コールドケース 迷宮事件簿
Cold Case (シーズン4)

製作総指揮:ジェリー・ブラッカイマー、ジョナサン・リットマ

、メレディス・スティーム

http://www.tv-tokyo.co.jp/coldcase3/




 

Jan. 14, 2007
第13話 停電 Blackout

脚本/Tyler Bensinger 監督/Seith Mann
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1996年1月11日。雪が降る日
この日はウィリアムス家の孫でジニーの息子・マットの誕生日だ
った。ジニーの弟・タッドはカメラマンを目指して活動をして
いたが、彼はルワンダなどの紛争地域で危険な場所でのフリー
カメラマンを勤めていた。
ジニーとタッドの父・スタンダイアンと一緒にマットの誕生日
を祝いに来る中、ジニーの元妻・ローレンもやってくる。
可愛い孫の誕生日なので来ないわけには行かないというが、
ジニーは形式的に呼んだだけでまさか、母が来るとは考えて
いなかった。スタンがオハイオ出身のダイアンという女性を
連れてきていたのを知りつつも、タッドが連れてきた彼女だろう
と嫌みを言い、息子のタッドが未だに死体の写真ばかり撮影して
いるとして、仕事っぷりを非難する。
そんな中突然停電が起きるローレンは暗闇が大嫌いだったので
一人おびえる。
その日の夜、ローレンはプールの中で溺死体として発見される。

リリーとスコッティはポール・ヘラーというネット長者から
自宅に呼び出されて向かう。遺体としてかつて発見されたローレン
に関する情報が有ると聞かされたからだった。
ポールはウィリアム家を購入した人物だが、ローレンが亡くなった
とされるプールの飛び込み板の裏から死と関係するものではない
かするものが見つかったとして連絡してきたものだった。1996年に
この家が売りに出されて最初に購入したのが僕だという。

スコッティは飛び込み板の裏側を見るとひっかき傷があり、
更に赤いつけ爪が付いている事が分かる。ローレンが当時ここで
争ったのは確かな様だとして、捜査を開始する。

ヴェラはトニアンドレを見かけると朝の挨拶をする。
アンドレが居なくなったのを見ると、トニは今朝ベッドでソックス
が落ちていた事を告げる。慌てて追い出されたので忘れてきたの
だというヴェラ。トニはまだアンドレに二人の関係を知られたくない
のだという。

そんな中、ローレンの事件についてみんなで当時見つかった物証
や調書を調べ直す。それを見ると溺死とされているが、今回見つか
った物証からすると、おそらく飛び込み台の上から頭を押さえつ
けられてローレンは何かを必至で掴もうとしていたのだろう
という。
1996年1月11日の午後8時15分から深夜1時37分まで、停電が有った
事を知る。死亡推定時刻は午前1時だったので、恐らく闇の中
で殺されたのだろうとのこと。翌朝6時に元夫のスタンがプール
で遺体を発見したが、血中アルコール濃度は0.24だったので、
泥酔した状態でプールに入ったのが原因だとされていた。

当時家に居たのは、元夫のスタン、娘のバージニア(ジニー)
息子のタッド、スタンの婚約者のダイアン・ギルバート、
そしてジニーの子で13歳のマシューが居たという。金持ちが
5人いて、ローレンが死んだことで一番経済的に得をしたのは
誰なのかと告げる。ミラーは元夫が怪しいと推察。スタンは
当時60歳で婚約者は28歳。つまりくそ野郎だということだと
いう論理だった。
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ウィリアムス家の祖母・ローレンが1996年の大停電の日に
一家が孫の誕生日の為に集まる中、深夜のプールで溺死して
発見される。家族の中でもとりわけローレンは問題を抱えていて、
彼女が来ることで争いが起こるとして、孫の誕生日にローレン
を呼んだ事に後悔を示していく展開へと繋がっていく。

若い頃には若さ故に何でも出来ると勘違いしていた女性が、
年を取り老いる事への恐怖と同時に、自分が良かれと思ってして
いる事は家族を不幸に陥れるものだと分かっていく。
かねてからそんな問題を引き起こしていた祖母ローレンを誕生日
に呼ぶことは問題だが、血のつながりがある分、邪険にばかり
扱うことが出来ず、呼んでしまったが最後、まさに最後まで
ウィリアムス家はそんな彼女のエゴによって振り回されてしまう
という展開だった。

気になるのは、ローレンがどの時点から家族に対して嫌な行動を
取り始めたのかという事なのかも。
スタンがローレンの美を否定して、別の女性に走った瞬間に
自分の中の過度な美意識に火が付いて、老いていく自分の中の焦燥感
を覚えるごとに、悪態をついてでも何かしなければならないと
感じたのだろうか。

スタン側に問題があるのではないかと思っていたけど、寧ろ
虐待をしていたのはローレンであり、実の息子のタッドに性的虐待
していたとする事実があまりに酷い事実として描かれた。
そしてまた新たな被害者を産む可能性が有ると知って、ジニーの
息子にまで手を伸ばしたところは、流石に子供の時に弟を助けられ
なかったことでの、罪悪感も相まって、ローレンに対して感情的に
振る舞ってしまった部分も有るのだろう。

ただ状況設定として分からないのは、スタンがこの家の財産のすべて
を彼女によって奪われているという事実だった。
幼児虐待をしているとすれば、ローレン側は寧ろ遺産など手が入らない
のではないのか?

停電に恐怖を覚えているというローレンの姿を見ると、幼少期に
自分も虐待されていたり、何らかの過去は有りそうだ。

タッドの心もまた複雑。憎みはしていたけど、愛していたことも
確かで、彼が写真としてモノクロの写真しか撮影できなくなった
ことや凄惨な遺体現場の写真ばかり撮っていることも、ローレンが
抱える心の闇と同じ物が含まれているのかもしれない。
ローレンは他人を自分と同じように不幸に事が心の平静を
保つのが唯一の方法だったことを考えると、タッドの中の心の闇も
また深いものが有り、モノクロム時代の母しか見られなかった
という部分があるのかな。

ヴェラはトニとアンドレと良い感じの関係に。
特に問題だったのはヴェラとアンドレの関係だったけど、
子供嫌いだと思っていたヴェラも扱い方は上手いね。この辺は
いずれ必要になる男親のことを考えると、良いアドバイザー兼
継父になれるのかも。

スタンの恋人で二人の子持ち役・ダイアンを演じたのは
Lindsey McKeon。One Tree Hillでヘイリーの姉を演じて
ドラマをかき乱す役割を果たしていた。
Veronica Marsではシーズン3の終盤、トリッシュ役として
として登場する。

■使用された曲

・The WallflowersのOne Headlight
・Collective SoulのThe World I Know
・R.E.M.のBang and Blame
・Collective SoulのDecember
・Dave Matthews BandのTypical Situation
・The Goo Goo DollsのName

リリー・ラッシュ (Kathryn Morris) 殺人課の刑事
スコッティ・ヴァレンズ (Danny Pino) 殺人課
ジョン・スティルマン (John Finn) リリーの上司
ニック・ヴェラ (Jeremy Ratchford) リリーの同僚刑事
ウィル・ジェフリーズ (Thom Barry) リリーの同僚刑事
キャット・ミラー (Tracie Thoms) 麻薬課刑事 s3#8から

アンドレ・ハルステッド (Oren Williams) バスケ少年
トニ・ハルステッド (Sonja Sohn) 看護師、アンドレの母

2007年
マット (Julian Bailey) ローレンの孫、ジニーの息子

ローレン・ウィリアムス (Donna Mills) 母親
スタン・ウィリアムス (Perry King) ローレンの元夫
タッド・ウィリアムス (Scott Holroyd) ローレンの息子
ダイアン・ギルバート (Lindsey McKeon) スタンの彼女
ジニー・ウィリアムス (Kate Norby) 長女、ローレンの娘
若い頃のマット・メリマン (Dylan Patton)
ポール・ヘラー (Ron Morehouse) ネット長者


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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