CSI : マイアミ
(CSI : MIAMI シーズン10)

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22 Dec. 2012
第12話 知能化弾 Friendly Fire

脚本/Tamara Jaron、Greg Bassenian
監督/Sam Hill
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末期がんの患者で画期的な携帯電話ソラマージを開発した
マシュー・ストーン。20年前に実家の地下室で作っていたもの
がようやく陽の目を見て500ドルで売れ出されるスマホ携帯は
爆発的人気だった。音声認識、クアッドコアCPU、アモレッドデ
ィスプレー、そしてソーラーバッテリーで動く携帯電話が
僅か85g。しかしその裏で、大金を稼ぐ企業に対して"強欲
企業を倒せ!"としてウォール街に端を発した若者・失業者たち
のデモがマイアミでも起きていた。
マシューは目覚める中、いつものようにシャワーを浴びバルコニー
に出る。彼の携帯には「今がその時・・」とするメールが送ら
れてくると、「3・・2・・1」とするメールの後にマシューの
額に銃弾が当たって死亡する。

デイド署はすぐに捜査を開始する。
被害者はマシュー・ストーンで第一発見者は恋人のアマンダ・
ヤン
だった。スティーブ・ジョブズよりも影響力のある人物
だとされているという。額の周りに火薬輪がないことから
遠方から狙撃されたであろうことが考えられるが、周りには
狙撃出来るようなビルが一切ないのである。
ヤンから話を聞くと、マシューは並の人間ではなかったと告げ、
ガンにかかっていたが彼ならば克服出来た筈だという。
恋人だが彼とは一緒には住んでいない事を告げ、彼は仕事人間
だったという。ナタリアは彼とはどのようにして知り合った
のかと問うと、私はソラマージのプログラマーをしていたのだと
いう。敵対するものについて尋ねると、敵はあまりに多かった
事を告げ、ねたまれて世界中が敵だったという。

ウルフは現場に最新の携帯である、ソラマージSPを見つけて興奮
する。ウォルターに携帯を見つけた事を告げるが、携帯なんて
購入したと思えば次の機種が出ているものだとして、大して
関心を示さなかった。アストンマーチンの車はただの車ではない
ようにこの携帯もただの携帯ではないと訴える。
一方カリーはマシューはハイテク産業に携わっていたが、私生活は
アナログ的ではないのかと問う。テレビがこの部屋にはないと
語ると、会話している内に突然壁のモニタに電源が入る。ウォルター
はすぐに音声認識によるものだと考えて"アメフト"だと語ると、
アメフトの中継がモニタに映し出される。
ウォルターは三日月状のものが付着していることに気が付く。
なんと盗聴器だったが、裏に指紋が付着していたことから、それを
取り付けた人物を調べる。
指紋はマシューと共に会社で働くCEO代理のジェリー・ブラックバーン
のものだった。話を聞くと、マシューはがん治療の過程で時折
常軌を逸して現実を認識出来ずにマスコミにウソを話したり、
大事な情報を漏洩してしまうことが有ったので、自衛のため・会社
を守る為に盗聴器を付けていただけだと語る。
しかしCEOの代理の立場であるならば、彼が亡くなればCEOの座
につけるとして、容疑の目を向ける。

現場に落ちていた携帯電話を調べるベントンは最新機種に興奮して
いた。ホレイショは通話記録や内容を調べる様告げるが、
セキュリティが厳しくソフトで現在解除を試みているのだと
いう。本日の通話記録を見ると、死ぬ前に複数のメールを
受け取っており、「今がその時・・」「3・・2・・1」とまるで
死を予告していたかのようなメールだという事が分かる。
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スティーブ・ジョブズよりも影響力があるという画期的携帯
の開発者のマシューが額を弾丸で射貫かれ死亡する。
状況証拠からも殺害したものは遠方から発射したことが
明らかになるが、マシューがいる高層ビルを狙撃出来る様な
ビルは周りには皆無である事を知ってどういう事情があるのか
調べていく。

アップル社の協同設立者の一人でiPhoneを生み出したスティーブ
ジョブズの半生を綴るような主人公が登場するもので、
ウォール街で起きたデモでの影響を背景に、新しい時代を
築くデジタル機器で儲けた成功者に対して妬み・辛みで集まる
ものたちに対して一石を投じたようなエピソード。

CSIが科学捜査の最先端を行っている訳だけど、そんなところで
働くものたちが携帯に対して興奮を抱くというのだから相当な
もの。

ラボ周りのエピソードで言えば、サマンサが刑事・捜査官として
の資格を取ったということで、赴任先が決まればこのドラマから
も居なくなってしまうのかなと思わせるけど、取りあえず
最終話まで登場するようなので、形だけの設定って感じもする。

ウルフとデルコがサマンサを巡ってちょっとした感情のベトトル
を感じさせる流れが有ったけど、デルコの手の早さ(笑)とウルフ
が意外とシャイな感じが面白く描かれた。
ウルフはデルコに功績を譲ろうとしていたけど、デルコはウルフ
の気持ちを察して譲った感じなので、誠実なラボの光景がそこに
は有る感じ。サマンサと言えば先日はナタリアとぶつかったけど、
デルコからも厳しい見解の違いでのやりとりがあり、ぶつかる事
が多いね。まぁ雨降って地が固まるパターンではあるが・・・

テクノロジーの進化によって人は快適な暮らしを得ているものだ
けど、それをまた自分の死の為に使ってしまうというのも皮肉な
感じ。ただ冒頭では相当量の薬がベッド脇に置かれていたし、
車椅子だったので、見た目とは違って相当大変な人生を送って
いたのだろうね。
話の流れから、ハイテク銃弾を開発しているのも、息子を戦地の
誤写で失った為だと語っていた。そのメッセージを知った後に
ホレイショが息子のことを思い出すところがまたなんとも言えない。

最後にマシューはメッセージを残していった。
公正な人々に托して欲しかった。人生は選択を迫る。
その選択が周りの人々を巻き込むことも有るが、選んだ道の行方に
責任をとるとかないこと。過ちを犯さない完璧な人はいないこと。
人々の選択にこそ未来がかかっている事を告げ、正義を信じて
未来を選びとって欲しいということ。

続ハリーズロー 裏通り法律事務所9話「危険な伝統
中で、陪審員に対して検事補のキムが語ったこととメッセージ性
は似ている。先の不況を起こしたとされるものたちが何の責任も
取らずに悠々と暮らしているのに対して、怒れる被害市民に
対して正しい選択をして欲しいと訴えたこと。

ドラマでは安楽死の問題も含んでいる感じだし、謎の死を演出
することで、よりメッセージ性も浮かび上がらせた感じ。
各々に持つエゴがまた、開発者に便乗する形で金の臭いによって
群がってくるいう辺りも人間っぽいところだし、親友の存在だった
り、仕事人間だとしていた男の人生の背景に有った息子の為に
捧げた仕事人間さぶりを感じさせる流れで、色々と問いかけるもの
が多かった。

「世界を少しでも良くしたと思えれば上々だ。」
マシュー最後の言葉で人が生きる価値はここに有りと言わんばかりの
メッセージ。
ダイナマイトを開発したノーベル賞創設者のアルフレッド同様に、
その概念を生み出したことによって多くの富が生まれると共に多くの死が
生まれてしまうというところはなんともいえない。こういう武器/テクノロジー
が正しく使われれば良いのだけど、そうも行かないところがまた人間の
選択にかかっているのだろうね。

最近正義という名で犯人を殺し過ぎるホレイショに対して自制を促した
感じにも思えるな。


ホレイショ・ケイン (David Caruso) CSI、リーダー(チーフ)
エリック・デルコ (Adam Rodriguez) CSI
カリー・デュケーン (Emily Procter) CSI
ライアン・ウルフ (Jonathan Togo) CSI
ナタリア・ボア・ビスタ (Eva La Rue) DNAラボ
シンシア・ウェルズ (Brooke Bloom) CSI
マクシン・バレイラ (Boti Bliss) CSI
レオ・ドンウェル (Josh Zuckerman) CSI、コンピュータ分析
ウォルター・シモンズ (Omar Benson Miller) CSI

フランク・トリップ (Rex Linn) デイド署・刑事
ジェイク・バークリー (Johnny Whitworth) デイド署・刑事
イェリーナ・サラス (Sofia Milos) 元刑事、現在私立探偵
リック・ステットラー (David Lee Smith) IAB
サマンサ・バリッシュ (Jessica Szohr) CSI
タラ・プライス (Megalyn Echikunwoke) 検死官 (s7 #2から)
マイケル・トラバース (Christopher Redman) ラボ職員 (s7 #3#18)
ジェーン・バートレット (Samantha Quan) ラボ職員 (s7 #5#6)
デイヴ・ベントン (Wes Ramsey) 写真分析
ジェシー・カルドーソ (Eddie Cibrian) ラボ職員 (s8より)
ウォルター・シモンズ (Omar Benson Miller) ラボ/現場写真分析
トム・ローマン (Christian Clemenson) ラボ/監察医
ニッキー・ヴェガ (Alexandra Adi) ラボ
モリー・スローン (Leven Rambin) ラボ
サマンサ・オーウェンズ (Taylor Cole) CSIラボ・夜番だった
スコット・オーシェイ (Ed Begley Jr.)

ラージ・アンダリ (Sendhil Ramamurthy) ストーンの親友
ジェリー・ブラックバーン (Michael O'Neill) ソラマージ社CEO
マシュー・ストーン (Leonard Roberts) 携帯ソラマージ開発
アマンダ・ヤン (Malese Jow) マシューの彼女
ハイディ・タイラー (Amy Gumenick) 強欲企業反対、実は実家は金持ち
--- (Ben Whitehair) Protester
--- (Travis Sanzone) Tiffany Land's boyfriend
--- (Nancy DeMars) Protester / Shopper
若い頃のデイブ (Daniel Okeefe)
--- (Mario Perez) Bankrobber


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)


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