コールドケース 迷宮事件簿
Cold Case (シーズン4)

製作総指揮:ジェリー・ブラッカイマー、ジョナサン・リットマ

、メレディス・スティーム

http://www.dlife.jp/lineup/drama/coldcase_s4/




 

Apr. 1, 2007
第20話 チアリーダー Stand Up and Holler

脚本/Kate Purdy 監督/John Peters
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1997年9月1日、バーミンガムハイスクール
グラウンドでは新米教師・プルーイットコーチの指導の元、ア
メフト部の練習が行われる中、同時にチアリーディング部の
入団テストが行われていた。親友のレイニーセレステ
二人で何とか合格したい事を告げ、これに合格して先輩たち
に気に入られればパーティーにも出席出来て人気者になれると
告げる。互いに片方だけが合格しても恨まないと告げ、永遠の
親友だと語る。チアリーダーはベッカであり、取り巻き連中も
含めてアメフト部の生徒たちを意識する中で、入団テストを
行う。今年の合格者は、セレステとレイニーだと言われると
二人は手を取り合って喜ぶ。しかし97年9月、レイニーはアメフト
のグラウンドの50ヤードラインの所で死亡して発見される。
レイニーの太ももには特徴的な絵の紋様が書かれていた。

スコッティとリリーは美術館に行く。
アート作品が展示されていて、その中の一つに見に来た人の
秘密を書いてそれを壁に貼りつけるアート作品が展示されて
いた。レイニーの母・エリザベス・カールセンが二人のことを
呼び出すと、レイニーの事件についての話があるという。
リリーはレイニー事件の調書を調べてきたが、検視報告書には
ドラッグの過剰摂取で亡くなったと書かれており、高濃度の
GHBとアルコールが検出されていた。しかしエリザベス
は娘は絶対にドラッグや酒などやらないという。リリーたちは
子供には親の知らない一面が有っても不思議ではないとするが
娘は絶対に周りに流されるような子ではないとし殺害された
のだと主張する。
二人は壁に貼られたメモを見ると、「レイニーを殺した」
書かれており、そしてレイニーの太ももに書かれていたのと
同じ紋様が書かれている事を知る。これは捜査上秘密にされて
いる事だとして、犯人が書いたに違いないと告げる。

レイニーはバーミンガムハイスクールの2年生でチアリーダーに
選ばれたばかりだった。人気者のチアリーダーを殺害する人
なんて居るのかというヴェラ。話を聞いていたミラーはここに
居るわよと告げる中、ヴェラは高校時代にはアイスホッケーの
スターであり州の決勝戦で決勝ゴールを決めてMVPになった
する意外な過去を暴露する。リリーはどんな高校生だったのか
という問いかけに、やはり恐い女だったのかと問う。ミラーも
そうだったのではないかというヴェラ。
リリーは美術館で見つかったメモについて報告する。
当時の検視報告書ではGHBが使われているが、デートレイプに
使うクスリではあるが、ミラーによると少量を利用して
酔っぱらうために使う子も多いとのこと。クスリのストリート
ネームはリキッドXと呼ばれているという。しかしレイニーの
場合かなりの量が体内から検出されていた。しかしレイプの
痕跡はなく、壮行会を欠席した後行方不明になっていることを
知る。アメフトのフィールドで亡くなっていたが、酒を飲んだ
としたら一人で楽しんだとは思えないという。親友だった
セレステから話を聞くようスティルマンは語る。

セレステは署にやってくる。
するとあの夜のことは知らないという。レイニーとは小学6年生
の頃からの親友で、レイニーは父を亡くし、私の親は両親が
離婚することで互いに悩んでいるところに出会ったのだという。
互いの存在がシェルターだったとのこと。
レイニーはチア部に入部してから色々が開花したまだという。
あの時はベッカ・エイブラムズというチアのキャプテンに
好かれお気に入りにされることでパーティーに呼んでもらうこと
がステータスだったとし、レイニーはベッカから特に気に入られ
ていたとの事だった。

ベッカらチアの人気生徒たちが学食で話しているところに
セレステとレイニーは声を掛ける。
するとベッカはセレステに入部したのを機に秘密を教えてあげる
という。昔あんたにあだ名を告げていたとし、"ブラックホール"
と呼んでいたのだという。何でも食べるからだという。
セレステは昔は確かにポッチャリしていたが今はGAPで6号サイズ
だと語る。ベッカはレイニーを気に入り毒蛇成分入りのリップ
グロスを貸す。これを使えば唇がぷっくりして人気が出るとの
こと。そんな会話をしているとアメフト部の人気選手・ケイシー
がやってくる。ケイシーはレイニーの事を入部テストで見たが
可愛いなと声を掛ける。ベッカはその言葉に反応し、レイニーの
事を週末のビアパーティーに招待すると語る。
セレステは呼ばれずあの頃は、人気のチア部に入ってもおデブな
子扱いだったという。ベッカは彼氏を取られそうで必死だった
との事だった。マドンナがブリトニーの"I LOVE ブレトニー"
のTシャツを着たのと同じようなもので、ブレトニーがパリスと
連んだりするのと同じことだという。つまり落ち目のスターが
成長株を押さえつける手であり、ベッカはレイニーをコントロール
したがったのだという。

その頃1997年度卒業生同窓会が母校で開かれようとしていた。
リリーとジェフリーズはベッカから話を聞くために会場へと
足を運ぶ。
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10年前、高校生だったレイニーがドラッグと飲酒によって亡く
なったとされていた事件が再び動き出す。自分の罪を告白する
芸術の壁にその事が言及されたことで殺人課の刑事達は
当時の関係者によって話を聞いていくことになる。

悲しいことだけど親友であるハズの二人が求めているものの
違いが高校に入って顕著になり、それが結果的に悲劇を生んで
しまったという事件だった。
二人にとって一番固執するものが何なのか。

ドラマとして興味深いのはなんと言っても二人の女性の家庭
環境の違いだと思う。レイニーは父親を亡くしたことで悩み
親友のセレステは両親の離婚によって心の傷を背負ってしまっ
ている。
元々持っている二人の性格に対して親を失ったと事実の違いが
彼女たちの生育に於ける性格の違いとして現れてしまった
所も有るのだろう。
レイニーは父を亡くしたことで寧ろ性格的には逞しく育ち、
セレステは両親の離婚によって置き去りにされたとする感じも
強く印象として残ったのだろう。

事件としては舞台が高校だったという事も有ってネタとしても
興味深く見守ることが出来た。
高校時代のカースト制度的な構図だったり、居場所を求める
若者の心情というものを描いたものだけど、日本でもアメリカ
でも似たようなものが有るんだよね。
チアリーダーになる事とプロムで中心人物になる事は女性にとって
の最高の名誉であり、支配者としての欲を満たすところに
繋がっているのだろう。しかし支配者もまた新たな人気者の台頭
によって怯える立場であること。その座に固執するがあまり、
権力者としての力を誇示するが為に息苦しい人間関係が描かれて
いく。

チアリーダーとスポーツ選手の関係はまさに切っても切れない
もの。アメリカと日本の違う所は学生スポーツに於けるアメフトと
バスケットの注目度が段違いであること。アメリカではカレッジ
スポーツも相当人気があるので、高校時代のスポーツ選手のレギュ
ラーはチアリーダー同様に生徒からも保護者たちからも人気が出る。
チアリーダーとスポーツ選手のレギュラー選手は一つの共存・共生
関係にあり、互いのステータスを満たすツールとしての関係なの
だろう。アメリカの場合、これに加えて酒、ドラッグ、そして
イギリス社交界から端を発しているパーティー文化が栄えているので、
ちょっとした間違いが死に繋がってしまうリスクというものも
存在しているのだろうね。

ヴェラとミラーの暴露合戦が笑えた。
ヴェラは今の立場と違ってアイスホッケーのレギュラーで人気もの
であり、ミラーはまた今のイメージとは正反対の黒縁めがねの
努力の勉強人って感じの生徒だったみたいだ。
この二人、ものすごく嫌い遭い、特にヴェラはミラーをずっと牽制
していたので、このやりとりでようやく互いに歩み寄れたところ
も大きいのかもしれない。

明日のことよりも今日の人生が良いのか、今日の日よりも
未来の人生を考えるべきなのか分からないけど、一度まかりなりにも
頂点を極めたものが人生に満足できずに落ちぶれてしまうという
のはなんとなくありがちだけど切ない。ハリウッドの俳優・芸能人
というのは常にこういう事の戦いなんだろうけどね。

高校時代のベッカを演じていたAnnaLynne McCordは、
新ビバリーヒルズ青春白書のナオミだった。

■使用された曲

・SpongeのPlowed
・Spice GirlsのWannabe
・Toad the Wet SprocketのSomething's Always Wrong
・Toad the Wet SprocketのCrazy Life
・HoleのDoll Parts
・RadioheadのHigh and Dry

リリー・ラッシュ (Kathryn Morris) 殺人課の刑事
スコッティ・ヴァレンズ (Danny Pino) 殺人課
ジョン・スティルマン (John Finn) リリーの上司
ニック・ヴェラ (Jeremy Ratchford) リリーの同僚刑事
ウィル・ジェフリーズ (Thom Barry) リリーの同僚刑事
キャット・ミラー (Tracie Thoms) 麻薬課刑事 s3#8から

アンドレ・ハルステッド (Oren Williams) バスケ少年
トニ・ハルステッド (Sonja Sohn) 看護師、アンドレの母
フラニー・チン (Susan Chuang) 検死官

2007年
セレステ・チャーチ (Veronica Lauren)
ジョー・ビベス・アルバレス (Adam LaVorgna)
ケイシー・エバンズ (Drew Powell)
エリザベス・カールセン (Robin Pearson Rose) レイニーの母
ベッカ・アームストロング (Lauren Woodland)
プルイット (Joseph McKelheer) アメフト部コーチ、教師

1997年
レイニー・カールセン (Whitney Able) セレステの親友、ベッカと・・
ベッカ・クロッサン (AnnaLynne McCord) チア部リーダー
ケイシー・カール (Ken Luckey) アメフト部生徒
セレステ・チャーチ (Aviva Baumann) レイニーの親友
ジョー・ビベス・アルバレス (Jonathon Trent) 生徒、レイニー
--- (Paydin LoPachin) Cheerleader
--- (Charlyne Yi) Dorky Girl
--- (Mandy Kowalski) Cheerleader


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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