人課の刑事
スコッティ・ヴァレンズ (Danny Pino) 殺人課
ジョン・スティルマン (John Finn) リリーの上司
ニック・ヴェラ (Jeremy Ratchford) リリーの同僚刑事
ウィル・ジェフリーズ (Thom Barry) リリーの同僚刑事

フラニー・チン (Susan Chuang) 検視医
ギル・シャーマン (Kevin McCorkle) 刑事
キャット・ミラー (Tracie Thoms) 麻薬課刑事 s3#8から
マイク・バレンズ (Nestor Carbonell) スコッティの兄
アレグリア (Camillia Sanes Monet) マイクの妻
若い頃のスコッティ (Allen Alvarado)
若い頃のマイク (Lorenzo James Henrie)

2006年
ドッティ・ミルズ (Julie Adams) ホークの妻、殺人
ジェニー・モナハン (Rutanya Alda) ホークの娘
テッド・チェスター (Robert Symonds) カーリーの父
スコット・シェンコビッチ (Robert F. Lyons) 'Skiz'、前科者
トム・バーギン (Adam Chambers) 音響編集者
ティミー・ハムリン (Richard Roat) "ボーンズ"、レコード制作会社

1958年
ジョン・ホーキンズ (Charles Esten) "The Hawk"、人気DJ
ジェニー・モナハン (Sarah Drew) ホークのファン
ティミー・ハムリン (Eric Jungmann) 'Bones'、歌手、ホークのアシスタント
ドッティ・ミルズ (Cari Shayne) ホークの最初の妻
スコット・シェンコビッチ (Chad Brannon) 'Skiz'、ジェニーに付きまとう
リトル・リチャード (Ken Elliott) ロックンローラー
--- (Kandis Erickson) Teen Girl
テッド・チェスター (Christopher May) カーリーの父
ベンソン・オックリー (Paul Perri) レコード会社
カーリー・チェスター (Alison Anderson) 16歳少女、ホーク好き
--- (Aynsley Bubbico) Teen Girl
--- (Kimberly Parmon) Swing Dancer
--- (Mona Weiss) Dancer


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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