CSI: 科学捜査班 CSI: Crime Scene Investigation (シーズン10) http://www.tv-tokyo.co.jp/csi10/ http://www.watch-csi.jp/csi/csi10episode.php

第6話 破壊的トラウマ Death & The Maiden

脚本／Jacqueline Hoyt
監督／Brad Tanenbaum
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暗闇の売春婦街で男性・トミー・ベイカーは何者かによって
追いかけられ捕まえられると激しく殴り飛ばされる。
重度の裂傷を負ったトミーだが、命は助かる。現場に居た黒人
の売春婦から話を聞く。迷子のネコ"ブッシーキャット"を捜し
ていたのだという彼女の服には血が付着していた。話を聞いて
いるウチに彼女がトミーを介抱していた事を知る。私は善き
サマリア人だと。

ニックは病院に行き被害者から調書や証拠を採取しようとしに
いく。するとトミーの兄のマークが心配そうに病室を眺めて
いた。未だに診察してもらえないとしてマークは心配する中、
ニックは落ち着くためにも待合室で何か飲み物でも飲んできたら
どうかとアドバイス。その間にニックはトミーの病室に入り
話しかけながら証拠を採取しようとすると、突然トミーは激怒
して、ニックのカメラを床にたたきつけてしまう。

現場を調べていたキャサリンに合流し、ニックはトミーが精神
的ショックで現在話が聞けない状況だと語る。現場は当たりに
血が飛び散っており、壁には血しぶき。しかし道の血痕は乾い
ているのを目撃。長時間にわたって暴行していたのだろうという。
現場からは犯行と関係が有るのかどうか分からないものの、
精液とクリストフォロのメダルが見つかる。

一方現場から5ブロック離れた電気店で火災事故が起こる。
監視ヘリが8時頃に煙が出ているのを発見し、消火活動をした
のだという。中には男性の遺体が転がっていたが、遺体自体は
軽く焦げただけだった。強盗に入り放火は後で思いついたので
あろう事が想定され、全ては殺害の証拠を隠す為に火をつけた
のだろうとの事。防犯カメラが設置してあるが、テープは抜き
取られていた。
現場にやってきたデビッド。サラは現在パーランプで起きてい
る五重殺人の捜査を担当しているのだという。遺体を見た
デビッドは死後2時間が経過し、銃創が2カ所有るという。
何れの弾も貫通はしていなかった。被害者の服の中に身分証が
有りウェイン・スミス(26歳)。この電気店の経営者だと分かる。
店の準備の為に店にやってきた際に犯人と居合わせたのだろう
か?と呟く。

ニックはトミーの実家を尋ねる。
母親のイベットがいた。彼女からトミーが暴行されたこと、
そして自首退院してしまった事を尋ねるが、あの子は癇癪持ち
だったのでケンカでもしたのではないか?という。そこにマーク
が帰宅すると、マークは母親・イベットを家から追い出して
しまう。トミーの事を尋ねると6時頃出て行ってしまったと語る。
ニックは連絡するよう言ってくれと名刺を残して行く。

店内を調べると、レジは空になっていた。
22口径の銃がレジの中に入っていた。2発発砲した形跡が有る
事から犯人に奪われて殺されたのではないかという。しかし銃を
レジに戻した理由は何なのか。
レジの裏には金のシリアルナンバーが書かれていた。またレジ
には何らかの白い破片が入っていた。
ラングストンは裏口には施錠がしてあるが、窓には施錠が
していないこと。恐らく犯人はここから出入りしたのだろう
と告げる。グレッグは現場で血の付いたバッグを発見。
更に盗品の装飾品が多数発見される。これは行きづりの犯行
ではなく、知り合いの犯行である可能性が高いという。
裏稼業の事も知っていたのではないかと。

被害者ウェインの妹・ジェス(18歳)から話を聞く。
両親を13歳の時に亡くしていこう、兄と二人暮らしだったと
いう。兄を最後に見たのは朝の6時頃だったとのこと。銀行
には週に一度預けに行くだけだったと聞く。

トミーの事を調べていると、家出少年であり母親は酒に入り浸り
である事を知る。警官を殴り、軽窃盗の罪で捕まっていた。
キャサリンは娼婦を買って、金を支払わずにポン引きに殴られた
のではないか?という。
そんな中ウェンディは路地裏から見つかったDNAについて、
血痕と精液は別人のモノだとつげる。トミーが事件について
調べようとしたらブチ切れていたこと、そして兄も事件に
ついて話したがらない所を見ると、トミー自身がレイプの被害者
なのではないか?と推察する。

看護師のジョンから、当時の搬送されたときの状況を尋ね、
採取した血痕を受けとる。またニックはブラス警部から、
被害者支援センターのエイプリル・マーティンを紹介される。
性的暴行をされた男性被害者のことを尋ねるが、マーティン
は露骨にニックがCSIの職員だと聞いて挑発的な態度を見せる。
CSIは遺体を人ではなく証拠としてしか見ていないと突然非難し、
冷血人間だと非難する。
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■重たい事件の中、CSIのスタッフたちの個性が表れたエピ

今回のエピソード、男性のレイプ被害者だったり、家庭内暴力
事件だったりと若年性の被害者の問題を取り上げたことで
重いネタになりがちなものだったけど、CSIスタッフたちの
やりとりは意外とユーモアに富んでいた部分も有った。

■グレッグの一人演技

ラングストンが現場捜査で相手にしてくれないと分かると、
グレッグは一人でラングストンの口まねをして、独り言で
やりとりを行っていた。日に日にグレッグの存在が大きくなっ
ていくな。

■ホッジスは相変わらずコメディっぽい役

エクリーとは読書仲間であり、彼からは「高慢と偏見とゾンビ」
に関しては一目置かれているという。
ウェンディはエクリーから自分が現場での捜査を希望している
事が無視されている現状に怒る中で、ホッジスが口利きして
くれたみたい。そんなホッジスの優しさにウェンディはうっとり
していた。

一連の顛末を語るホッジスが、突然グレッグに対して
「クリエーがエンディウーにバンゲに出るのを何故却下したの
か」と業界用語で語っている姿が有った。グレッグからは当然
"タレバカ"と言われていた。

■ニックは役割が大きくなってきた

今回一番割の合わなかったのがニックだった。
被害者と接触すると、トミーからカメラを壊されたし、
被害者支援の女性からは、CSIの代表みたいな形で散々悪態を
突かれて嫌な思いをする。

■2つの事件が1つになる?

トミーが襲われた件と、電気店火災の件が一つになっていく。
トミーの被害現場では、トミーの血痕とウェインの精液。
電気店ではトミーの血痕のついたバッグが見つかる。果たして
どういう事なのか。
一本の線を結ぶ共通項は、ジェスみたいだ。

■恵まれない家庭環境

同情するだけの家庭環境がトミーにもジェスの中にも存在する。
トミーは母親がアルコール中毒。でも兄のマークはとても弟
思いで良い人だった。一方ウェインは一人で妹を育てているか
と思えば、実際には妹を束縛していて時に家庭内暴力を強いて
いた事が判明。色んな所に殺意が芽生える仕組みが出来上がっ
ている。

■ウェインは盗品売買をしていた。

盗品の一つはガールズクラブに勤めるパム・ハリスのもの。
その店に勤めているアンジェラはウエインと付き合っていた
という。

結果的に、殺害したのは誰でもなくこのアンジェラが殺していた
事が判明。レジに残っていた白い破片がミクロFTIRで分析する
とアクリルであり、スノーボードマニキュアのネイルチップだ
と判明した為のもの。

マークはトミーを庇って自白し、トミーはジェスを庇って自白。
ジェスはトミーを庇って自白する。ただマークはちょっと早と
ちりしてしまった感じで、火災まで起こさなければとりあえず
最悪の事態にはならなかったんだけどね。

■ニックが被害者の気持ちにより添う

ニックはトミーがウェインを殺害していたとするならば、オレ
でも殺しているよと呟いていた。ニックにしては過激な発言
だった。