コールドケース 迷宮事件簿
Cold Case (シーズン4)

製作総指揮:ジェリー・ブラッカイマー、ジョナサン・リットマ

、メレディス・スティーム

http://www.dlife.jp/lineup/drama/coldcase_s4/




 

Mar. 4, 2007
第16話 ベビーベッド The Good-Bye Room

脚本/Jennifer Johnson 監督/Holly Dale
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1964年3月22日、17歳のヒラリー・ウエスト父・ウィリアム
母・パトリシアと共にあの施設へと車で向かっていた。
ヒラリーは17歳にしてハックとの間に妊娠してしまうが、この
時代、堕胎は決して許されず、そして結婚前の妊娠も世間体を
考えるとあり得ない時代だった為に、若くして妊娠してしまっ
た娘たちは施設に送られることが多かった。ヒラリーは妊娠
してしまった事に関して、だれもこういう結果になるという
事を教えてくれなかったのだとし、誰にも見られないようにす
るから家に居させて欲しいと頼む。しかしウィリアムは写真で
見るよりも良い施設だとして、ここに居るシスターたちも良い
人の筈だとして、娘を一人残して施設から立ち去る両親。
パトリシアはあの子は外泊だってしたことが無いのにと夫に
思いとどまるよう告げるが、夫の意見は絶対の時代だった。
置き去りにされたヒラリーは二ヶ月後の1964年5月、施設近く
の森で殺されて発見される

バーバラはこの日、殺人課のリリーの元を尋ねてくる。
二日前に母が亡くなったが遺品の中からあるものを見つけた
のだという。出生証明証でまさか自分が養女ではあることは
一度も聞かされた事が無かったという。実の母の事を調べて
いたら私を産んだ次の日に殺されているのだという。
母の名前はヒラリー(17歳)。手放した訳を知りたいのだという。
リリーは17歳と聞いて事情が許さなくて仕方なく手放したので
はないかとするが、私には9歳の息子がいるが絶対に手放す
様なことはしないという。しかしリリーは時代が違うとし、
準備が出来ていないウチに親になる人もいるのだという。
セント・メアリーズという未婚の母の施設がありそこに居た
事が分かるが、当時の新聞記事にはその事に言及はなかった。
誰かが秘密にしたくて隠蔽しているのかも知れないと告げる。

当時のヒラリー事件について倉庫から事件調書を取りに行く。
ヒラリーは頭部を鈍器で殴打されており凶器は発見されて
いないこと。施設から約2kmの森で殺害されていること。
施設は74年に閉鎖されていて、ヒラリーの両親は当時、娘は病気
で自宅療養中で事件当夜に居なくなったとしていること。
ジェフリーズやスティルマンは当時の未婚の母は大変な問題
だったのだとして、ウチの学校でも突然居なくなった女生徒が
居たという。みんな事情は知っていたとの子だった。
中絶が違法で未婚の母がタブー、そしてろくに性教育もされず
に、避妊薬は既婚者だけに許されていた時代。ただ禁欲のみ
を強いられたという。スティルマンは性教育は兄から学んだ
というと、ジェリーズはその兄が神父になっているのだから
不思議だと笑う。
バーバラのパパがボーイフレンドなのか?

オーバーランド家に行くスコッティとヴェラ。
孫の誕生日のようで孫がはしゃいでいる中、ハックを呼び出す。
ヒラリーについて聞きたい事を告げると、久しぶりに聞いた
名前だという。出産直後に殺された事を告げると、妊娠は知って
いたが当時二人は高校生であり、ヒラリーは確か親の命令でどこ
からやられると聞いたのだとし、ある日消えたかと思えば2ヶ月
後に亡くなったという知らせを聞いたという。連絡することは
禁止されていたと語る。

ヒラリーは当時妊娠していく体型に制服合わず、恋人のハック
に相談していた。親に言えば殺されるというハック。
一度目のセックスでは妊娠しないと聞いていたのに・・として
初めて互いに交わりそれが妊娠に繋がっていた。ハックは始末
する方法も有るのではないかとするが、ヒラリーはそんなのは
いやだとし、死ぬのは女性の方だという。ハックはそれならば
結婚しないかと告げると付き合って二ヶ月の関係だと指摘される。
それにハックはイェール大に進学するのではないかと問うと、
どうせ合格はしないという。ヒラリーは私の事を愛しているか?
と問うとハックは彼女の手を握り愛しているとほほえむ。

ハックは責任を取ろうとしていたが、彼女の父親に伝わってしまい
それ以降逢わせてもらえなかったと語る。大人の命令には逆らえ
なかった時代だとし、自分は男の子か女の子かさえ聞かされて
いないのだという。スコッティはバーバラという子であることを
告げる。

ヒラリーの母・パトリシアから話を聞く。
セント・メアリーについて何故当時話さなかったのかと問うと
夫からは黙って居ろと言われたのだという。当時の夫の言葉
は絶対だったとし、思い出を守る為だと言い聞かせたのだという。
世間体が大事だった事を告げ、施設には一度だけ行ったが、
表面上立派だったが実はそうではなかったと語る。

施設にいくとヒラリーはカレンという妊婦の少女と仲良くなって
いた。シスター・マーガレットは妊婦たちのことをフィネガン
医師に診せていたが、ヤブ医者で何人も妊婦を死なせているの
だという。
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殺人課を尋ねてきたバーバラは、亡くなった母の遺品から
自分が養子で有ったことを初めて知り、そして母が自分を
産んでから翌日に亡くなっているという事を知って、相談
にやってくる。調べると確かにバーバラの生みの母・ヒラリー
は17歳の時に出産した直後に亡くなっているが、持ち物から
して当時捜査資料には載っていない事実が発覚していく。

アメリカの価値観でも60年代当時は未婚の母というのが相当
世間体的には悪く写るところが有ったんだなと思わせるところ
が有った。

MAD MENの時にも一度書いたことがあるのだけど、妊娠・
そして堕胎に関して、三つの時代(1952年、1974年、1996年)
を描いたオムニバス映画「スリーウイメン」という作品が有る
のだけど、その中で堕胎手術が禁止されていた時代の
女性をデミ・ムーアが熱演していた。法律で禁止されている
堕胎に関して、違法な医師によって危険な手法で手術を
行う結果命を落としてしまう悲劇を描いたもの。
それに加えて、このドラマでは「MAD MEN」に登場する
シングル女性が周り近所から後ろ指を指されて生活して
いるシングルの女性が登場するのだけど、上流階級で
あるほどに、そういう世間体が気になるところがあるのだろう
ね。

今回はなんと言っても親子問題ということでリリーの事情
とも被ってくるところが有る。リリーは幼少期にアルコール
中毒の母親によって酷い目に合わされた挙げ句に捨てられた
する心の傷が存在しているので、今回は事あるごとに、
元々母親には向いていないタイプの女性がいるのだとして
語る姿があったけど、このドラマに出てくる女性はどれも
まかりなりにも子供を愛している姿が有り、まさに時代が
悪かったという一面が色濃く描かれていたと思う。

シスターとして行っていることの偽善さに憤りつつも、
病院の経営論と同じく、金が無いことには病院を維持
出来ないとするジレンマとの間で揺れ動くものが有り、
決して悪い目的で子供を売っているとは思わないけど、シスター
がそれを行うと途端に不審さを覚えるところも有るな。

犯人は最後まで分からなかったけど、一緒に助け合おうと
していたカレンが子供から捨てられ、そして友人としても
ヒラリーから捨てられそうになる現状に耐えきれないところ
が有ったのだろうね。

ただ最後にバーバラとしては母親を追い込んだものたちに憤りを
感じてもおかしくはなかったのだけど、その辺は養母の教育
がすばらしかったのだろうし、時代を母親の死からは随分と
時間が経過していることも有るので敵意は既に時効と共に
喪失しているのかもしれない。

ついでに最後にカレンの息子が見つかる辺りは良かったのだ
と思う。子供の時の写真だけど、その後何をしているんだ
ろうね。

大好きなThe Supremes曲が多くの場面で流れたので満足感が
有った。サンシャインという名前で呼んでいたところも
また歌にタイアップしてジーンと来るものが有った。

■使用された曲

・The SupremesのBaby Love
・The SupremesのWhere Did Our Love Go
・Ben E. KingのStand By Me
・The Four TopsのBaby I Need Your Lovin'
・Brenda LeeのLosing You
・Carly SimonのYou Are My Sunshine

リリー・ラッシュ (Kathryn Morris) 殺人課の刑事
スコッティ・ヴァレンズ (Danny Pino) 殺人課
ジョン・スティルマン (John Finn) リリーの上司
ニック・ヴェラ (Jeremy Ratchford) リリーの同僚刑事
ウィル・ジェフリーズ (Thom Barry) リリーの同僚刑事
キャット・ミラー (Tracie Thoms) 麻薬課刑事 s3#8から

アンドレ・ハルステッド (Oren Williams) バスケ少年
トニ・ハルステッド (Sonja Sohn) 看護師、アンドレの母
フラニー・チン (Susan Chuang) 検死官

2007年
ハック・オバーランド (Bruce Boxleitner) ヒラリーの元恋人
シスター・マーガレット (Georgann Johnson) 養老施設
カレン・ワトソン (Sandy Martin) 息子を捜している
パトリシア・ウエスト (Patricia Place) ヒラリーの母
--- (Sterling Beaumon) Brat
バーバラ・レイキイ (Jillian Boyd) ヒラリーの娘
--- (Jordan Green) Brat
--- (Leslie Murphy) Singing Pregnant Girl
--- (Joss Saltzman) Boy
--- (Delia Sweeney) Singing Pregnant Girl
--- (William James Kelly) Delivery Guy

1964年
ヒラリー・ウエスト (Johanna Braddy) 17歳娘、殺害される
パトリシア・ウエスト (Elizabeth Connors) 母
カレン・ワトソン (Michelle Page) 妊婦、ヒラリーと施設で友人に。
シスター・マーガレット (Bree Pavey) セントメアリーの施設長
パトリシア・ウエスト (Andy Fischer-Price)
ウィリアム・ウエスト (Butch Hammett) 父


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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