コールドケース 迷宮事件簿 Cold Case (シーズン4) 製作総指揮：ジェリー・ブラッカイマー、ジョナサン・リットマ ン 、メレディス・スティーム http://www.tv-tokyo.co.jp/coldcase3/

Dec. 10, 2006
第11話 カントリー・シンガー The Red and the Blue

脚本／Meredith Stiehm 監督／Steve Boyum
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2000年11月13日。
南部テネシー州からフィラデルフィアへ向かう三人の男たち
が居た。ワゴン車に乗る三人は、長男・タイ・シュガー、次男
トラック・シュガー、スチールギアを担当するダスティ・レイ
の三人で、"シュガーボーイズ"というカントリーミュージシャン
たちだった。トラックはイーディ・ロウというポップソング
を歌う女性と知り合いで好意を寄せていたが、イーディは高嶺
の花だという。
いよいよ今夜出演するライブハウスに到着。
メインはイーディ・ロウだが、シュガーボーイズも演奏させて
もらえる事になったのである。あのジョニー・キャッシュも
フィラデルフィアのここでスタートを切ったのだとして、俺た
ちもここの箱から飛び出そうと告げる。
しかしトラックは店の前で胸を銃で撃たれて死亡して発見され
る。

2006年・現在。
クリスマスムードが高まる中、スティルマンはオフィスに
クリスマスツリーを飾る。
ジェフリーズはそんなツリーを眺める中、ギャレットが
スティルマンたちの元にやってくる。スティルマンはジェフリ
ーズに対して、彼は元相棒だろう?とするが、ジェフリーズは
地獄の二年間だったという。とにかくアイツは仕事をしない
奴だったのだという。

ギャレットがここにやってくると、突然証拠品である銃を
持ってくる。これは6年前に殺害されたテネシー州のカウボーイ
が撃ち殺された銃で、先週妻が夫に発砲する事件が有ったが
製造番号こそ削られているが、鑑識によるとその事件と今回の
事件は同じ銃が使われた事件なのだという。ギャレットは
詰めの段階だが、確実に問い詰める為にスティルマンら
未解決事件専従捜査班が捜査を引き継いでくれないかという。
現在ミスが出来ない状況なので確実に逮捕に追い込みたいのだ
という。

6年前の事件がカントリーシンガーだと知って、スコッティは
カントリーのことをバカにする。
コールドケースの証拠保管室に行き6年前の事件・トラック・
シュガーの事件調書を調べると、ジェフリーズは思った以上に
ギャレットが仕事をしている事を知る。
被害者はトラック。兄のタイとスチールギターのダスティ・レイ
とカントリーバンドを組んでいて、亡くなったのはブルースター
ラウンジの裏で射殺されて発見されたのだという。
遺体はフィラデルフィアに埋葬されているとのこと。
夫・ミッチを撃ったという妻・カイリーの事件については、
現在リリーとミラーが調査しているので、俺たちはトラック
の事件を調べようと告げる。スコッティはカントリーに対して
嫌悪感を示していると、スティルマンとジェフリーズはカントリー
が嫌いなのかと問い今度CDを貸してやるという。
「俺のセクシートラクター」「テキーラで口説け」はとても
良い曲だぞという。

リリーとミラーは刑務所に収監されているカイリーに会いに
いく。すると夫・ミッチは重傷だとするが、銃で撃ったのは
浮気した罰だという。リリーたちはトラックの事件で撃たれた
銃が使用されたことを告げると、彼女はトラックのことを
知っていた。カイリーによると、この銃はミッチのもので、
アイツがトラックの件でも犯人だという。事件の夜、夫は
早く店を出た事を告げ、奥さんの元に帰ると言っていたという。
当時の私はまだ愛人の座だったとのことで、ミッチの店で
夜遅くまで働いていると銃声が聞こえたのだという。
そして覗いたらトラックが死んでいて、近くにミッチの銃が
落ちていたという。事件の日、イーディの推薦でトラックたち
のシュガーボーイズはブッキングされたが、ミッチはL.Aから
バンドが来ているのでシュガーボーイズの公演を中止させよう
としたのだという。しかし12時間かけてきたシュガーボーイズ
の面々は、ミッチの腕をねじり上げて、公演をさせたとのこと
だった。

ヴェラとジェフリーズはミッチから事情を聞く。
殺害当時、昼間にトラックに恥をかかされたのだろう?と問うと
拳銃はあの夜に消えた事を語る。俺はカイリーが持っていた
ものだと思っていた事を告げる。問題と言えばバンドの間でも
トラブルがあり、白い帽子をかぶっていたダスティは公演の
セッティング最中に何かもみ合っていたという。
タイは車に積み込んで於いてアンプが無くなっていることを
尋ねると、ダスティが質屋に入れていたことが分かる。
彼は薬中毒だったとし、薬を買う金の為にアンプを質に入れて
いたことで互いにもめていた事を知る。
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夫婦の痴情の縺れが引き金となって夫に発砲した銃は6年前の
カントリーシンガー殺害事件に使用された銃だと知って捜査
が開始される。その話を殺人課に持って来たのはジェフリーズ
の元相棒のギャレット捜査官だったが、ジェフリーズは
彼が仕事をしない人物だとして認識しており、あまり良い
感情を持っていなかった。
既に事件の捜査は詰めの段階に入っている事を聞かされ、彼から
引き継いで捜査を開始していく。

今回は南部テネシーへの出張スコッティ、リリー組と地元の
フィラデルフィア組とで分かれて二元的捜査が行われる展開
だった。

リリーが取調室で語るように、人を殺す動機の1位と2位は
金と愛、3位が嫉妬だとするように、今回その三タイプの動機を
持つ3者を登場させて、どれが結論に導かれる流れなの
かをあみだくじのような形で少しずつ容疑を絞っていく。

出張することでハメを外すということは有るのだろうけど、
最近恋愛ネタではご無沙汰だったスコッティが女性がらみの
ネタを持ち出してきたで現役復帰かと思わせるものが
有り、リリーも悪のりしてのことなのかあんたも結局はただの
好き者だったのねとつぶやかれてしまうけど、刑事は家庭を持て
ない説を唱えてリリーと共感を得ていた。
それは同時に今回のミュージシャンにも言える事だったね。

スコッティはカントリーが嫌いなようで、その原因には
何か不快な過去の事情でも隠されているのか?と思わせるところも
有ったけど、単純にダサイというところに繋がっていくの
だろうか?最近見た「glee3」ではディスコソングがダサイとして
若者受けし無かったけど、外国人からするとカントリーの持つ
優しいメロディラインは心地よく写るので、寧ろ毛嫌いして
しまっている方が理解出来ない。

黒人であるジェフリーズとミラー刑事は事件捜査の関係で
ナッシュビルに行かねばならない事を受けて、共和党が
多い土地である事や、過去黒人奴隷制度が深く残っていた南部を
訪れることにちょっとした躊躇いの視線を送っていた。結果としては
リリーとスコッティが担当することになった。
南部はまさかにオ・モ・テ・ナ・シ・・「オモテナシ」の
土地柄だったけど、通りすがりに近いようなスコッティ刑事
に身を捧げてしまう女性の姿を見るとこれまた違和感は
ある。リリーに対して都合よくスコッティは協定を結ぼうと
語っていたけど、リリーにしてみればスコッティが俗物以外
の何者でもないことにある意味では失望を抱いていたのかも
知れない。

リリー自身19歳の時にノックスビルで結婚しそうになったことが
有るとしていたけど、その相手はやっぱりバイクで時々現れる
レイ・ウィリアムズの事だよな。

まだ6年前の事件ということで、風化するには早い事件だし
何よりも本人たちにとっては、そう人生が変わっているとは
思えないところも有る。
しかし当時人気者だったイーディが現在では安っぽい歌手と
なっていたりするところは、ショウビズ界の流行的な流れ
以外にも、やはり目の前で心を通わせかけた男が殺害された
ことで人生の価値観が揺るがされたところがあったのだろうね。

音楽性の違いにバンドが解散の危機にあり、それが動機として
存在しているのではないかというミスリードの仕方が上手かった。
ネタとしてはありがちだけど、前振りの中でもよくバンド内
でいざこざが起きているしね。

結果としては麻薬は人を変えるとばかりの展開だったけど、
成功と金と麻薬と信念ということを考えた場合、何が優先される
のかが個性として面白く現れ、それぞれの人生模様がそれらの
要素をすべて含んでいる感じだったね。

そして何よりも今回はジェフリーズの元相棒が登場。
ジェフリーズは怠け者だとして、相当ご立腹していた相手だけど、
実際には妻が入退院を繰り返していたことで、上述した刑事と家庭
の問題の難しさを実感させるところにつながっている。
ただジェフリーズとしてはそんな事実を聞かされていなかったことに
対する水くささなんかも、感じるところが有ったのかもしれないね。

■使用された曲

・Tim McGrawのJust to See You Smile
・Tim McGrawのSomething Like That
・Tim McGrawのAll I Want
・Tim McGrawのI Do But I Don't
・Tim McGrawのFor A Little While
・Tim McGrawのCowboy in Me
・Tim McGrawのDrugs or Jesus
・Tim McGrawのGot Friends That Do
・Larry BagbyのCounting My Lucky Stars