CSI:科学捜査班 CSI: Crime Scene Investigation (シーズン2) http://www.watch-csi.jp/csi/

Jan. 17, 2002
第13話 第４の殺人 衝撃の結末 Identity Crisis

脚本／Anthony E. Zuiker、Ann Donahue
監督／Kenneth Fink
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雨が降る中、レインコートを着た男性がベガス行きのプラカード
を持ちヒッチハイクしていた。たまたま通りかかった男性・
ピート・ウォーカー(44才)は、気の毒だと思い一度は通り過ぎる
が男・ポール・ミランダーを車に乗せるが・・・

翌日、グッドスプリングス警察のシャンプラン捜査官から
ギルやキャサリンは呼び出される。管轄が違うものの、被害者
が自殺する前に録音したテープにギルの名前に言及されていたから
だという。
遺体は倉庫の中に有るバスタブ内で胸に銃弾を一発浴びて亡くな
っており、自殺前に録音テープに懺悔の声として自分の声を
吹き込んでいた。この手口は、過去に二名の男性を殺害した
ポール・ミランダーによる仕業であることは明らかだった。
キャサリンは何故また殺人を再開し始めたのかと問う。手口は
変わっておらず、自分の父親が生まれた8月17日生まれの人間を
殺害していることは明らかだったが、一人目の被害者、ロイス・
ハーモンが1959年生まれ、二人目の被害者スチュワート・ラム
プラーは1958年生まれ、そして今回起きた殺人事件の被害者は
1957年生まれであることが判明する。録音テープの最後にギル
宛のメッセージが吹き込まれていたが何故固執するものなのか。
ギルの誕生日は1956年8月17日であり、次のターゲットになる
可能性が高かったのである。
少し遅れてウォリック、サラ、ニックも合流する。

キャサリンとギルはニックに録音テープをAVラボに分析に回す
様指示し、ウォリックとサラには逃走・侵入経路を調べる様
告げる。
サラとウォリックは雨で濡れて証拠も流れているのではないか
とするが、意外にも外はげそ痕が残っていた。重さで泥が
沈んだ跡が有り、ウォリックよりも深く沈んでいることから
体格の大きい人物かに思われたが、サラは遺体を背負って倉庫
内に入った為ではないかと告げる。事実現場には一人のゲソ痕
しか無かったのである。

ギルとキャサリンはバスタブで亡くなっている被害者のピート
の遺体を調べると、今までとは違う形跡を見つける。左の顔の
頬に煤と火薬の粒が付着していたのである。撃たれたのは胸
だけなのに何故そんな場所に発射残渣が見られるのか。
更にキャサリンはバスタブ内に毛髪(茶色・30cm)がある事を見つ
ける。

アーチーは録音テープを分析する。
すると反響・エコー音から倉庫内で録音されたものではなく、
恐らく小型のSVUなどで録音されたものだろうという。ハイファイ
のテープなので周囲の音も拾っている事を告げ、色々と音を
多角的に調べて見ると、何かブーっという音(車のガラスを開けた)
や、音楽が流れている事が分かる。ニックはウィリー・ハンク
のドンペイザランサムの音楽だと告げ、ラジオ局に問い合わせれば
この音楽を流していた正確な時間が分かる筈だと語る。
音量の不均衡さから、被害者は助手席側にいた事が分かる。

現場を調べに行くギルとブラス警部。
クラーク郡ではヒッチハイクは禁止なのに何故プラカードがある
のか。しかもヒッチハイクした相手の誕生日のことを何故
知っていたのか。

アルはモルグで遺体を調べると、死因は胸に受けた銃弾で間違い
ないという。顔面の硝煙反応は不自然だが、間近で発砲された
ことは間違いないという。それを見たギルは当時ミランダと
面会した際に新作だと言っていた「善と悪」の造形物を思い出し
これはヤツからのメッセージだと語る。

グレッグはバスタブで見つかった毛は、毛球がついた髪の毛で
あり染色体はXX、つまり女性のものだと分かる。被害者のもの
なのか共犯者が居たのか。しかしギルは顕微鏡を見て、相当
古い毛髪である事を告げる。
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■バスタブ連続殺人事件

捜査担当:全員
被害者:ピーター

CSI:科学捜査班の第一話を飾った事件の容疑者・ポール
ミランダの事件がようやく解決する。
CSI初めての連続殺人事件だったので有る意味では印象深い
ものが有った。全ての事情を知ってみると、この事件を
起こしていたのは、自分の力の無さに幻滅していたのか、
それとも父親を殺害した犯人に対する憤りなのか、それと
も目撃証言をしたにもかかわらず無罪で釈放されたことに
対する不服さなのか、それとも性同一性障害を認めよう
とはしなかった親に対する憤りなのか、それとも養母に
対するものなのか、凄く色んなところに起因しての犯行だっ
たという感じ。

当時のドラマに於ける心理学的見地からの捜査というものが
あまり確立されていなかったということも有るので、この
手のメッセージ性のある連続殺人事件に当時はドラマとして
興味深さは有ったけど、今見ると結構強引な事件である
ところも感じる。

何故今になってポールの実家を尋ねたのか。
これだけの事件であるならば当然それらの事情を知っていて
しかるべきものがあるだろうし、小道具を製作している会社
は父親の仕事だったことを加味しても、そこから今度は
実は判事だったとする流れを演出するのはちょっと強引で
しかない。指紋はかなりこの事件には於いては重要な役割を
果たしたしDNA鑑定が役に立つという事件の流れだったけど、
目の前に犯人が居るのに逮捕出来ないもどかしさというもの
は存在していた。

女性として生まれたが心は男性だったようで、両親が求める
人物像と現実とのギャップによって、二重人格のような生活
を強いられていた上での残虐な犯行が起きてしまった
ことで、相当容疑者心理としては複雑なものが有ったのだろ
うね。

ギルが解明してくれたことで喜んでいた様だけど、この当時
の犯人にしてはCSIの捜査をよく理解していて、指紋なり
髪の毛なりを意図して現場に置いていくという辺りの狡猾さ
がまた何とも言えなかったな。

犯人に復讐するのであればまだしも関係のない人を殺害
しているとか、自分にも家庭があるのに、それを壊してしまう
事への不条理さを感じる事件だった。

因みに容疑者のポールの出演回は以下の通り。

Season 1, Episode 1
Season 1, Episode 8
Season 2, Episode 13

それにしてもギルは一人で単独行動し過ぎ。
ポールの自宅に食事にいくとかちょっとあり得ない感じも
する。

最後に母親を撃って自分も殺したというところに深いオチ
が待っていたという感じ。ギルが殺害されるのかどうか
当時ならばヒヤヒヤして見られたと思う。

■アーチー再び

今思えばアーチーがCSIで活躍するきっかけもこの事件に
よるところが大きかったのかな。
今回も音声解析で活躍する。

■事件はまだ終わらない

今回のドラマの中でポールの息子役を演じていたクレイグ。
写真を撮影して、IDなどを作っていたけど、シーズン10の
2話に成長した姿で登場する。

■ヤーネル捜査官

「ザ・ミドル」のヘック家の父親役のNeil Flynnがチョイ
役で登場。


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